僕と幼馴染のままならない関係


 生まれた時からお金持ちで、生まれた時から独り――――財前財閥家の次男として駆流という名を付けられた僕は、三人兄弟の中間子。

 兄は跡取りとして家の期待を一身に受け、文武両道を地でいく天才。

 末の弟は両親の愛情を独り占めし、一年のほとんどを海外で暮らす両親と、常に衣食住を共にしている。

 僕は常に二番手で兄のように期待される事もなく、弟が生まれると両親の愛情はそちらに全振り、いてもいなくても分からない存在だった。
 
 僕が中学生の時に兄は留学し、両親と弟はずっと海外なので家には使用人と僕だけ――――

 独りなんて慣れてるし、どうという事はない。

 そんな僕の生活に突如入り込んできたのが、中学一年生の時に仲良くなった久楽結人だった。

 財閥家の人間なのに中学受験する事もなく、普通の地元の中学へと進学した僕。

 たまたま出席番号が前後で話す事になった結人は、初めは取っつきにくい印象で、話しかけると物凄く嫌そうな顔をする珍しい人間だった。

 だいたい僕がお金持ちだというのはすぐに伝わるし、それを知ると皆態度を変えてくる。

 結人も絶対そうだと思っていた。

 でも、彼だけは全く変わらない。


 「僕の家って超お金持ちなんだよね~~」

 「あっそ」


 ……それだけ?

 素っ気なくない?

 
 「気にならないの?」

 「なんでそんな事を聞いてくんの?」

 「なんでって……たいていの人は財閥家の人間とお近づきになりたいって思うから」

 「ふーん。変なの」