跳び箱にもたれながらズルズルとヘタリ込み、荒くなった呼吸を必死に整えた。
俺を好きになれってどういう意味?
結人のことを好きになったら、僕のことも好きになってくれるの?
自分の気持ちも満足に言えないのにそんな事を聞けるはずもなく、恥ずかしくて顔を上げられずにいる僕を大好きな幼馴染が抱きしめた。
「ごめん……苦しかったよな」
全然嫌じゃなかったし、慌てて首を振って否定する。
僕を気遣う彼の声が優しくて、匂いや温もりに顔を埋めた。
いい匂い……ずっとこうしていたい。
大好き、結人。僕を好きになって――――
するとそこへ、人が来たのか、鍵が開かないという声が聞こえてくる。
――――ガチャガチャッ――――
色々話したい事はあったけれど、騒ぎになりそうだったので慌ててそこから出た僕たちは、顔を見合わせて笑い合った。
告白されたわけじゃないし、告白したわけじゃないけど、
「俺を好きになれ」
そう言われたことで、自分が彼を好きでいていいんだと言われた気がして、僕の心は驚くほど軽くなっていた。
