僕と幼馴染のままならない関係


 僕の方が……僕だって…………僕が一番結人の近くにいたい。
 
 僕は――――幼馴染に恋をしてしまったんだと、ようやく自覚した。
 
 学校からの帰り道、やっぱり僕の様子が変だと思った結人は、自宅近くの歩道で立ち止まり、真剣な表情で理由を聞いてくる。


 「亮。俺、お前に何かしたか?」

 「え……いや。どうして?」

 「明らかに俺に対して態度おかしいだろ。嘘ついてでも避けたいのか」

 「え?!いや、違う!!そうじゃなくて…………」

 
 どうしよう、結人が変な方向に誤解している。

 だからといって今の段階で自分の気持ちを明かすことは出来ない。


 「この前の熱でた時、思いっきり結人に寄っかかって迷惑かけたし、合わせる顔ないなーって」


 これは僕の本当の気持ちだった。

 それにずっとそばにいるって約束を破ったのも僕だから、色々と申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 でも大好きな幼馴染は、そんな僕の気持ちなど杞憂だと言わんばかりに、柔らかく微笑み、頭を撫でてくる。


 「なんだ。んなこと気にしてんのか。相変わらず心配症だな」


 夕日を背に纏い、金髪が煌めいていてとても綺麗――――

 
 『大好きだよ』
 

 僕だって、好き。

 大好き。

 でも、気付きたくなかった気持ち。

 ただ純粋に大切な幼馴染として、ずっとそばにいたいと思っていたのに。

 もし結人の大好きが恋愛的な意味じゃなかったら立ち直れない。

 それを確かめる勇気も今はないから、ひとまずこの気持ちは胸に封印しておこう。

 
 『はんぶんこね!』

 
 そう言った幼い頃の結人を思い出し、この気持ちも共有してくれたら……なんて都合のいい事を思ったけれど、そう簡単に物事上手くいかないよねと自嘲し、その日は帰宅したのだった。

 翌日――――

 自分の気持ちを自覚すると、思いの外気持ちが落ち着いたのか、結人と目が合わせられない状況ではなくなった。

 じっくりこの気持ちを育てよう。

 そう思った矢先、突然試される出来事はやってくる。

 最近は放課後になると結人が教室に来てくれて、体育祭実行委員会がある日は一緒に出席、委員会もバイトもない日は一緒に帰るのが近頃のルーティンになっていたけれど、いくら待っても結人が来ない。


 「今日は遅いな」

 「クラス行ってみるか?」


 雫に促されて結人のクラスに行く途中に、女子と一緒に歩いている幼馴染の後ろ姿を目撃する。

 ドクンッ。

 心臓が嫌な感じに跳ねた。
 

 「おい。あれって……久楽じゃね?アイツ女子と…………もしかして告白か?」


 雫が解説するように僕と同じ考えを口にした。

 面白そうだから見に行こうと言われ、断ったけれどやっぱりどうなるか気になり、雫について行く事に。

 そしてその事を痛烈に後悔する事になるのだった。