「それにしても……亮クン美人さん~~~~素顔がこんなに可愛いなんて知らなかった!!」
駆流の大きな声でハッと現実に戻された。
この場で亮の素顔を見たのは連中だけではなく、コイツにも見られてしまったのだ。
亮の白くて柔らかい頬を挟みながら、しきりに可愛い可愛いと言う駆流の腕を引き剥がす。
「おい、触るな!菌がうつる」
「ちょっと、ひっど~~菌扱い反対!」
「あははっ」
笑顔が尊い。笑い声がエモい――――
俺のそばで、俺を見て、亮が笑っている。
それだけで、苦しかった中学時代がウソのように、べっとりと胸にこびり付いていたどす黒い感情が溶けていくような気がした。
亮がなぜ中学受験をしたのか、理由はまだ聞いていない。
ずっとそばにいるって約束をしてくれたのに受験を選んだ……理由を聞きたいけど、自分が求めていたのはそんな事ではなく、ただそばにいて俺を必要としてほしかっただけなんだ。
でももうあの頃みたいな子供じゃない。
体も大きくなったし、今度は俺がそばにいて守ってあげられるようになったのだから。
「ん」
「え……おんぶしてくれるの?」
「さっき首が思い切り締められてたし、頭が揺さぶられただろ。頭は危険だからな」
