2人が出て行ったあと、店内には静寂が訪れる。
でも俺の心臓だけは口から音が漏れているのではと思うほど、ドクドクと脈打っていた。
亮と一緒に帰る…………たったそれだけの事なのに、小学生以来の事態に歓喜で手が震え、変な汗が滲んでくる。
とにかく変な事を話さないように気を付けなくては……!
駆流もいるし、大丈夫……大丈夫…………そう自分に言い聞かせる。
残りの仕事がまったく手につかない状況だったが、なんとか終わらせて裏口から出ると、そこには宣言通り(可愛い)幼馴染が待っていたのだった。
~・~・~・~・~
「お疲れ様!」
仕事終わりに、笑顔で声をかけてくる幼馴染。
これは現実か?
その言葉だけで、全身が悦びでいっぱいになっていった。
そろそろこの気持ちをなかった事に出来ねぇな。
「…………チッ」
自分の意思の弱さに腹立たしくなる。
会えない間にここまで拗れてしまった自分の気持ちを持て余し、どんな態度をすればいいか分からなくなり、駆流と意味もない言い合いをしてしまうのだった。
ふいに制服の裾を引っ張られた気がして視線を移した。
そこにいたのは、俯きながら頬を赤らめる幼馴染の姿――――
…………天使?
「…………なんだよ」
あ――――どう返していいか分かんねぇ。
ずっと理性を試されている気がする。
「あ、ごめん!もうすぐ日も落ちちゃうし、そろそろ帰ろう」
