何度も何度も聞かされた言葉――――今わの際まで同じ言葉を繰り返す。
俺たち兄弟を残してしまう事に対して、少しでも俺たちの気持ちを落ち着かせる為に言っていたのだろう。
でも母親がいなくなるショックはとても大きくて……毎日毎日学校にも行かずに泣き暮れていた。
そんな俺にずっと付き合って、亮も学校に行かずにそばにいてくれたのだった。
「亮は、学校に行かないの?」
泣きながら幼馴染の膝に顔を埋めて問いかける。
弟の奏斗も亮に抱きつき、離れようとしない。
そんな俺たちを突き放すなんて彼に出来るはずがないと分かっていたし、涙を流しながら聞くなんて卑怯だと思ったけれど、とにかくそばにいてほしかったのだ。
「行くわけないだろ?ずっとそばにいるから。大丈夫だから」
アイツの優しさが嬉しかった。
可哀想な俺だと思ってくれてもいいから、ずっとそばにいて――――でも、別れは突然やってくる。
「え……中学受験?」
「うん。母さんと話し合って、中学は受験しなさいって事になって」
嘘だろ…………亮が俺のそばからいなくなる……?
『ずっとそばにいるから。大丈夫だから』
そう約束したのに――――
あの時の言葉は、嘘だったのか?
俺がいくら泣いても、懇願しても、彼の意志は固く、中学受験を止めてくれる気配はなかった。
俺の家は父子家庭なので、経済的な意味でも父親に受験の話をする事は出来ない。
亮自身も受験の理由は話したがらなくて、理由も分からないままとうとう卒業を迎えてしまったのだった。
卒業式後に児童玄関前で大泣きする俺に向かって、笑顔で「毎日RINEするから!」と伝えてくる亮。
