あの日から数日。
また、俺は同じことを繰り返していた。
朝早くに学校に行き、星奈を探しては授業で居眠り三昧。
「おい、羽流!流石にやばいって‥!」
「ううん、うるひゃい‥」
「ほう、私の授業がそんなに暇だと」
前の席に座るクラスメイトの声が聞こえて、反抗するも変わらず体を揺さぶられ、仕舞いには教師の声も聞こえてきた。
幻聴か。いや、幻聴じゃないとまずい。
ゆっくりと顔を上げてボヤける目でその顔を見れば、そこには嫌な予感が的中した。
「あ、え、えっと‥あはは」
「下川。放課後、生活指導室に来なさい」
笑みで誤魔化そうとしたが、それは叶わず教師は無情に放課後の予定を抑えられてしまった。
「‥はい」
そして、俺はそれに逆らうまでの不良にはなりきれずただただ、頷くしかなかった。
そして、放課後。
誰もいない教室で、再び真っ白な紙と向き合っていた。
「しかも、倍の量とか‥鬼畜か‥?」
前回は、一枚の紙に収まればよかった反省文だったわけだが、今回は二枚。
前回ですら、短文すぎるなど余計な文が多すぎるなど散々な言われようだったのに、今度は二枚になった。
次居眠りしたら、三枚、四枚と増えるのだろうか。
「勘弁してくれ‥」
とりあえず、ペンを持つ手を動かそうととりあえずありきたりな文から書き始める。
反省文を書きながら、数日前の星奈とのことを思い出す。
多分、いや絶対手紙の主は星奈で間違いないのだろう。
本人もそれらしき昔語をしていたし、それに何よりあの言葉だ。
『まだ、それは教えてあげない。まだ、全部思い出してくれないからね』
全部思い出していない。
その言葉が引っかかった。
やはり、俺はまだ何か思い出せていない。
それも、かなり重要なこと。
あの日の最後の星奈の顔は、悲しみに歪んでいた。
「やっぱ、何か約束をした気がするんだけど‥」
やはり、そこだろうか。
約束の内容。大泣きしたあの日にした約束。
多分次、また会えた時への何かの約束。
「告白‥が、約束なわけないよな‥」
文化祭のあの舞台での告白が、約束なわけがないと思う。
告白というのが、約束だとしたら別にあの時あの場所ではなくても良かった筈だ。
なら、あの舞台での告白じゃなくても良かった筈だ。なんなら、ありきたりの体育館裏でも、屋上でも何処でも良かった筈だ。
余分にもらった紙に、「告白」と書いてその上にばつ印を書く。
他には、お弁当とかいうわけ無いだろうし。
思いつくものを書いてはばつ印を書いて、ため息を吐く。
反省文はもちろん、約束の内容を思い出すのすら進まない。
「なんの、約束したんだよ‥」
思い出さないといけないのはわかるのだが、それにしては意地悪すぎやしないか。
前に話した時、ほぼネタバラシみたいな空気になっていたのに、最後の答えは教えてくれず、また姿を消してしまった。
学校にいる筈なのに、学校で姿を見かけない。
なんなら、前まで窓から姿を見かけてたのに、それすらも見かけなくなった。
(だめだ、八方塞がりすぎる‥)
机の上に伏していると、教師が見回りに来て、全く書かれていない反省文の用紙を見て、こっ酷く叱られ、追加で真っ白い紙を一枚置いていった。
「‥鬼だ‥」
その後、必死に三枚の用紙に必死の反省文を書いては、指摘され、必死に書いて、指摘されを繰り返して前回より遅くの時間に解放された。
案の定外は真っ暗で、また退勤ラッシュの電車で人酔いして、ベンチで休む羽目になった。
家に着く頃には、足元も覚束なかった。
そして、玄関に入れば翼が仁王立ちで待ち構えていた。
あ、これは怒ってる時の翼だとすぐにわかった。
「た、ただいま‥」
「お兄ちゃん、学校から連絡あって最近居眠りが多いって?まさか、ゲームやりすぎとかじゃないよね?」
「‥えっと、違います‥はい」
何故か玄関で正座させられ、家に帰ってきてまで翼にお説教され、夕飯にありつけたのは夜遅くになったのだった。
散々な目にあった翌日でも、朝早く学校に行くのはやめなかった。
学校に行って、星奈を探して、でも見つからずに教室に戻る。
「羽流くん」
教室に戻って、未だに誰も登校してきてない教室に居たのは、探していた星奈だった。
星奈は、俺の席に座り頬杖をついて手を振っていた。
「え?なんで‥」
そうだ、なんでだ。散々探して居なかった星奈が、今日は俺の教室にいる。
すると、どこか優しい笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「聞いたよ、最近居眠りが多くて先生に目つけられてるって」
「いや、まぁそうだけど‥」
そう言うと、星奈が立ち上がり目の前まで来て、頭を撫でてくれる。
それが、少し胸の内がドキドキとして顔が熱くなる。
「いいよ、思い出さなくても」
その言葉を星奈は唐突に、綺麗な王子スマイルで言い放った。
