バイト探しは、今朝からずっと僕の頭の片隅にあった。律くんが働いている話を聞いて、より見つけなくちゃという気になる。
「陽翔もバイトしたいんだ。まぁ、そうだよな……大学生って付き合いでも何かとお金がいるし。それに陽翔は、昔からそういうの、ちゃんと考えるタイプだもんな」
律くんの口から再び〝昔から〟という言葉を聞いて、小さく心臓が跳ねた。
田舎にいる時、途中で僕の方から関わりを無くしてしまったのに、接しているときに感じたことを覚えてくれているのが嬉しかった。
こうして認めてくれる言葉たちが、僕の心でダイヤみたいにキラキラと輝きを放つ。
「ありがとう、律くん。……それにね、毎月親から仕送りをもらっていて、甘えてばっかりじゃ嫌だなと思って……。勉強も疎かにしたうないけど、ちゃんと自分でお金を稼ぎたいって思って」
今朝、決心した内容をうっかり律くんに話してしまう。
けれど律くんは、笑顔でうんうん、と頷いて聞いてくれた。
「じゃあさ、俺のとこで働けばよくね?」
「え⁉」
想像の遥か斜めを行く提案に、僕は大きな声を上げてしまう。
僕が、律くんと同じ職場に? バーテンダーとして?
「いや―――絶対に無理です。こんなモブが、大都会の煌びやかところにいたら浮いちゃうよ。第一、緊張して何も話せないと思う。お酒のこととか全っ然分かんないし。お酒も飲めないし」
「いや、大丈夫だって。俺が手取り足取り教えるから」
律くんの真剣み帯びた表情に、少しだけ鼓動が速くなる。
本当にこの熱量だったら、付きっ切りで教えてくれそうな勢いだ。
バーテンダーとしての律くんを身近で見てみたい気もする。それに、あんな素敵な場所で一緒に働ける日が来るのなら、僕も少しだけ律くんに近づけるような気がするかもしれない。
正直、結構わくわくしてしまう。
だけど、現実的に無理だ。僕にはそこにふさわしい、容姿もコミュ力も皆無。
「律くん、ありがとう。そう言ってくれてすごく嬉しいけど、僕、まともにバイトもしたことなくて。だから、いきなりハイレベルな場所では働けないと思う。自分がぴったりだ!と思えるような場所でまずは働きたいかも」
本当にこの流れで、律くんはバイト先に僕を紹介してくれるような気がしたので、はっきりと意志を告げる。
めちゃくちゃ行きたいけど、まだ時間はかかる。いきなり、律くんの傍にいれるような男になれるとは思っていない。
すると律くんは何か言いたげな表情で僕を数秒見つめた後、なぜか照れたように視線を外した。
「ごめんな、押しつけがましいこと言って。陽翔がいたら単純に楽しそうだと思っちゃって。悪かったな。お前の言う通り、自分が合うと思ったバイト先を見つけるのが一番だ。……うん」
「……う、ん。すごい嬉しいかも。僕も、律くんといると楽しいから」
気付いたら、頬が緩んでいた。
だって嬉しすぎる。憧れの律くんの口から、僕がいたら楽しそうだと言ってくれたことが。
自分と同じように、思ってくれていることが、こんなに嬉しいなんて。
すると律くんは、僕の顔を覗き込んだ。急に縮まった距離に、ごくっと思わず喉を鳴らす。
「じゃあ分かった。時々こうして、陽翔が俺ん家に飯食いに来ればいいんじゃない?」
「陽翔もバイトしたいんだ。まぁ、そうだよな……大学生って付き合いでも何かとお金がいるし。それに陽翔は、昔からそういうの、ちゃんと考えるタイプだもんな」
律くんの口から再び〝昔から〟という言葉を聞いて、小さく心臓が跳ねた。
田舎にいる時、途中で僕の方から関わりを無くしてしまったのに、接しているときに感じたことを覚えてくれているのが嬉しかった。
こうして認めてくれる言葉たちが、僕の心でダイヤみたいにキラキラと輝きを放つ。
「ありがとう、律くん。……それにね、毎月親から仕送りをもらっていて、甘えてばっかりじゃ嫌だなと思って……。勉強も疎かにしたうないけど、ちゃんと自分でお金を稼ぎたいって思って」
今朝、決心した内容をうっかり律くんに話してしまう。
けれど律くんは、笑顔でうんうん、と頷いて聞いてくれた。
「じゃあさ、俺のとこで働けばよくね?」
「え⁉」
想像の遥か斜めを行く提案に、僕は大きな声を上げてしまう。
僕が、律くんと同じ職場に? バーテンダーとして?
「いや―――絶対に無理です。こんなモブが、大都会の煌びやかところにいたら浮いちゃうよ。第一、緊張して何も話せないと思う。お酒のこととか全っ然分かんないし。お酒も飲めないし」
「いや、大丈夫だって。俺が手取り足取り教えるから」
律くんの真剣み帯びた表情に、少しだけ鼓動が速くなる。
本当にこの熱量だったら、付きっ切りで教えてくれそうな勢いだ。
バーテンダーとしての律くんを身近で見てみたい気もする。それに、あんな素敵な場所で一緒に働ける日が来るのなら、僕も少しだけ律くんに近づけるような気がするかもしれない。
正直、結構わくわくしてしまう。
だけど、現実的に無理だ。僕にはそこにふさわしい、容姿もコミュ力も皆無。
「律くん、ありがとう。そう言ってくれてすごく嬉しいけど、僕、まともにバイトもしたことなくて。だから、いきなりハイレベルな場所では働けないと思う。自分がぴったりだ!と思えるような場所でまずは働きたいかも」
本当にこの流れで、律くんはバイト先に僕を紹介してくれるような気がしたので、はっきりと意志を告げる。
めちゃくちゃ行きたいけど、まだ時間はかかる。いきなり、律くんの傍にいれるような男になれるとは思っていない。
すると律くんは何か言いたげな表情で僕を数秒見つめた後、なぜか照れたように視線を外した。
「ごめんな、押しつけがましいこと言って。陽翔がいたら単純に楽しそうだと思っちゃって。悪かったな。お前の言う通り、自分が合うと思ったバイト先を見つけるのが一番だ。……うん」
「……う、ん。すごい嬉しいかも。僕も、律くんといると楽しいから」
気付いたら、頬が緩んでいた。
だって嬉しすぎる。憧れの律くんの口から、僕がいたら楽しそうだと言ってくれたことが。
自分と同じように、思ってくれていることが、こんなに嬉しいなんて。
すると律くんは、僕の顔を覗き込んだ。急に縮まった距離に、ごくっと思わず喉を鳴らす。
「じゃあ分かった。時々こうして、陽翔が俺ん家に飯食いに来ればいいんじゃない?」

