出席番号で前後という事もあり、席順も前後なので必然的に話すようになった。
そして何より――――雫はなんと、乙女ゲーム仲間だったのだ。
「乙女爛漫春恋2やったか?!今回も色んなルートがあってめちゃくちゃ面白いよな!!」
「もちろん!海人ルートを今攻略しようと思っているんだけど、なかなか手強くて……」
小学校の時に女子の友人から乙女ゲームを借りた僕は、勉強の息抜きにプレイするとどっぷりどハマりし、今もなお継続中である。
僕がスマホで乙女爛漫春恋2(略して乙春)の公式HPを見ているところを雫に見られ、お互いに乙女ゲームが好きな事が発覚したのだった。
嬉しい……高校って最高か。
中学の時は本当に自分の容姿、特に大きな目を揶揄われ、身長もなかなか伸びないし、いじめられたりもして学校へ行くのが憂鬱で仕方なかった。
この高校は県でも有数の進学校だ。
僕をいじめていた人間は来ていないはずだし、あまり一緒の中学の人はいないから、安心して通える。
何よりこの高校を選んだのは、生まれた時から仲良しで育った幼馴染がこの高校を進学先に選んでいたからだ。
中学では僕が中学受験をした為に一緒に通う事は叶わなかったので、久々の再会となる。
アイツは何組なんだろう……入学式の時に名前を探してみたけれど、時間がなくて見つけられなかったんだよな。
僕のクラスは特進クラスで、高校入試で優秀な成績をおさめた者が通うクラスだった。
アイツも小学生の時は物凄く頭が良かったから、このクラスでもおかしくはないと思っていたのに、このクラスにはいない。
「はぁ……探してみよっかな」
「? 誰をだ?乙春2に出てくるキャラクターか?!」
休み時間にポツリと呟いたひと言を聞き逃さず、雫は食いついてくる。
「違うよ、幼馴染がここに入学しているはずなんだ。ほとんど生まれた時からの付き合いで小学校まで凄く仲良くしてたから、会いたいなって」
「へぇ――……って生まれた時から?!」
「誕生日も1日違いなんだよ。母親同士も親友だし、産院も一緒」
「そんなことあるんか……」
でもアイツのお母さんは小学生の時に亡くなってしまい、必死に慰めてたっけ……その時の事を思い出して懐かしさに浸っていると、雫からまたしても疑問が飛んでくる。
「本当に入学してんの?」
「ああ。アイツのお父さんに会う機会があって、そんな話が出たから詳しく聞いたんだ。家も近所なんだよ」
アイツの家は父子家庭だったけど、おじさんは2年前に再婚したって言ってたはず。
中学時代は僕も勉強三昧で引きこもりがちだったし、全然アイツと顔を合わす事がなかったけど……次第に連絡も返ってこなくなり、アイツの家にも行きにくくなってそのまま――――
3年間でどんな感じになっているのか、凄い気になるし、単純に会いたい。
