結局あの後、ゲームが捗り気づけば警備員さんに下校の注意をされるまで、ゲームに夢中になっていた。
だから、忘れていた。
翌日学校に登校すれば、普段なら感じない視線の圧を所々から感じる。
特に女子から。
「あれが、王子から告白されたやつ?」
「え?‥まじ?なんか、ダサくない?」
事実を言われているだけなのに、心にグサグサと刺さっていく言葉の数々。
今日の今日まで、忘れていた俺も俺だけど。
(ドッキリ‥じゃない‥??)
「いや、そんなまさか‥」
と席に座り、顔を上げて前に目線を上げると普段見慣れない煌めきを放つ笑みを浮かべた王子がいた。
マッシュの艶のある黒髪に、おっとりとした瞳整った顔立ちに、一瞬思考が停止する。
(‥うわ、イケメン眩しっ‥)
「おはよう」
「おはよ‥」
果たしてこの「おはよう」に何の意味が込められているのかと、俺は回らない思考で考える。
側から見れば、王子スマイルに朝の挨拶なんて他の生徒からしたら贅沢の極みだろ。
俺からしたら何かの宣告かと疑いを持つわけだが。
特段することもなく、ただ向き合うだけになってしまっているこの現状に、脳内は混乱する。
(いや!いつまで居るんだよ?!俺の朝のルーティンを!!)
朝のルーティンと言ってもいつも通りのゲームを開いてただただ、没頭するだけのルーティン。
だが、そのルーティンでさえも今ではかけがえのないものだと気づいた。
前からも、後ろからも、左右からもどこからかしこからも圧の視線を感じる。長い前髪で視界を塞いでいても感じるこの視線の圧に耐えるのが辛い。特に女子からは、視線とともに何やら陰口まで聞こえる。
(あぁ、目を瞑って耳を塞げば俺はこの状況から報われるのか?!否!)
椅子を倒す勢いで立ち上がり、その場は静寂に包まれる。
一つ一つの動作に周りの目が光ってるのがわかり、携帯をポケットに入れて、教室を後にしようとすると、追いかけてきた王子に手を掴まれる。
「どこに行くの?」
「別に‥放っておいてくんない?」
少し乱暴に手を振り払い駆け足で教室を出た。
万が一にも追いつかれないように人気の無い、トイレの個室に入り、深呼吸をするとようやく強張っていた体から力が抜ける。
「まじ、なんなの‥」
隅っこ人生よろしく過ごしてたはずなのに。
波風立たず過ごしてきたはずなのに。
頭を抱えて考えるも、ここまで手の込んだドッキリ普通やるのか。
いや、やるのか。
王子を含めたメンバーの時点で、このドッキリは手は込んでいて、当分は終わらないと、考えて良いのか。
「‥まじかー、詰んだ‥。」
その時に、「ピロン」と携帯から何やらメッセージが入る。
そこには、いつもやってるゲームのイベントの告知だった。
(今回は推しキャラもいない‥)
「え?!ま、待って!居るじゃん!?」
決して大声を出さず、小声で興奮を抑えてイベント詳細を見て、今月の残高を確認して、天を仰ぐ。
(バイトか〜‥詰んでる)
バイトは知り合いのこじんまりとした隠れ家カフェを手伝っていて、そこからバイト代が発生する。
(最近は週一だったけど、増やすか〜)
さっそく店長にシフトの数を増やしてもらえないかというメッセージを打ち込み送信する。
別に、テスト期間が近いわけでもないしなんら問題ないだろう。
そろそろ出ようと個室から出て、一応手を洗う。
「はい、どうぞ」
「あ、どうも」
ハンカチで手を拭いて出ようとする。
待て。ハンカチ何処から出てきた。
自然乾燥よろしくの俺がハンカチなんて洒落た物持ち歩くはずがない。
それに、今隣で声がしたような。
ゆっくり、そちらを見れば王子が王子スマイルでそこにいた。
「は‥?え、なんで?」
俺の携帯の時計が間違っていなければ、もう既に授業は始まっている。
始まった上で、戻ろうとしたわけなのだが。
なんせ、王子とは別クラスだし。
すると、王子は一歩また一歩と俺に近づいてきて仕舞いには壁に追い込まれた俺は、逃げ道を探すのに必死になっていた。
対して、王子は俺の手を取りハンカチで手を拭いてくれていた。
「ちゃんと、拭かなきゃ‥はい!できた!」
「え、あ、ありがとう‥?」
いや、眩しすぎるだろ。
心なしか周りに花まで見える幻覚症状が出てきた。
いや、花ってなんだよ。
とにもかくにも、早くこの王子からは離れなければ。
ハンカチを四つ折りに畳んで、押しつけて駆け足でトイレを後にした。
とりあえず、そっと教室の後ろのドアを開ければ何やらクラスメイトたちは緩やかな感じで話している様子だった。
まだ、授業が始まってないのかと黒板を見ると。
『自習』
と、書かれていて、安心して教室のドアを開けると全員の目線がこちらを向いた。
目線の圧に耐えながらも、一番後ろの窓側席にそっと座れば、音もなく一瞬で女子に囲まれた。
「‥終わった‥」
だから、忘れていた。
翌日学校に登校すれば、普段なら感じない視線の圧を所々から感じる。
特に女子から。
「あれが、王子から告白されたやつ?」
「え?‥まじ?なんか、ダサくない?」
事実を言われているだけなのに、心にグサグサと刺さっていく言葉の数々。
今日の今日まで、忘れていた俺も俺だけど。
(ドッキリ‥じゃない‥??)
