思い出しただけでも嬉しくて、頭がふわふわしている。
無事に部屋へ戻ってきた安心感もあり、だんだん眠気が襲ってきて、瞼が重くなってきた。
体も重いな……ダメだ、まだ結人がいるのに……眠りたくない。
眠ったらきっと黙って帰ってしまう――――でもどうしようもなく瞼が重くて開けていられなくなった僕は、そのまま意識を手放してしまうのだった。
そして夢を見る。
――――キィィッ――――
僕の部屋の扉が開く音がして、静かに結人が入ってくる。
彼はベッドサイドにやってきた……せっかく小学生の時以来、彼が僕の部屋にいるのに全く目が開けられない。
帰らないで。
必死に願うも、やっぱり瞼を上げる事は出来なかった。
まだいっぱい聞きたいことが沢山あるのに。
今までどうしてた?どんな中学生活を送ってたの?家族の皆は元気?
どうして僕のこと知らないフリをしたの?
聞きたいことばかり頭を駆け巡り、焦りが増すばかり。
次の瞬間。
右頬に柔らかな感触がして、ゆっくりと離れていったのだった。
『おやすみ、亮』
普段のぶっきらぼうな感じではなく、昔を思い出させてくれるような、泣きたくなるくらい優しくて思いやりの溢れる声だった。
