俺の言葉にゆっくりと遠慮がちに背中に乗ってきた。
あまり頭を揺らさないように慎重に歩いていく。
背中に感じる幼馴染の温もり……幸せなすぎるだろうがっっ!!
亮の良い匂いがしてくるな。
小学生の時、よくお泊り会をしていて、コイツの匂いが常に近くにあった。
あの頃と何も変わっていない。
変わったのは俺の気持ちだ。
あの頃のような純粋な気持ちではなく、胸の中には幼馴染に対しての欲望がチリチリとくすぶっていた。
考えるな、煩悩を振り払え、無事に送り届ける事に集中しろ――――自分に活を入れながら何とか駅に着いたのだった。
「駆流クン、今日は色々ありがとう。助かったよ」
「亮クン」
なんだか駆流の様子がおかしいな。
「…………おい」
俺の声も聞こえていないのか、駆流はどんどん亮に寄っていき、体を屈めていく。
内緒の話があるにしても距離が近すぎるだろ。
二人を引き離そうとした瞬間、駆流の唇が幼馴染の白くて綺麗な頬に触れ、チュッと音がして離れたのだった。
「亮クンに一目惚れしちゃった。んふっ」
「駆流!!!」
咄嗟に亮から引き離したが事後だった為、駆流は俺の顔を見ながら舌を出し、勝ち誇った表情をしている。
「いいじゃん~~誰のものでもないんだから。僕のことも意識してくれると嬉しいなぁ」
