僕と幼馴染のままならない関係



 「違う!僕が好きなのは……僕は…………」


 結人が好きなんだよ!!

 ”好き”

 この2つの言葉を言うだけなのに、喉まで出かけて飲み込んでしまう。

 今はまだ眼鏡も外せないし、自己肯定感も低すぎてすぐにうじうじしてしまう。

 自分に自信がないから、彼の隣に立つ自分が想像出来ない。

 もう少し自信を持てたらその時は自分から――――

 そう思ってたのに、


 「他のヤツの事なんて俺が忘れさせる」


 幼馴染の大きな両手が、僕の頬を優しく包み込んだ。

 これはどういう状況……?

 俺が忘れさせるって…………呼吸するのも忘れて目の前の彼にくぎ付けになってしまう。

 結人の顔がゆっくりと近付いてくる。

 そして熱に浮かされていた時と同じ、彼の柔らかい唇が僕の唇を食んだ。


 「俺を好きになれ」


 鋭い眼差し。

 瞳には熱がこもっていて、あんまりカッコいいから胸は自然と早鐘を打っていく。

 結人の言葉に何か言いたかったけれど、それは彼の口内へ吸い込まれて消えていった。

 前は触れるだけのキスだったのに、今日のは全然違う。

 まるで食べられているかのような――――

 息、出来ない……倉庫内には二人の息遣いだけが響き、何も考えられなくなっていく。

 苦しいけど止めてほしくない。

 でもそろそろ息が……だんだんと頭が真っ白になっていき、膝がカクンッと頽れてしまう。


 「亮!」

 「……はっ……はぁ、はぁ…………っ」