そして僕の頭を撫でる彼の手はとても大きくて、宝物を触るような手つきだった。
イヤだ、行かないで――――
ハッと目が覚めると部屋は真っ暗で、時計の針は夜中の3時を指している。
「夢……?」
右頬にまだ感触が残ってる気がする……あれは僕の願望?
駆流クンにされた箇所と同じところだった。
まるで上書きされているかのように。
してほしかったの?
幼馴染にそんな願望を抱くなんて、僕はどうしてしまったんだ。
ここまで送ってくれた彼の優しさに対して申し訳ないやらで、自分に腹立たしい気持ちでいっぱいになっていく。
「最悪…………」
絶対にこんな夢を見たことは、知られてはいけない。
明日から普通に話せるかな……ちゃんとお礼を伝えないと。
部屋までおんぶしてくれた幼馴染の背中、匂い、声を思い出し、その夜はなんだか寝付けずに朝を迎えたのだった。
