僕と幼馴染のままならない関係


 亮を拒絶してから、バイトの日数を増やし、学校へ通う日が極端に少なくなっていた。

 俺が学校にいなければアイツもクラスにはやって来ないし、駆流との接点もなくなるだろう、そう考えていたからだ。

 でもこの考えは自分をも苦しめる案だというのに気付いたのは、3、4日経ってからだった。

 高校に入学してからいつも幼馴染の顔を見ていた事もあり、アイツの顔を見られないという事が思いの外しんどくなってきて辛い。

 くそ……バイト先なんて教えてないので、こんなところに来るはずないのに。

 客が来る度に期待する自分がいるのだから重症だ――――

 中学時代は全く会わずに生活出来ていたけど、一度会ってしまうとこんなにも脆くなってしまうものかと思い知る。
 
 それに加えてアイツがあまりにも可愛く進化しているものだから……最近はこのまま避け続ける事への限界を感じていた。

 しんど――……あんな小型犬みたく人懐っこいくて、すぐにコロコロ表情変わるし、ちっさいし。

 分厚い眼鏡かけてても可愛さがダダ洩れだろうが!!!!

 そんな俺の願望を具現化したように、バイト先に亮が現れる。

 
 「なっ、お前ら……!!」


 まさか駆流が教えたのか?!!

 2人で登場したのを見て、そうとしか思えなかった。亮が一人でここに来るわけがない。

 でも嬉しくてたまらない……っ。
 
 そんな俺の理性を試すように、上目遣いで亮がお願いをしてくる。

 
 「一緒に帰ろうよ。家も近いんだし」


 甘い蜜のような誘惑だった。

 一緒に帰りたい…………今すぐ帰りたい。

 でも俺と一緒だと怖がらせるだろうし、楽しくないだろう。

 昔とはもう違う。

 でも先日コイツを拒絶した時の悲し気な表情が頭をかすめ、これ以上拒否する言葉が喉から出てこない。

 まごつく俺の様子を見兼ねたのか、駆流がさっさと決めてしまうのだった。
 
 
 「僕も一緒に帰ろう~~じゃあ裏で待ってるね。じゃね~~」

 「ちょっ、待っ……っ!!」