僕と幼馴染のままならない関係


 なんとか口にしたけれど、意識が遠のいていきそうで、上手く言葉を紡ぐ事が出来ない。

 そんな僕の頬に結人の手が重なり、優しく撫でた。

 ひんやりしていて気持ちいい……僕の頬をずっと撫でてくれる手を無意識に握りしめ、今度こそ眠りに落ちていく刹那、彼の優しい声が聞こえてきた。

 
 「亮、頑張ったな」


 心は彼の一言に喜び、少し眠気が飛んでしまう。

 僕が寝落ちたと思ったのか、ベッドサイドに腰を下ろしていた結人が立ち上がる気配がした。

 彼の体重でベッドが軋む音がする。
 
 このまま結人が帰るまで寝たフリをしておこう。

 彼の手を握りしめたままの手をどうしようかな……力を緩めるべきか……なんて考えていると、なんだか目の前が暗くなった感じがした。

 自分の手を離そうとしてるのかもしれない。

 どちらにしても彼が至近距離にいるという事に、心臓がドキドキして、だんだん頭が覚醒してきたかも。

 起きている事がバレないか、色んな意味で口から心臓が飛び出してしまいそうだった。

 早く帰ってほしいけど、帰ってほしくない。

 この手も本当は離したくない。

 そう思った瞬間。


 「フッ、ずっと握ってんの。かわいー」


 ?!

 かわっっ?!!!

 どうしよう、目を開けてしまいたい。

 でも開けたら絶対気まずいよね……とにかく耐えないと……!

 気付かれませんように。

 気付かれませんように……祈るような気持ちで目を瞑っていたところに、ふいに柔らかい感触が唇に触れた。

 マシュマロのような……この感触――――

 目の前は暗く、今までで一番結人の匂いを感じる。