カイエ2:名もなき村人の手記

冥暦8307年 9月33日

俺は疲れている。心身ともに疲れている。俺はただのモブのはずだが、作者が世界観をいじったのか最近おかしなことばっかり起こる。明日は村長が郡長に面会する。なぜか村長の護衛任務をすることになった。こういうのは一般的に腕利きの冒険者なり通りすがりの勇者が都合よくやってくれるもんじゃないのか。なんで俺なんだよ。俺は本当ならゴブリンに尻を噛まれて死んでるんだよ。そう、俺は何度も尻を噛まれて死んでる。この世界が偽りだってことはこちとらわかってんだよ! マジで疲れた。つっても、今日いろいろあっただけだけどな。最近ではない。

とか言ってる間にさっきエルフの兄さんか姉さんかわからないが俺を訪ねてきた。何の用だよ! だいたいこの世界にエルフいなかっただろ。作者テキトーすぎるわ。まあ、道を訊かれただけだからいいけど。うん、他にもツッコミどころ満載のエルフだったが俺は疲れてるからもういい。これから狂ったことがどんどん起こってくるんだろうな。たぶん俺は明日死ぬ。疲れた。

冥暦8307年 9月34日

なんで村長死んで俺は生き残ってんの? つーか、なんで護衛が俺だけなんだよ! 昨日のエルフが村人に説明してくれて俺は生き永らえた。つーか、襲撃してきたのはエルフなんだけどな。このイベント、物語の本線に何の役に立つんだよ! ふざけんな!
ちな、新村長はエルフさんでーす。マジでなんでだよ。
ついでに親父から電話があった。

『おまえ、税務署から通知きてるぞ』

いきなりスマホ登場。親父からの電話。税務署! そんな施設ねえんだよ。作者どうかしてるぜ。
マジで疲れたわ。俺が主人公説はありえない。俺に名前ないから。主人公は俺が予想するに半年前から何もせずに宿屋に入り浸ってるケンサクかもしれねえ。
いちいち説明すんのがめんどくせえ。日本人だろ、たぶん。でもここには酒場もなければ冒険者ギルドもないからな。ケンサクが主人公だとしたら立ち寄る意味のない村なんだよな。
そう、この村に名はない。マジ疲れた。