『久しぶりだね、僕のことを覚えてくれたら嬉しいんだけど
ハネくんは、元気にしてるかな?』
書かれていたのは、このたったの数行だけだった。
何も知らずに見たらストーカーの類と疑いそうになるが、確かに『ホッシー』と呼んでいた友達は昔にいた。小さい頃、そいつは公園のベンチに座っていた。
友達と一緒に来た様子もなく、かと言って誰かと一緒に遊ぶという素振りもない、そいつが小さな頃の俺は気になっていた。
公園に行けば必ずいるそいつのことを俺は一時期、幽霊か何かじゃないかと子供ながらの考えが飛躍して、関わるのはやめておこうと、他の友達と気にせず遊んでいた。
そして、ある日そいつは同い年くらいの子供に囲まれて、何やら揉めているのを目にした。
『お前気持ち悪いんだよ!』
『そうだそうだ!』
『ここから、出てけよ!』
そこから、一人の子供が髪を引っ張りそいつは、転んで静かに泣いていた。
それでも他の子供達は容赦なくそいつに「出ていけ」と何度も声を合わせて言葉にしていた。
その時、不思議と俺の足は動いて気づいたらそいつを庇っていた。
『おい、やめろよ。いじめんのは違うだろ』
『は?羽流、お前今度から遊んでやねぇぞ』
俺が仲介に入ったのが気に食わなかったのか、一人のリーダー的な子は偉そうな口でそう言った。
『いいよ、別に。いじめるやつらと遊びたくねぇし』
睨みつけてそう言ってやると、いじめっ子たちは怯み泣きながら去って行った。
後ろを振り返ると未だに涙を流しながら泣いていた。
『もう、泣くなよ。男だろ?』
『うん‥ごめん‥君の友達がいなくなっちゃった‥』
そいつは、自分のことよりも俺の友達がいなくなったことに対して泣いているらしく、可笑しくて笑った。
すると、そいつの涙も引っ込み一緒に笑い合った。
というのが、この『ホッシー』との出会いだった。
それから、公園で必ず会い。一緒に遊び、時には家に呼んで、ゲームました記憶が懐かしい。
そして、お互いに特別な友達ということで、あだ名をつけあうことにして、俺が『ハネくん』。
あいつが、『ホッシー』というあだ名になった。
(楽しかったよな、あの時期は‥)
だが、しかし『ホッシー』については謎が多かった。
昔から名前を覚えるのが苦手だった俺は、ホッシーから本名も聞いておらず知らず、『お前』とか結構適当に呼んでいた記憶がある。
そして、ホッシーの家が公園よりも遠くの場所にあったという事実だ。
一度も家には行ったこともなければ、家まで送ろうとしたら『遠くだから』と何度も断られた記憶もある。
手紙の差し出し欄に、住所も無く、切っても貼ってない。
つまり、ホッシーがわざわざ俺の家まで来てポストに投函しているということがわかる。
でも、一体いつ、投函したのだろうか。
今日は、早く帰ってきた方であるしその前には、翼が帰ってきていた。
同い年であるなら、ホッシーだって学校や何かあるはずなわけで。
「わかんねぇ‥」
ただ、住所も家の場所もわからないのなら返事を書いたところで手紙を出すこともできなければ、会いに行くことすらできないわけだ。
せっかく、昔からの友人の謎の手紙に首を傾げる他なかった。
それから、数日、手紙は、ほぼ毎日のようにポストに投函されていた。
書かれていることは些細な思い出話や、最近会ったこと。それをただ、一方的に送られてきていた。
最初の手紙が届いてから、ストーカーの可能性も疑ったが特に隠し撮りや危ないものが入っているわけでは無く、簡素な手紙が入っているだけで実害はなかった。
そして、学校では王子。星奈が再び登校し始めて、女子は歓喜していた。
相変わらずの人気ぶりに、噂では俺との接点が無くなった星奈をここぞとばかり女子は狙い、告白しては振られての話が持ちきりだった。
「おい、聞いたか?次は、学校1の美女が告白したらしい!」
突然、肩を叩かれて言われた噂の内容に心臓が嫌な音を立てる。
「それで、どうなったんだ?」
「いや〜それがさ、振られたらしいぜ!美女からの告白も断るとか流石王子!」
恐る恐る聞いてみるも、いつもと同じ結果に内心ホッとする。
今や接点がない俺が、星奈のことをとやかく言う権利は無いわけだが、何故かこの手の話題や噂を聞くと、どうも心が落ち着かなくなる。
そして、俺の方も俺の方で何故か女子から呼び出されることが多くなった。
「下川くん、好きです!」
頻度は多く無いものの、呼び出される回数は増えて行っている一方で、断るのも心が痛かった。
周りからは試しに付き合ってみるのもありじゃないかと、言われたが、好きになれない以上そんな言葉できるはずもない。
「ごめん」
その言葉を吐く事すら胸が痛み、その後の女子の反応が特に胸が痛む。
泣く子もいれば、泣きそうになりながらも笑顔でいてくれる子。
想いを伝えるのは簡単な事じゃ無い。
現に、今の俺ができていない事だから。星奈への気持ちへの答えと、その想いを伝える事。
そして、想いを伝えた上でどんな結末が待っているのか怖くて怖くて仕方がない。
(そんなことを、女子全員覚悟決めて伝えてくるんだもんな‥)
その、覚悟に尊敬を抱き俺は未だに俺の心の答えを探し続けていた。
