僕の声に恋した君に─ can you hear me?─

「みなさんこんばんは。yarnです。
友だちと喧嘩したことありますか?仲直りって、どうしたらいいんだろ。」

夜のラジオがあってよかった。

静かな空間に言葉が落ちていく感覚が好き。

「お悩み相談はナナシノさんにしようかな。大切な人に酷いこと言っちゃったの?…そっか。じゃあ僕とどっちが先に仲直り出来るか競争しよ?…あ!そうそう。ナナシノさんが教えてくれたピアノの曲、とってもよかったよ!いつもありがとう」


「寝れない夜は寝ないでラジオ。またね!」

録音を切って、スマホのメッセージ画面と睨めっこ。
触れていないと無慈悲に暗くなる画面を指先で触れながら、藤井との何でもないやりとりを眺める。



声、聞きたくないならメッセージの方が…

画面が歪んだ気がして指が止まる。
真っ暗になった画面に映る、自分の顔を見たくなくてスマホを投げて、枕に埋まった。