すっかり油断していた俺は、今後駆流からも亮を守らなくてはならなくなってしまうのだった。
くそっ……まさか駆流まで魅了してしまうとは。
亮が亮らしく生きられるのはいい事とは言え、あまりにも周りを無自覚に魅了してしまうのは危険だ……!
驚き戸惑う幼馴染をこれ以上駆流と関わらせたくなかった俺は、すぐに彼をおんぶして自宅へと向かった。
きっと物凄い動揺しているだろうな……クソ…………まだ俺もキスしてないのに……!!
「おい、駆流のことだけど」
「え?!」
駆流の名前を出しただけで声が上ずっている。
やっぱ、すげー意識してんじゃねぇか……駆流、許さねぇ。
「アイツはだいたいいつもあんな感じだから、あまり考え過ぎんな」
「そうなの?」
「ああ」
「そっかー、そうなんだ…………ありがとう」
これで少しはコイツの意識から駆流を追い出せただろうか。
駆流への腹立たしい気持ちを必死で抑え、亮の家のインターフォンを押すと、とても懐かしい声が聞こえてきた。
『はぁーい』
「帰ったよ」
おばさんの声だ……すげー懐かしい。
母さんと親友だったから、母さんが死んだ後も随分お世話になったな。今の俺を見たらガッカリするだろうか。
しかしそんな心配は杞憂だったようで、何事もなかったかのように俺に気付いて声をかけてくれたのだった。