「いや、そんなまさか‥」
と席に座り、顔を上げて前に目線を上げると普段見慣れない煌めきを放つ笑みを浮かべた王子がいた。
マッシュの艶のある黒髪に、おっとりとした瞳整った顔立ちに、一瞬思考が停止する。
(‥うわ、イケメン眩しっ‥)
「おはよう」
「おはよ‥」
果たしてこの「おはよう」に何の意味が込められているのかと、俺は回らない思考で考える。
側から見れば、王子スマイルに朝の挨拶なんて他の生徒からしたら贅沢の極みだろ。
俺からしたら何かの宣告かと疑いを持つわけだが。
特段することもなく、ただ向き合うだけになってしまっているこの現状に、脳内は混乱する。
(いや!いつまで居るんだよ?!俺の朝のルーティンを!!)
朝のルーティンと言ってもいつも通りのゲームを開いてただただ、没頭するだけのルーティン。
だが、そのルーティンでさえも今ではかけがえのないものだと気づいた。
前からも、後ろからも、左右からもどこからかしこからも圧の視線を感じる。長い前髪で視界を塞いでいても感じるこの視線の圧に耐えるのが辛い。特に女子からは、視線とともに何やら陰口まで聞こえる。
(あぁ、目を瞑って耳を塞げば俺はこの状況から報われるのか?!否!)
椅子を倒す勢いで立ち上がり、その場は静寂に包まれる。
一つ一つの動作に周りの目が光ってるのがわかり、携帯をポケットに入れて、教室を後にしようとすると、追いかけてきた王子に手を掴まれる。
「どこに行くの?」
「別に‥放っておいてくんない?」
少し乱暴に手を振り払い駆け足で教室を出た。
万が一にも追いつかれないように人気の無い、トイレの個室に入り、深呼吸をするとようやく強張っていた体から力が抜ける。
「まじ、なんなの‥」
隅っこ人生よろしく過ごしてたはずなのに。
波風立たず過ごしてきたはずなのに。
頭を抱えて考えるも、ここまで手の込んだドッキリ普通やるのか。
いや、やるのか。
王子を含めたメンバーの時点で、このドッキリは手は込んでいて、当分は終わらないと、考えて良いのか。
「‥まじかー、詰んだ‥。」
その時に、「ピロン」と携帯から何やらメッセージが入る。
そこには、いつもやってるゲームのイベントの告知だった。
(今回は推しキャラもいない‥)
「え?!ま、待って!居るじゃん!?」
決して大声を出さず、小声で興奮を抑えてイベント詳細を見て、今月の残高を確認して、天を仰ぐ。
(バイトか〜‥詰んでる)
バイトは知り合いのこじんまりとした隠れ家カフェを手伝っていて、そこからバイト代が発生する。
(最近は週一だったけど、増やすか〜)
さっそく店長にシフトの数を増やしてもらえないかというメッセージを打ち込み送信する。
別に、テスト期間が近いわけでもないしなんら問題ないだろう。
そろそろ出ようと個室から出て、一応手を洗う。
「はい、どうぞ」
「あ、どうも」
ハンカチで手を拭いて出ようとする。
待て。ハンカチ何処から出てきた。
自然乾燥よろしくの俺がハンカチなんて洒落た物持ち歩くはずがない。
それに、今隣で声がしたような。
ゆっくり、そちらを見れば王子が王子スマイルでそこにいた。
「は‥?え、なんで?」
俺の携帯の時計が間違っていなければ、もう既に授業は始まっている。
始まった上で、戻ろうとしたわけなのだが。
なんせ、王子とは別クラスだし。
すると、王子は一歩また一歩と俺に近づいてきて仕舞いには壁に追い込まれた俺は、逃げ道を探すのに必死になっていた。
対して、王子は俺の手を取りハンカチで手を拭いてくれていた。
「ちゃんと、拭かなきゃ‥はい!できた!」
「え、あ、ありがとう‥?」
いや、眩しすぎるだろ。
心なしか周りに花まで見える幻覚症状が出てきた。
いや、花ってなんだよ。
とにもかくにも、早くこの王子からは離れなければ。
ハンカチを四つ折りに畳んで、押しつけて駆け足でトイレを後にした。
とりあえず、そっと教室の後ろのドアを開ければ何やらクラスメイトたちは緩やかな感じで話している様子だった。
まだ、授業が始まってないのかと黒板を見ると。
『自習』
と、書かれていて、安心して教室のドアを開けると全員の目線がこちらを向いた。
目線の圧に耐えながらも、一番後ろの窓側席にそっと座れば、音もなく一瞬で女子に囲まれた。
「‥終わった‥」