また、俺は同じことを繰り返していた。
朝早くに学校に行き、星奈を探しては授業で居眠り三昧。
「おい、羽流!流石にやばいって‥!」
「ううん、うるひゃい‥」
「ほう、私の授業がそんなに暇だと」
前の席に座るクラスメイトの声が聞こえて、反抗するも変わらず体を揺さぶられ、仕舞いには教師の声も聞こえてきた。
幻聴か。いや、幻聴じゃないとまずい。
ゆっくりと顔を上げてボヤける目でその顔を見れば、そこには嫌な予感が的中した。
「あ、え、えっと‥あはは」
「下川。放課後、生活指導室に来なさい」
笑みで誤魔化そうとしたが、それは叶わず教師は無情に放課後の予定を抑えられてしまった。
「‥はい」
そして、俺はそれに逆らうまでの不良にはなりきれずただただ、頷くしかなかった。
そして、放課後。
誰もいない教室で、再び真っ白な紙と向き合っていた。
「しかも、倍の量とか‥鬼畜か‥?」
前回は、一枚の紙に収まればよかった反省文だったわけだが、今回は二枚。
前回ですら、短文すぎるなど余計な文が多すぎるなど散々な言われようだったのに、今度は二枚になった。
次居眠りしたら、三枚、四枚と増えるのだろうか。
「勘弁してくれ‥」
とりあえず、ペンを持つ手を動かそうととりあえずありきたりな文から書き始める。
反省文を書きながら、数日前の星奈とのことを思い出す。
多分、いや絶対手紙の主は星奈で間違いないのだろう。
本人もそれらしき昔語をしていたし、それに何よりあの言葉だ。
『まだ、それは教えてあげない。まだ、全部思い出してくれないからね』
全部思い出していない。
その言葉が引っかかった。
やはり、俺はまだ何か思い出せていない。
それも、かなり重要なこと。
あの日の最後の星奈の顔は、悲しみに歪んでいた。
「やっぱ、何か約束をした気がするんだけど‥」
やはり、そこだろうか。
約束の内容。大泣きしたあの日にした約束。
多分次、また会えた時への何かの約束。
「告白‥が、約束なわけないよな‥」
文化祭のあの舞台での告白が、約束なわけがないと思う。
告白というのが、約束だとしたら別にあの時あの場所ではなくても良かった筈だ。
なら、あの舞台での告白じゃなくても良かった筈だ。なんなら、ありきたりの体育館裏でも、屋上でも何処でも良かった筈だ。
余分にもらった紙に、「告白」と書いてその上にばつ印を書く。
他には、お弁当とかいうわけ無いだろうし。
思いつくものを書いてはばつ印を書いて、ため息を吐く。
反省文はもちろん、約束の内容を思い出すのすら進まない。
「なんの、約束したんだよ‥」
思い出さないといけないのはわかるのだが、それにしては意地悪すぎやしないか。
前に話した時、ほぼネタバラシみたいな空気になっていたのに、最後の答えは教えてくれず、また姿を消してしまった。
学校にいる筈なのに、学校で姿を見かけない。
なんなら、前まで窓から姿を見かけてたのに、それすらも見かけなくなった。
(だめだ、八方塞がりすぎる‥)
机の上に伏していると、教師が見回りに来て、全く書かれていない反省文の用紙を見て、こっ酷く叱られ、追加で真っ白い紙を一枚置いていった。
「‥鬼だ‥」
その後、必死に三枚の用紙に必死の反省文を書いては、指摘され、必死に書いて、指摘されを繰り返して前回より遅くの時間に解放された。
案の定外は真っ暗で、また退勤ラッシュの電車で人酔いして、ベンチで休む羽目になった。
家に着く頃には、足元も覚束なかった。
そして、玄関に入れば翼が仁王立ちで待ち構えていた。
あ、これは怒ってる時の翼だとすぐにわかった。
「た、ただいま‥」
「お兄ちゃん、学校から連絡あって最近居眠りが多いって?まさか、ゲームやりすぎとかじゃないよね?」
「‥えっと、違います‥はい」
何故か玄関で正座させられ、家に帰ってきてまで翼にお説教され、夕飯にありつけたのは夜遅くになったのだった。
散々な目にあった翌日でも、朝早く学校に行くのはやめなかった。
学校に行って、星奈を探して、でも見つからずに教室に戻る。
「羽流くん」
教室に戻って、未だに誰も登校してきてない教室に居たのは、探していた星奈だった。
星奈は、俺の席に座り頬杖をついて手を振っていた。
「え?なんで‥」
そうだ、なんでだ。散々探して居なかった星奈が、今日は俺の教室にいる。
すると、どこか優しい笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「聞いたよ、最近居眠りが多くて先生に目つけられてるって」
「いや、まぁそうだけど‥」
そう言うと、星奈が立ち上がり目の前まで来て、頭を撫でてくれる。
それが、少し胸の内がドキドキとして顔が熱くなる。
「いいよ、思い出さなくても」
その言葉を星奈は唐突に、綺麗な王子スマイルで言い放った。
