僕と幼馴染のままならない関係


 しかし寸でのところで躓き、思い切り転んでしまったのだった。

 その衝撃で眼鏡も吹っ飛んで視界が一気にぼやける。

 最悪だ……どうして僕ってこうなの…………。

 でも遠くから……僕を応援する幼馴染の声が微かに聞こえてくる。


 「亮――!!もう少しだ!!!」

 
 嘆いてる場合じゃない……!!

 眼鏡を拾っている時間もないし、とにかく1位を取るんだ。

 迷いがなくなった僕は、ぼやける視界の中走り出した。

 右膝がズキズキする……でもそんなの構っていられない……!目の前で結人の声が……皆の声が聞こえるから……その方向へ走っていけば大丈夫!

 そしてゴールテープを切ったのを感じ、クラスメイトに囲まれて皆が僕の体を支えてくれる。


 「亮~~~やったぞ!!」「1組が1位だ!!!」「よく走ったな!」


 皆とても嬉しそうだ……走り切って良かった。


 「ごめんね……コケちゃってめちゃくちゃ焦った」


 なぜか突然クラスメイトが静まり返ってしまう。

 どうしたんだろう?


 「ど、どうしたの?」

 「いや、お前……その顔…………」

 「あ!」


 しまった…………眼鏡してないの、忘れてた……皆変な感じになっちゃってる……!

 どうしよう、笑われたら。

 咄嗟に顔を隠す。

 でもクラスメイトの絶叫は、僕が予想していたものとは全く違うものだった。


 「「えぇぇぇえええ!!」」

 「お前、なんで隠すんだよ?!」「美人!!」「可愛い~~」「ずっとそのままでいろ!」


 中学の時とは真逆の反応に僕の方が呆気に取られ、その場で立ち尽くしたのだった。