僕と幼馴染のままならない関係



 「結人は今日も休み。でもバイトには行ってるみたいだし、そのうち来ると思うよ?」

 「そうなんだ。バイト……バイト?!」

 「知らなかったの?」

 「うん……」

 「じゃあさ、顔見に行ってみたら?」


 迷惑をかけたらどうしようと思いつつ、働いてる姿を見てみたい好奇心の方が勝り、放課後に行ってみる事にしたのだった。


 ~・~・~・~・~


 「あの――どうしてあなたも?」
 
 「あなたも、だなんて他人行儀だな~~駆流って呼んでよ。亮クン」


 結人のバイト先が割と高校に近いコンビニだという事を教えてくれた駆流クンは、何故だか一緒に行きたいと言い出したのだ。
 
 駆流クンの言葉に一緒に来ていた雫が「気持ちわるっ!」と思いっきりツッコんだ。

 真司も部活が休みなので一緒に来てくれている。

 そして今はバイト先に着き、道路を挟んで向かいの建物からこっそり幼馴染の働く様子を覗き見ながら会話をしている状況だ。

 ほとんど話した事もない違うクラスの人に突然名前呼びをお願いされ、困惑した僕は、クン付けで呼ぶのが精一杯だった。
 

 「え……っと、駆流クン?」

 「もう~~せっかく結人のバイト先教えてあげたのに、つれないなぁ」


 どうにも駆流クンとの距離感がつかめない。

 気を取り直して結人の様子に目を向けると、コンビニの制服を着ながら髪の長い部分をところどころピンで留め、仕事に励んでいた。

 背も高くて制服も似合ってるし、カッコいいな……モテそう。

 テキパキ仕事する姿を初めて見て、何だか動悸が早くなってる気がする。

 昔は僕の後ろを歩いて内気な結人だった……昔は昔でとても可愛かったんだよな。

 それに裕福ではないにしてもお金に困っている家でもないと思うのに、バイトしてるんだ。

 中学三年間会わなかった間に、彼を取り巻く環境が驚くほど変わっていて、何も知らない自分に寂しさと後ろめたさを感じてしまう。

 ”中学受験”

 この選択をした事に後悔はしていない。

 
 『夢を叶える為の亮の覚悟を見せて』