「君のことが、好きです」
目の前にはきらめく学校の王子様が、笑みを浮かべている。
(待てよ、何が起こってる‥?)
思考が追いつかない中、周りからは「キャー!!」という歓声なのか悲鳴なのか聞こえてくる。
俺はと言えば、予想外のことすぎるこの状況に追いつけなくて、思考が回らない。
俺、下川 羽流(しもかわ うる)。
人生隅っこで、一人きりゲームに没頭する所謂ゲーム廃人まっしぐらの人生を歩んでいる。
小さい頃には、友達という友達は居た。
だが、どんな挫折だったか忘れたが高校生になる頃にはぼっち真っしぐらの人生。
強いていうならゲームが友達とも言える痛いやつ(自分感想)。
友達もいなければ、恋愛経験なんてゼロの俺の初の告白相手が男、しかも学校の王子様なんてなんという悪夢か。
と、自己紹介まがいはここまでで良いだろう。
このふざけた状況を整理することにしよう。
今日は、高校の文化祭最終日。
俺はと言えば、クラスの手伝いも終わり後は文化祭が終わるまで、ぼっちトイレでゲームでもしてようとした先の事だった。
『下川くん!下川 羽流くん、至急体育館ステージまで来てください』
と、何やら切羽詰まった放送が入り、何かやらかしたかと体育館までやってくると、役員に背中を押されステージに立たされた。
それを踏まえて、状況の整理だ。
まず、場所。
文化祭の体育館ステージ。
そして、誰。
きらめく学校の王子様。
何された。
告白をされた。
「‥え?‥いやいや、ドッキリ?‥ありえないでしょ‥」
思わず口に出た言葉は、何にも変わりない本心であり、後ろへと後ずさる。
長い前髪から僅かに覗き見れば、何も変わらず笑みを崩さない王子。
「えっと〜、さぁ!下川くん!返事は?!」
司会者に急かされて、いつの間にか返事をする空気になってしまった。
周りからも、圧を感じて長い前髪が久方ぶりにありがたいと思った。
なんせ、学校の王子の告白だ。しかも、告白相手は俺。正真正銘の男同士だ。
女子が王子を放っておくはずがない。
今の学校中の女子の顔なんて見たら、みっともなく腰を抜かしてその場から動けなくなるに決まってる。
足が震えるし、ステージのライトが熱いせいか、この状況のせいか、汗が止まらない。
なんなら、息もしづらくなってきた。
震える足が更に後ずさろうと動こうとすると、急に手を取られ体を抱き止められ、王子の顔が間近に迫っている。
(やばい‥やばい、やばい!!)
頭の中は、すでに混乱状態。
そんな中、耳元に息がかかる。
「僕を好きになって?」
その言葉を聞いた瞬間、思いっきり手に力を入れて体を突き飛ばす。
大きな音と会場のざわめきが聞こえたが、なりふり構わず、ステージから降りて人気の無い場所へと足を精一杯動かした。
息が切れても尚走り続けて、使われてない教室に潜り込み、扉の前にしゃがみ込む。
顔が熱くて、両手で顔を覆って息を整えるのを意識した。
『僕を好きになって』
不意にもその言葉が胸の奥の何かを、高鳴らせた。
男同士なのに。全然知らないのに。
そもそも、王子と話したのなんて初めてだ。多分。
「‥チョロすぎだろ‥俺!」
顔を覆っていた両手を頭にやり、元からくしゃくしゃの髪をかき乱す。
待て、落ち着け。落ち着くんだ俺。
人生隅っこの俺にこんなイベント発生するのか。
否、あり得ない。
つまりは、だ。
高校の文化祭、何かしろのドッキリに巻き込まれた。
それが、妥当だろう。
何より今日は最終日のあのステージ上の告白大会は、年度の目玉と言って良い。
何かのネタとして使われたんだ。
「そうだ‥そうに違いない‥!」
地味プラス陰キャなゲームオタクな俺なんて良いカモだったんだ。
我ながら混乱状態からの思考回路としては冴えてる自分に何故だか納得して、無言で頷くしかない。
その考えに行き着くと不思議と体から力が抜けて、混乱と緊張が消えていく。
ドッキリなんて、家族での誕生日くらいでしか経験のない俺には、かなり重すぎるドッキリだった。
(いや、手込みすぎるだろ‥)
早く帰ろうと思えど、まだステージは続いている筈だ。
何ならネタ枠が無くなったことで、実行員や役員がお怒りかもしれない。その上、王子を突き飛ばしてステージを後にしてしまったことで、女子たちがお怒りかもしれない。どっちにしろ、お怒りを買うかもしれないという点からして、面倒なことになりかねない。
結果。しばらくは、此処に居て大人しくしておくのが吉だろう。
この教室なら誰も来ないだろうし、静かだ。
ポケットから携帯を取り出し、いつもやり込んでいるゲームの一つの画面を開く。
「よし、やるか」
いつも通り、人生隅っこでゲームを開き架空の世界へと足を突っ込み、ぼっちで楽しむ俺なのだった。
目の前にはきらめく学校の王子様が、笑みを浮かべている。
(待てよ、何が起こってる‥?)
