「じゃあ俺と水野でアドベンチャーエリアの方に行ってくる」
と、灯夜に腕を引かれる。
光が笑って
「じゃあ俺らはファンタジーエリア見てくる」
と、ひらひらと手を振って、恭助と去っていった。
アドベンチャーエリアへ行くまでの道で
「お化け屋敷怖かった?」
と、優しさと揶揄いの混ざった声で聞かれる。わざとらしく頬を膨らませて不貞腐れながら
「もうやだ。夜寝れなくなりそう」
と最大限の憤りをアピールする。
急に立ち止まった灯夜に、長くて綺麗な指で頬を突かれながら
「…めっちゃ名前呼ばれた。普段藤井なのに」
なんて言われて頭が真っ白になって、何故だろう…素直になってしまった。
「心からの叫びだったからね、心の声が漏れた」
口にした後、まずい!気持ち悪いと思われたかもと青ざめる。
「心では名前呼んでくれてたの?」
「うん。………あ、違う!そんな事ない」
と、青ざめた顔が、多分今度は真っ赤になってる。
灯夜の前に出て両腕を掴みながら頭をふるふる振って全力で否定してみる。
大きな手で俺の頭を掴んで頭の動きを止めるから、思わず目を合わせてしまった。
「違う……」
「何それ、反則。かわいすぎるんだけど。普段も…灯夜って呼べばいいのに」
読んでみたいと思っていた。このチャンスを逃したら言えなくなるかも。
柔らかく微笑む灯夜は、目を合わせながら俺が覚悟を決めるのを待っていてくれているように見える。
声を出したら心臓が一緒に飛び出るかもしれない。こくりと、唾を飲んで
「とーや」
たったそれだけなのに、やっぱり心臓は口から飛び出すどころか…全身が心臓になったみたいになっている。
「うん」
と、返事をする灯夜は
「ごめん、見ないで」
と呟いてニヤニヤしながら両手で顔面を押さえてる。
2人で向き合いながら照れている光景は、ちょっと面白すぎるかもしれない、なんて考えたら吹き出してしまった。
「なんだよ」
と小突いてくる灯夜から笑いながら逃げるように歩き出す。
立ち止まって
「俺も名前で呼ばれたい」
『たまに呼んでるじゃん』
「たまにじゃ嫌っ」
とふざけてプンとしてみたら、
「じゃあ、お願いしてみてよ」
なんて憎たらしい顔で言って来る。
「何それ」と笑いながら、可愛くお願いしたら俺にドキッとしてくれるのかな?なんて気持ちも湧いてきて頭から離れない。
「とーや。お願い、俺も名前で呼んでよ」
結局、可愛く出来ずいつものままだった気がして、逃げ出したくなる。
「やっぱり反則…。いと、反則すぎる」
「何が反則なんだよ」
「知らなくていい」
すたすた歩き出した灯夜の後ろを歩きながら
「とーやーー、とーやー、とーや!何が反則なのー」としつこく絡んでいたら
「ぜんぶ!!!」とやけくそみたいな言い方をするからまた面白なって笑ってしまう。
笑いながら到着したアドベンチャーエリアのレストランは2人席だけかろうじて空いていて、一先ずそこに座って恭助に電話を掛ける。
「2人席しか空いてない…え、そっちも?じゃあ食べ終わったらまた集まろ」
そう言って電話を切って、
「「久しぶりのふたりだ」」
なんて言葉でハモってまた笑い合う。
デザートばかりたくさん乗る灯夜のトレイを見ながら
「にーちゃんの彼氏がパティシエで、家でケーキ食べ放題してくれるって。一緒に行こうよ」
そう言った俺の顔を見て灯夜が固まった。フォークからはポロリとケーキのスポンジが落ちる。
「…あ、もしかしてそういうの嫌だった?男同士とか」
口にすると泣いてしまいそうな言葉をなるべくなんでもないような顔をして、尋ねる。
「それ違う!」
思いがけず大きな声の否定に、身体がビクッとする。俺の驚きと周りの目に気付いて「ごめん」と言いながら小声で言い直してくれた。
「それは絶対違う…。俺も…いや、俺の身近にも居るから…なんか安心した」
じゃあ何に放心していたの?と次の言葉を待つ。
「にーちゃんに会わせてくれるってこと?」
なんてよくわかるないことを言う。
「そーだけど、何かある?」
「緊張する。嫌われないといいな」なんでソワソワし出して面白い。
にーちゃんはきっと灯夜のことを気に入りそう。大好きなにーちゃんと、大好きな……ともだ……ううん。灯夜が一緒に笑っている所を想像してただけでワクワクする。
