僕と幼馴染のままならない関係



 「気にするな」

 「全然大丈夫~~特に友達でもないし」

 「そうなの?」

 「うん。クラブでちょっと話したことある程度だよ。それにしても……亮クン美人さん~~~~素顔がこんなに可愛いなんて知らなかった!!」


 駆流クンは僕の両頬を手で挟みながら興奮している。

 美人?可愛い??


 「あいつらも動揺してたね~~凄い威力!可愛い!!」


 え、そうなの?

 なんで謝ってくるのかなって思っていたら……僕の顔?

 興奮する駆流くんに、結人から辛辣な言葉が飛んでくる。
 

 「おい、触るな!菌がうつる」

 「ちょっと、ひっど~~菌扱い反対!」

 「あははっ」


 思わず声を上げて笑ってしまうのだった。

 さっきまでの緊張した状況がウソみたい。
 
 そして眼鏡がないのでボヤける視界の中探そうとしたところ、どこからともなく結人が眼鏡を渡してくれたのだった。


 「ほら」

 「あちゃ~~これじゃあ眼鏡かけられないんじゃない?」


 駆流クンの言う通り、眼鏡はレンズも割れ、フレームも歪んでしまっている。

 
 「……ホントだ。でもなんとかこうすれば……」


 ほんの少し歪みを改善させ、かけて帰るくらいは出来そうだった。

 あまり視界はよろしくないけど……それに買い替え決定だし、母さんに怒られそうだ。


 「ん」

 「え?」


 突然結人が地面にしゃがみ、こちらに背を向けていた。これは――――


 「おんぶ?」

 「さっき首が思い切り締められてたし、頭が揺さぶられただろ。頭は危険だからな」

 「おぶってもらった方がいいよ~~まだちょっとフラついてるんじゃない?」


 そう言われてみれば……頭がズキズキしているのを今さら自覚する。

 彼をおぶったことはあるけど、逆は初めてだ。
 
 心臓が尋常じゃないくらい脈打ってる。

 ちょっと恥ずかしい気持ちを抑えつつ結人のお言葉に甘え、駅に着くまで彼の背におぶってもらうことにしたのだった。