「亮?」
ひ~~~顔を覗き込まないでっ!
眼鏡と前髪で向こうから目は見られていないものの、この距離感に耐えられそうもない。
「亮~~大丈夫か?!まだ具合悪いなら保健室……」
「大丈夫!教室に行こう、雫!心配かけてごめんね、結人。またね!」
「あ、ああ……」
僕は雫を連れて一目散に教室へと駆けていき、すぐに机に突っ伏した……なんだよ……ずっと気にして悩んでるの僕だけじゃないか。
そもそも結人は僕が熟睡していると思っているのだから、普段通りに決まってるんだけど。
なんだか悔しい。
こんな風に心をかき乱されて……僕は……僕は、どうしたいんだ。
だって、アイツがあんな事をするから……あんな事を言うから――――!!
結人の唇の感触と、大好きだよと言う言葉を思い出してしまい、悶えてしまう。
「高嶺、どこを見とるんだ」
「え? あ…………」
授業が始まり、教科書を開かずに机をジッと見つめていた僕に、先生が目の前に来ていて注意をされてしまう。
しまった…………あの時の事を思い出して自分の世界に入ってしまうなんて。
慌てて教科書を開き、授業に集中するべく前を向いた。
土日を挟んでもまったく気持ちが落ち着く事はなく、この日もずっと結人に振り回されっぱなしだ。
翌日も、その翌日も――――
幼馴染の態度がとても甘い。
僕を心配する瞳や表情が優しいし、頬を撫でる手が……なんか…………色気がある。
本当に自分でも何を考えているんだろう。
体育祭実行委員会でも仕事を頼まれたのにミスをしちゃうし。