ハネくんは、元気にしてるかな?』
書かれていたのは、このたったの数行だけだった。
何も知らずに見たらストーカーの類と疑いそうになるが、確かに『ホッシー』と呼んでいた友達は昔にいた。小さい頃、そいつは公園のベンチに座っていた。
友達と一緒に来た様子もなく、かと言って誰かと一緒に遊ぶという素振りもない、そいつが小さな頃の俺は気になっていた。
公園に行けば必ずいるそいつのことを俺は一時期、幽霊か何かじゃないかと子供ながらの考えが飛躍して、関わるのはやめておこうと、他の友達と気にせず遊んでいた。
そして、ある日そいつは同い年くらいの子供に囲まれて、何やら揉めているのを目にした。
『お前気持ち悪いんだよ!』
『そうだそうだ!』
『ここから、出てけよ!』
そこから、一人の子供が髪を引っ張りそいつは、転んで静かに泣いていた。
それでも他の子供達は容赦なくそいつに「出ていけ」と何度も声を合わせて言葉にしていた。
その時、不思議と俺の足は動いて気づいたらそいつを庇っていた。
『おい、やめろよ。いじめんのは違うだろ』
『は?羽流、お前今度から遊んでやねぇぞ』
俺が仲介に入ったのが気に食わなかったのか、一人のリーダー的な子は偉そうな口でそう言った。
『いいよ、別に。いじめるやつらと遊びたくねぇし』
睨みつけてそう言ってやると、いじめっ子たちは怯み泣きながら去って行った。
後ろを振り返ると未だに涙を流しながら泣いていた。
『もう、泣くなよ。男だろ?』
『うん‥ごめん‥君の友達がいなくなっちゃった‥』
そいつは、自分のことよりも俺の友達がいなくなったことに対して泣いているらしく、可笑しくて笑った。
すると、そいつの涙も引っ込み一緒に笑い合った。
というのが、この『ホッシー』との出会いだった。
それから、公園で必ず会い。一緒に遊び、時には家に呼んで、ゲームました記憶が懐かしい。
そして、お互いに特別な友達ということで、あだ名をつけあうことにして、俺が『ハネくん』。
あいつが、『ホッシー』というあだ名になった。
(楽しかったよな、あの時期は‥)
だが、しかし『ホッシー』については謎が多かった。
昔から名前を覚えるのが苦手だった俺は、ホッシーから本名も聞いておらず知らず、『お前』とか結構適当に呼んでいた記憶がある。
そして、ホッシーの家が公園よりも遠くの場所にあったという事実だ。
一度も家には行ったこともなければ、家まで送ろうとしたら『遠くだから』と何度も断られた記憶もある。
手紙の差し出し欄に、住所も無く、切っても貼ってない。
つまり、ホッシーがわざわざ俺の家まで来てポストに投函しているということがわかる。
でも、一体いつ、投函したのだろうか。
今日は、早く帰ってきた方であるしその前には、翼が帰ってきていた。
同い年であるなら、ホッシーだって学校や何かあるはずなわけで。
「わかんねぇ‥」
ただ、住所も家の場所もわからないのなら返事を書いたところで手紙を出すこともできなければ、会いに行くことすらできないわけだ。
せっかく、昔からの友人の謎の手紙に首を傾げる他なかった。
それから、数日、手紙は、ほぼ毎日のようにポストに投函されていた。
書かれていることは些細な思い出話や、最近会ったこと。それをただ、一方的に送られてきていた。
最初の手紙が届いてから、ストーカーの可能性も疑ったが特に隠し撮りや危ないものが入っているわけでは無く、簡素な手紙が入っているだけで実害はなかった。
そして、学校では王子。星奈が再び登校し始めて、女子は歓喜していた。
相変わらずの人気ぶりに、噂では俺との接点が無くなった星奈をここぞとばかり女子は狙い、告白しては振られての話が持ちきりだった。
「おい、聞いたか?次は、学校1の美女が告白したらしい!」
突然、肩を叩かれて言われた噂の内容に心臓が嫌な音を立てる。
「それで、どうなったんだ?」
「いや〜それがさ、振られたらしいぜ!美女からの告白も断るとか流石王子!」
恐る恐る聞いてみるも、いつもと同じ結果に内心ホッとする。
今や接点がない俺が、星奈のことをとやかく言う権利は無いわけだが、何故かこの手の話題や噂を聞くと、どうも心が落ち着かなくなる。
そして、俺の方も俺の方で何故か女子から呼び出されることが多くなった。
「下川くん、好きです!」
頻度は多く無いものの、呼び出される回数は増えて行っている一方で、断るのも心が痛かった。
周りからは試しに付き合ってみるのもありじゃないかと、言われたが、好きになれない以上そんな言葉できるはずもない。
「ごめん」
その言葉を吐く事すら胸が痛み、その後の女子の反応が特に胸が痛む。
泣く子もいれば、泣きそうになりながらも笑顔でいてくれる子。
想いを伝えるのは簡単な事じゃ無い。
現に、今の俺ができていない事だから。星奈への気持ちへの答えと、その想いを伝える事。
そして、想いを伝えた上でどんな結末が待っているのか怖くて怖くて仕方がない。
(そんなことを、女子全員覚悟決めて伝えてくるんだもんな‥)
その、覚悟に尊敬を抱き俺は未だに俺の心の答えを探し続けていた。
