僕が何をしようとしているのか分からずにキョトンとする表情が可愛い。
そのまま勢いで、大好きな幼馴染の唇にキスをした。
触れるだけのキス。
乾いた音がして唇が離れる。
俺を好きになれって言うんだから、お返しだよ。
「僕を好きになって、結人」
驚き瞠目する幼馴染の反応をジッと見つめた。
僕にしては物凄く勇気を出したんだ……何か言ってほしい。
もしかして嫌だった?
あまりにも反応がないものだから不安に駆られ、声をかけようとした瞬間、その言葉は彼の唇によって塞がれ、かき消されてしまう。
体育倉庫の時と同じ、互いの存在を確かめるようなキス。
結人の腕の中にすっぽりとおさまり、この腕の中では何も心配する事はないんだと思えて、互いの匂いや体温、感触に頭がクラクラしてくる。
好き。
大好き。
どれくらい時間が経っただろうか……名残惜しそうに唇が離れ、熱を帯びた彼の瞳に釘付けだった。
そして結人は僕の耳元に唇を寄せ、小さく囁く。
「もうとっくに好きだから」
「へへっ。僕も……大好き」
一番聞きたかった言葉。
そしてようやく口に出来た言葉。
僕たちは誰もいないのをいい事に、何度も何度も互いの気持ちを確かめ合った。
外から閉会式が終わった生徒の声が聞こえてきてもしばらく離れる事が出来ず……ようやく気持ちが届いた幸せに、いつまでも酔いしれる。
そんな僕たちを窓から入り込むそよ風が、優しく包み込んでいったのだった。
~~Fin~~
