僕の声に恋した君に─ can you hear me?─

【質問コーナーです。yarn(ヤーン)君こんばんは。はい、こんばんは。質問があります。ありがとうございます。

なぜyarn君は、おやすみって言わずにラジオを終わらせるのですか?なんだかそれが心地よくて聞いてしまいます】

「気付いてくれてめっちゃ嬉しい。
おやすみなさい、が苦手でさ。なんか、突然シャッター閉じられるような気がして」

一拍置いて、息を吸う。

「……おはようを待つ覚悟がある時しか、言いたくないかなー。なんて!かっこつけておきます」

誰にも内緒でやっている深夜のラジオ配信。
リスナーからの質問に、少しだけ本音を混ぜた。

絶望しかない深夜の布団の中、ラジオから流れる人の声に孤独を紛らわせた。その声は、今でも頭の奥に残っている。
……だからなのか、俺は誰かの夜を途中で閉じたくなかった。

「寝れない夜は、寝ないでラジオ。今日はこの辺で」

録音を終えて、伸びをする。
変なこと言ってないか確認して、アップロード。

こんなひっそりした俺の声でも、名前も知らないどこかの誰かの夜に寄り添えているなら、少しだけ意味を持てるのかな?
アップロード済みの文字を確認して、部屋の電気を消した。



あいつが聞いていたのは───
きっと、この日のラジオだろうな。