ラジオ体操が終わり、1年生の借り物競争が始まる。
僕の仕事はお題カードや借り物を毎回もとに戻す事なので、借り物競争には参加せず、実行委員のメンバー数人と共にグラウンドのすぐ近くで待機していた。
すぐ隣りには結人も立っている。
「お、次は駆流が出るぞ」
「ホントだ!」
駆流クンの番がきたのを見付け、少し遠かったけれど手を振ってみたところ、手を振り返してくれる。
「そんな応援しなくても駆流ならはえーよ」
「え、でも6組は結人のクラスなんだから、応援したいし……」
「……そか」
「わわわっ」
正直な気持ちを伝えただけなのに、なぜか髪をぐしゃぐしゃにされ、台風にさらされた人みたいになってしまったのだった。
そんなやり取りをしている内に借り物競争が始まり、いよいよ駆流クンの番になったので力いっぱい応援した。
「駆流クン、ガンバ――!!」
「駆流!1位取れよ!!!」
スタートの合図が鳴り、駆流クンが走り始めると一番でお題のカードのところにたどり着く。
「駆流クン速い!」
「のらりくらりやってるけどな。クラス対抗リレーにも選ばれてるぞ」
「そっかー」
キラキライケメンで運動神経もいいなんて、凄くモテそう。
心なしか女子の黄色い声も多いような……お題カードを読んだ駆流クンは叫びながらこちらへ猛然と走ってくる。
「亮くーん!僕と来て!!」
「え?!わ、分かった!」
咄嗟に差し出された手を握り、僕は駆流クンと一緒に走り出したのだった。