と、灯夜に腕を引かれる。
光が笑って
「じゃあ俺らはファンタジーエリア見てくる」
と、ひらひらと手を振って、恭助と去っていった。
アドベンチャーエリアへ行くまでの道で
「お化け屋敷怖かった?」
と、優しさと揶揄いの混ざった声で聞かれる。わざとらしく頬を膨らませて不貞腐れながら
「もうやだ。夜寝れなくなりそう」
と最大限の憤りをアピールする。
急に立ち止まった灯夜に、長くて綺麗な指で頬を突かれながら
「…めっちゃ名前呼ばれた。普段藤井なのに」
なんて言われて頭が真っ白になって、何故だろう…素直になってしまった。
「心からの叫びだったからね、心の声が漏れた」
口にした後、まずい!気持ち悪いと思われたかもと青ざめる。
「心では名前呼んでくれてたの?」
「うん。………あ、違う!そんな事ない」
と、青ざめた顔が、多分今度は真っ赤になってる。
灯夜の前に出て両腕を掴みながら頭をふるふる振って全力で否定してみる。
大きな手で俺の頭を掴んで頭の動きを止めるから、思わず目を合わせてしまった。
「違う……」
「何それ、反則。かわいすぎるんだけど。普段も…灯夜って呼べばいいのに」
読んでみたいと思っていた。このチャンスを逃したら言えなくなるかも。
柔らかく微笑む灯夜は、目を合わせながら俺が覚悟を決めるのを待っていてくれているように見える。
声を出したら心臓が一緒に飛び出るかもしれない。こくりと、唾を飲んで
「とーや」
たったそれだけなのに、やっぱり心臓は口から飛び出すどころか…全身が心臓になったみたいになっている。
「うん」
と、返事をする灯夜は
「ごめん、見ないで」
と呟いてニヤニヤしながら両手で顔面を押さえてる。
2人で向き合いながら照れている光景は、ちょっと面白すぎるかもしれない、なんて考えたら吹き出してしまった。
「なんだよ」
と小突いてくる灯夜から笑いながら逃げるように歩き出す。
立ち止まって
「俺も名前で呼ばれたい」
『たまに呼んでるじゃん』
「たまにじゃ嫌っ」
とふざけてプンとしてみたら、
「じゃあ、お願いしてみてよ」
なんて憎たらしい顔で言って来る。
「何それ」と笑いながら、可愛くお願いしたら俺にドキッとしてくれるのかな?なんて気持ちも湧いてきて頭から離れない。
「とーや。お願い、俺も名前で呼んでよ」
結局、可愛く出来ずいつものままだった気がして、逃げ出したくなる。
「やっぱり反則…。いと、反則すぎる」
「何が反則なんだよ」
「知らなくていい」
すたすた歩き出した灯夜の後ろを歩きながら
「とーやーー、とーやー、とーや!何が反則なのー」としつこく絡んでいたら
「ぜんぶ!!!」とやけくそみたいな言い方をするからまた面白なって笑ってしまう。
笑いながら到着したアドベンチャーエリアのレストランは2人席だけかろうじて空いていて、一先ずそこに座って恭助に電話を掛ける。
「2人席しか空いてない…え、そっちも?じゃあ食べ終わったらまた集まろ」
そう言って電話を切って、
「「久しぶりのふたりだ」」
なんて言葉でハモってまた笑い合う。
デザートばかりたくさん乗る灯夜のトレイを見ながら
「にーちゃんの彼氏がパティシエで、家でケーキ食べ放題してくれるって。一緒に行こうよ」
そう言った俺の顔を見て灯夜が固まった。フォークからはポロリとケーキのスポンジが落ちる。
「…あ、もしかしてそういうの嫌だった?男同士とか」
口にすると泣いてしまいそうな言葉をなるべくなんでもないような顔をして、尋ねる。
「それ違う!」
思いがけず大きな声の否定に、身体がビクッとする。俺の驚きと周りの目に気付いて「ごめん」と言いながら小声で言い直してくれた。
「それは絶対違う…。俺も…いや、俺の身近にも居るから…なんか安心した」
じゃあ何に放心していたの?と次の言葉を待つ。
「にーちゃんに会わせてくれるってこと?」
なんてよくわかるないことを言う。
「そーだけど、何かある?」
「緊張する。嫌われないといいな」なんでソワソワし出して面白い。
にーちゃんはきっと灯夜のことを気に入りそう。大好きなにーちゃんと、大好きな……ともだ……ううん。灯夜が一緒に笑っている所を想像してただけでワクワクする。
