「RINEだけじゃなくて遊びに来てよぉ!家近いんだし!」
「分かった、遊びに行くよ」
もはや泣き過ぎて会話にもなっていなかったかもしれない。
顔を見られない時間が辛い、返信を待っている時間も辛い。
忙しいのか家にも来る頻度が減ってしまい、亮になかなか会えずに悶々とした日々を送っていたある日、あまりにも会いたくて彼の夢を見た。
その夢の中では……恋人同士の関係で幸せそうな俺と亮、そして彼の形の綺麗な唇にキスしようとしたところで目覚める。
「なんて夢だよ……」
でも、あれは俺の願望だ。
もうずっと、おそらく幼い頃から彼に対して独占欲まみれで、結婚したいと思っていた。
亮は全くそんな事など考えてもいないだろうし、感じてもいないだろうけど。
会いたい――――亮――――
そんな気持ちを抱えていた中学一年の秋、父さんが一人の女性を連れて仕事から帰ってきたのだった。
「結人、奏斗、二人に紹介したい人がいるんだ」
「初めまして、新美玲奈です」
「……初めまして」
父さんが改まって女性を紹介してくるなんて初めてだった。
物凄く嫌な予感はすぐに現実のものとなる。
「母さんが亡くなってから彼女が父さんを支えてくれていて……結婚を視野にお付き合いをしている」
「よろしくお願いします」
女性は清楚な見た目で柔らかく挨拶し、父さんに寄り添い、父さんが言う通り母さんが亡くなってから支えてくれていたのだろうと分かるような2人の雰囲気だった。
分かるけど……やっと母さんの死を受け入れて三人で生活出来てきたところなのに、いきなり新しい母親とか、正直考えられない。
奏斗は女性の柔らかい雰囲気に笑顔を見せ、あまり嫌がる素振りは見せていなかった。
俺だけが反対なんて出来ない……でも心の中は思い切り拒絶している。
それは父さんに対してなのか、目の前の女性に対してなのか、自分でも気持ちがぐちゃぐちゃでよく分からない。