思考が追いつかない中、周りからは「キャー!!」という歓声なのか悲鳴なのか聞こえてくる。
俺はと言えば、予想外のことすぎるこの状況に追いつけなくて、思考が回らない。
俺、下川 羽流(しもかわ うる)。
人生隅っこで、一人きりゲームに没頭する所謂ゲーム廃人まっしぐらの人生を歩んでいる。
小さい頃には、友達という友達は居た。
だが、どんな挫折だったか忘れたが高校生になる頃にはぼっち真っしぐらの人生。
強いていうならゲームが友達とも言える痛いやつ(自分感想)。
友達もいなければ、恋愛経験なんてゼロの俺の初の告白相手が男、しかも学校の王子様なんてなんという悪夢か。
と、自己紹介まがいはここまでで良いだろう。
このふざけた状況を整理することにしよう。
今日は、高校の文化祭最終日。
俺はと言えば、クラスの手伝いも終わり後は文化祭が終わるまで、ぼっちトイレでゲームでもしてようとした先の事だった。
『下川くん!下川 羽流くん、至急体育館ステージまで来てください』
と、何やら切羽詰まった放送が入り、何かやらかしたかと体育館までやってくると、役員に背中を押されステージに立たされた。
それを踏まえて、状況の整理だ。
まず、場所。
文化祭の体育館ステージ。
そして、誰。
きらめく学校の王子様。
何された。
告白をされた。
「‥え?‥いやいや、ドッキリ?‥ありえないでしょ‥」
思わず口に出た言葉は、何にも変わりない本心であり、後ろへと後ずさる。
長い前髪から僅かに覗き見れば、何も変わらず笑みを崩さない王子。
「えっと〜、さぁ!下川くん!返事は?!」
司会者に急かされて、いつの間にか返事をする空気になってしまった。
周りからも、圧を感じて長い前髪が久方ぶりにありがたいと思った。
なんせ、学校の王子の告白だ。しかも、告白相手は俺。正真正銘の男同士だ。
女子が王子を放っておくはずがない。
今の学校中の女子の顔なんて見たら、みっともなく腰を抜かしてその場から動けなくなるに決まってる。
足が震えるし、ステージのライトが熱いせいか、この状況のせいか、汗が止まらない。
なんなら、息もしづらくなってきた。
震える足が更に後ずさろうと動こうとすると、急に手を取られ体を抱き止められ、王子の顔が間近に迫っている。
(やばい‥やばい、やばい!!)
頭の中は、すでに混乱状態。
そんな中、耳元に息がかかる。
「僕を好きになって?」
その言葉を聞いた瞬間、思いっきり手に力を入れて体を突き飛ばす。
大きな音と会場のざわめきが聞こえたが、なりふり構わず、ステージから降りて人気の無い場所へと足を精一杯動かした。
息が切れても尚走り続けて、使われてない教室に潜り込み、扉の前にしゃがみ込む。
顔が熱くて、両手で顔を覆って息を整えるのを意識した。
『僕を好きになって』
不意にもその言葉が胸の奥の何かを、高鳴らせた。
男同士なのに。全然知らないのに。
そもそも、王子と話したのなんて初めてだ。多分。
「‥チョロすぎだろ‥俺!」
顔を覆っていた両手を頭にやり、元からくしゃくしゃの髪をかき乱す。
待て、落ち着け。落ち着くんだ俺。
人生隅っこの俺にこんなイベント発生するのか。
否、あり得ない。
つまりは、だ。
高校の文化祭、何かしろのドッキリに巻き込まれた。
それが、妥当だろう。
何より今日は最終日のあのステージ上の告白大会は、年度の目玉と言って良い。
何かのネタとして使われたんだ。
「そうだ‥そうに違いない‥!」
地味プラス陰キャなゲームオタクな俺なんて良いカモだったんだ。
我ながら混乱状態からの思考回路としては冴えてる自分に何故だか納得して、無言で頷くしかない。
その考えに行き着くと不思議と体から力が抜けて、混乱と緊張が消えていく。
ドッキリなんて、家族での誕生日くらいでしか経験のない俺には、かなり重すぎるドッキリだった。
(いや、手込みすぎるだろ‥)
早く帰ろうと思えど、まだステージは続いている筈だ。
何ならネタ枠が無くなったことで、実行員や役員がお怒りかもしれない。その上、王子を突き飛ばしてステージを後にしてしまったことで、女子たちがお怒りかもしれない。どっちにしろ、お怒りを買うかもしれないという点からして、面倒なことになりかねない。
結果。しばらくは、此処に居て大人しくしておくのが吉だろう。
この教室なら誰も来ないだろうし、静かだ。
ポケットから携帯を取り出し、いつもやり込んでいるゲームの一つの画面を開く。
「よし、やるか」
いつも通り、人生隅っこでゲームを開き架空の世界へと足を突っ込み、ぼっちで楽しむ俺なのだった。
