僕と幼馴染のままならない関係



 変って……変なのはお前じゃん?

 喉まで出かかった言葉を飲み込み、この変わってる目の前の人間と友達になりたいと思った僕は、結人を自分の家に呼んだ。

 家を見せればさすがの結人もビックリして僕にゴマをすってくるに違いない。

 でも、やっぱり結人は僕の大きな家には全く興味を示さない。

 それよりも部屋に置いてあったフィギュアとかゲームの方が気になっていて、僕は呆気に取られた。

 本当にこんな奴がいるなんて――――

 僕は結人を気に入り、彼をちょくちょく家に呼んで遊ぶ事が増えた。

 色褪せた日常にほんの少し色が着いた瞬間だ。

 そして結人と一緒にいる時間が増えると、彼には大事な幼馴染がいるという事が分かる。

 名前は”亮クン”。

 一年生の最初の方は彼の名前ばかり聞く事になる。

 亮クンの話をしている時の結人は信じられないほど饒舌で幸せそうな顔をしていた……僕が経験した事のない感情。

 そう、恋する人間の顔だ。

 そんな結人を見て僕が思うのは、「いいなぁ」という気持ち。

 そして面白い。

 恋ってこんな風に人を変えるものなんだ……いつか自分もしてみたいな。

 でも僕は愛された事もないし、正直人を愛すると言う気持ちが全く理解出来ない。

 恋なんて夢のまた夢だな。

 いつからか結人が”亮クン”の話をしなくなり、二人の間に何かあった事は明らかだったけれど、話したがらない人間にあれこれ聞く気も起きなかったのでそのまま”亮クン”は僕の記憶の奥底に消えていったのだった。

 結人は中学生の間、ずっと僕の家に入り浸り、中学生時代の三分のニは二人で過ごしていた気がする。

 マブダチって感じじゃないけど、あまり口数が多くないから余計な事を聞いてこないし、居心地が良い。