僕と幼馴染のままならない関係


 「亮、ドンマイ」

 「む……慰めになってない」

 「ふはっ」


 滅多に見られない笑顔に、思わず心臓がドキリとしてしまう……そんな顔も出来るんだ。

 こういうギャップに女子は弱いんだろうな。

 真司は身長も187cmって言ってたし、鍛えられた肉体に目も切れ長でキリリとしているから、黙っていてもモテそうなものだ。

 167cmしかないちんちくりんな僕とは雲泥の差――――僕の成長期はもう終わってしまったのだろうか……。

 そういや、結人も大きくなっていたもんな。
 
 この前階段で駆けつけてくれた時は、眼鏡をかけ直してくれた手がとても大きくなっていて驚いたものだけど。

 小学生の時は体つきも同じくらいだったのに。


 「そうだ、雫。ちょっと付き合ってほしいんだ」

 「亮の頼みを断るわけないだろ」

 
 真司に挨拶を済ませて立ち上がると、雫に付き合ってもらい、急いで生徒玄関口へと向かった。

 皆が帰っていく姿を眺めながら、結人がやってくるのを雫と2人で待つ。

 階段で助けてくれた時のお礼を言わないと。
 

 「わざわざお礼を言う為に待たなくても……今度会った時でいいんじゃね?」

 「そうしたかったんだけど、全然会わないし、今日は登校してるのを見てたからチャンスだと思って。このままだと一カ月とか余裕で経っちゃいそうだし。それになんだっていいんだ、話せるキッカケがあれば」

 「そこまでして前みたいに仲良くなりたいん?」

 「うん……中学受験したのは夢の為なんだけど、そのキッカケをくれたのもアイツだから」


 僕は雫ならいいかなと思い、自分の夢について話す事にした。

 僕の母親と結人の母親は親友同士で、生まれた時から一緒に育ってきた幼馴染――――しかし幸せな日々は突然終わりを迎える。

 結人のお母さんに癌が見つかったのだ。
 
 発見が遅かったのもあり、おばさんはあっという間に儚い命を散らせて逝ってしまった。