2026-02-14
『愛せないまま』
「お前は誰も愛せないよ」
深夜、見ず知らずの人から
そんな連絡が送られてきた。
アイコンは初期設定のまま
フォローフォロワーは0で
誰にも相手されていない人。
どうしてそんなことを言ってきたのか
「どうしてですか」とその人に訊くが。
その日、連絡が返ってくることはなく
僕はそのまま、スマホを置いて眠った。
つい先日、その人から一言だけ
「愛してくれる?」と来ていて。
「愛せないよ、君のことは」と
冷えた右の親指で文字を打った。
「もういい、馬鹿」と送られてきて
その数時間後、垢は消え去っていて
話したことだけが残り続ける履歴に。
僕は少しの愛を感じた。
「もう少し話してみたかった」と
消えた垢に向かって送信をするが
どれだけ待とうとも返信は来ない。
そんな別れ方が、ネットを使い始めて
僕の周りに増えてしまって少し悲しい。
ピコン、と通知音が鳴って
また僕のもとに連絡が来た。
「愛されたことがない人は愛を知らないとして」
「もし私がそうならば、あなたはどうしますか」
アイコンは設定されているけれど
仲の良い人だけ繋がってるだろう
鍵垢からの連絡だったこともあり。
「僕だったら愛しますよ、あなたを」
「初めての愛が、僕で嬉しいのなら」
冷えた右の親指でまた文字を打ち
その人に返信をして眠りについた。
翌朝、「嘘、あなたは誰も愛せないと思います」と
核心突く言葉が送られてきていて、息が詰まったが。
「なら、お会いしましょう」
「あなたの住む街へ行くよ」
会いたい人には会っておかなければ
後悔すると分かっていてそう送るが。
それから、返信が来ることはなかった。
どうして、僕は「人を愛せない」と思われていて
真っ直ぐにそれを突かれてしまうのだろうか、と
深く考えてみるけれど1人では答えに辿り着けず。
「愛しています、会えなくなるまで」
「愛さないでください、僕のことは」
そんな文字を紡いで投稿をしたところ
「愛さないですよ、あなたのこと」と
また見ず知らずの人が連絡をしてきた。
「知っています」と文字を打ち
その人に返信しようとしたとき。
「それでも愛してください、私のことは」
想定していない連絡が送られてきた僕は
さっき打っていた文字を送信せず消して。
「愛します、あなたを」と
容赦なくその人にぶつけた。
が、愛したその人も消えた。
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『愛せないまま』
「お前は誰も愛せないよ」
深夜、見ず知らずの人から
そんな連絡が送られてきた。
アイコンは初期設定のまま
フォローフォロワーは0で
誰にも相手されていない人。
どうしてそんなことを言ってきたのか
「どうしてですか」とその人に訊くが。
その日、連絡が返ってくることはなく
僕はそのまま、スマホを置いて眠った。
つい先日、その人から一言だけ
「愛してくれる?」と来ていて。
「愛せないよ、君のことは」と
冷えた右の親指で文字を打った。
「もういい、馬鹿」と送られてきて
その数時間後、垢は消え去っていて
話したことだけが残り続ける履歴に。
僕は少しの愛を感じた。
「もう少し話してみたかった」と
消えた垢に向かって送信をするが
どれだけ待とうとも返信は来ない。
そんな別れ方が、ネットを使い始めて
僕の周りに増えてしまって少し悲しい。
ピコン、と通知音が鳴って
また僕のもとに連絡が来た。
「愛されたことがない人は愛を知らないとして」
「もし私がそうならば、あなたはどうしますか」
アイコンは設定されているけれど
仲の良い人だけ繋がってるだろう
鍵垢からの連絡だったこともあり。
「僕だったら愛しますよ、あなたを」
「初めての愛が、僕で嬉しいのなら」
冷えた右の親指でまた文字を打ち
その人に返信をして眠りについた。
翌朝、「嘘、あなたは誰も愛せないと思います」と
核心突く言葉が送られてきていて、息が詰まったが。
「なら、お会いしましょう」
「あなたの住む街へ行くよ」
会いたい人には会っておかなければ
後悔すると分かっていてそう送るが。
それから、返信が来ることはなかった。
どうして、僕は「人を愛せない」と思われていて
真っ直ぐにそれを突かれてしまうのだろうか、と
深く考えてみるけれど1人では答えに辿り着けず。
「愛しています、会えなくなるまで」
「愛さないでください、僕のことは」
そんな文字を紡いで投稿をしたところ
「愛さないですよ、あなたのこと」と
また見ず知らずの人が連絡をしてきた。
「知っています」と文字を打ち
その人に返信しようとしたとき。
「それでも愛してください、私のことは」
想定していない連絡が送られてきた僕は
さっき打っていた文字を送信せず消して。
「愛します、あなたを」と
容赦なくその人にぶつけた。
が、愛したその人も消えた。
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