「なぁ、ここ1組なんだけど」
「知ってる~~」
「自分のクラスで食えよ!」
「もう米粒飛んできた~~下品~~」
「おま……っ」
雫のツッコミに駆流クンは全く動じる事なく、1組の中に普通に溶け込みながらお弁当を広げていた。
それにしても駆流クンのお弁当……お重だ。
確か家がお金持ちだって聞いたような。
「これ全部駆流クンの?」
「そうそう。お手伝いさんがいつも作り過ぎるんだよね。亮クンも食べて」
「あ、ありがとう」
僕は母さんが作ってくれた弁当に視線を移し、相変わらずのキャラ弁にちょっぴり恥ずかしくなる。
上手だから作りたいんだろうけど……高校生の息子にキャラ弁……。
「亮はおばさんのキャラ弁か」
「うん……ブレないよね。本人が作りたいだけだろうけど」
「おばさんらしいな」
ふいに結人のお弁当に視線を移すと、なんだか歪なおかずが並んでいた。
「あの人が作ったの?」
「いや、別居中。もう家にはいねーんだ」
「え?!」
「親父と話し合ったらしくて、今離婚に向けて協議中らしい。知らんけど」
「そ、そうか……」
突然の展開にどう言葉を返せはいいのか分からない。
家族仲が修復すればいいなと思っていたけれど、別居という展開は予想していなかったから。
別居に関しての結人の言葉に胸が痛む。
彼の中では女性にもおじさんにも許せない気持ちが渦巻いているんだろうな……受けた傷は大きいだろうし、ちょっとやそっとで解決出来る問題ではないもんね。
でも僕は、もう結人を傷つける事を言う人間はいなくなったんだと思うと、不謹慎にもホッとしてしまう。
幼馴染は少し複雑な表情で自分のお弁当を見せてきて、
