ようやく涙がおさまっていたのに、また思い出すと苦しくて泣けてくる。
人を好きになるってこんなに苦しいものなの?
また雫のハンカチに顔を埋めていると、雫からズバリ好きな人を当てられてしまう。
「その好きな相手って、久楽?」
「………………え……」
「だって、そうとしか思えなくて。さっきのも……だから苦しいんだろ?」
「あ……う…………っ」
なんて答えればいいのか分からない。
正直に答えたら雫は気持ち悪がって離れていってしまう?
せっかく眼鏡を外しても大丈夫な友達が出来たのに、同性を好きな事で雫までいなくなってしまったら耐えられない。
どうしよう……だからと言って否定する言葉も言いたくない。
「大丈夫だよ、亮。そんな事で俺たちの関係が終わるわけないだろ?」
「…………っ、う――――っ」
またしても雫に泣かされ、嗚咽しか出てこない。
僕の悩みも「そんな事」で一蹴してしまう雫なら……大丈夫。
「結人が好きだって気付いちゃって……どうしたらいいか分からなくて…………っ」
「うんうん。まぁそうかなとは思ってたんだけど」
「?!」
「そうじゃなくても久楽の事大好きだったもんな!アイツの後追っかけてバイト先までこっそり見に行っちゃて」
雫は笑いながら話しているけど、僕にとってはとても恥ずかしい話で、全身が発火するのではと思うくらい熱が集まってくる。
「そ、そんなに分かりやすかった……?」
「そりゃな……本人たちだけじゃね?意識してないの」
「…………恥ずかしすぎる」
「さっき走り去る亮を見て確信したっつーか。俺たち乙女ゲー好きじゃん?海人も久楽そっくりだしな!」
雫に指摘されて今更気付くなんて……確かに言われてみれば海人は結人に似ていた。
小学生の頃の結人を大きくした感じ。
