僕と幼馴染のままならない関係



 「探してみたらいんじゃね?俺も付き合うよ!亮の幼馴染なら俺も仲良くなれそうだし」

 「ありがと。ホント雫って男前だよね」

 「お前くらいだよ、そんな事言うの」

 「いや、そんな事ないよ」


 互いに謙遜し合っていると、クラスの男子に雫が呼ばれ、その中に自然と溶け込んでいく。

 やっぱり言った通り、雫って凄いな。

 僕なんか未だに中学時代を引きずって、素顔もまともに出せないし、なるべく隠し通したいと思っているし、あんな風にすぐ人と打ち解ける事も出来ない。

 せっかく中学時代から解放されたっていうのに、心は解放する事が出来ないなんて……まぁ徐々に頑張ろう。

 とにかく近い内に他クラスに行って、探してみよう。
 
 そうこうしている内にお昼の時間がやってくる。

 僕はお弁当で雫は学食という事で、2人で学食へと向かったのだった。


 「凄い人……」

 「こっちで発券するみたいだ。ちょっと行ってくる!」
 

 1年生だし、初めての学食なので全く勝手が分からない……僕も学食の日があるだろうから、雫のやり方を見ておこう。

 それにしてもメニューが沢山ある。

 頼んだ学食を運ぶ人を見て、ボリュームも凄いんだなと驚くばかりだった。

 今度は僕も学食にしようかな……高校生って感じでいいかも。

 
 「雫!席取っておくから!」


 僕の声に雫が手を振って応えた。

 これだけ人がいたら座るところがなくなってしまうし、先に座っておこう。

 そう思って移動すると、ちょうど2人分の椅子が空いているのを見つけ、そこに腰を掛けた。

 良かった――――ホッと胸を撫でおろす。

 隣りの人がちょっと金髪が入っていて、ガラが悪そうでドキドキしてしまう。

 チラリと視線を泳がすと、耳にも沢山のピアスが見える。

 ツーブロックで凄く体格が大きく、肩が触れそうになるのが気になるけど、座れないよりはいいよね。

 自分が165cmもないので、隣りの人が余計に大きく感じるのかもしれない……185cmくらいはありそう。

 まだ雫は並んでいるし、とにかく先にお弁当を広げておこうと、ランチバッグからお弁当を出している時に、隣りに座っている集団の話している内容が耳に入ってきてしまう。


 「ははっ、お前、また遅刻したの?!入学式も遅刻だし、やる気ねー」

 「チッ、うるせー。放っとけ」

 
 ひぇ~~まだ入学してまもないのに堂々と遅刻してくるなんて。

 でもこの高校は県でも偏差値トップの進学校だから頭は良いはずなのに、なんでこんなにやる気を失くしてるんだろう。


 「さっそく生活指導のセンコーに目をつけられてやんの。おい、久楽結人!!その髪とピアスはなんだ!って」

 「「ぎゃははっ」」

 「るせーな、飯食ってる時くらい静かにしろや」


 久楽結人…………結人?

 その名前は僕が探していた幼馴染の名前だ。