よし、帰ろう。
俺の素っ気ない言葉に、慌てながら答える姿も胸を抉るような可愛さで辛い。
可愛いって思いたくないのに、俺の全てのベクトルがそっちに流されていく――――
とにかくこんな場所に留まっていても仕方ないので、3人で歩き始めた。
なんだよ、これ……高校に入ってこんな日が来るとは思わなかった。
淡々と過ぎていた日常に、亮が加わっただけで何もかもが彩られていく……相当頭がお花畑になっていたのか、前から通行人が来ている事にも気付いていなかった俺は、端を歩いている亮がぶつかるのを回避してやれなかった。
ぶつかった相手はクラブでよく顔を合わせるヤツらだ。
向こうも俺らだと気付き、その場で話し込む事に。
名前も覚えていないが、何となくクラブで会話していたのは覚えているぐらいの顔見知りだ。
彼らの中に女もいて、許可もしてないのに腕に絡みついて離れない。
図々しいな……親父が連れてきたあの女みたいだな。
「結人ぉ~~最近クラブで見ないから寂しいんだけど」
「知らねーし」
「もう!冷たぁい」
自分の性の対象が同性なのもあり、女に絡まれる事が苦手なので余計に嫌悪感を抱いてしまう。
コイツらもぶつかったのが俺の友人だと分かれば、亮を見逃すだろうと考えていた。
しかしすぐに自分の考えが甘かったと気付く――――
「おいおいおい、どこ行こうとしちゃってるわけ?オレにぶつかっておきながら」
俺と同じくらいの背丈で俺よりも体格のいい男に、幼馴染が制服の襟を鷲掴みにされて引っ張られてしまったのだ。
「亮!!!!」
苦しそうな幼馴染の表情を見て血の気が引き、頭が真っ白になった。
「おい!!そいつは俺たちの連れだ!!!」
「え――こんなのが?ウソでしょ~~全然結人と合わないじゃん」
