2026-02-06
『気付かぬうちに、愛』
君は気付いてないと思うけれど
君がしてくれることって愛だよ。
深夜3時、そんなことを言われ
愛とはいったい、と疑問が湧く。
僕とは到底、考えが似つかない女性で
そういったところに惹かれてしまった。
「どんなところが愛だった?」
隣に座っている女性に訊いてみると
「全て挙げればキリがないけどね」
「惜しまず時間を使うところとか」
そう言われて、僕は女性の愛について
少しばかり触れることができたけれど。
「それは愛なのか」と照れてしまい
女性からの褒めを素直に受け取れず。
「そういうところも愛」
「素直じゃないとこ愛」
テレビを観ていた視線が僕のほうを向き
「本当に愛に溢れた人だから、君は」と
求めていなかった言葉を言われたのだが
どこか求めていたようで視線を逸らした。
「ん」と言い、視線を逸らした僕の先に
女性は入り込んできて「照れたかな」と
少し微笑みながら意地悪をしてくるから。
「照れてない、別に」
そう言って、強がって見せるが
「はいはい、素直じゃないね」
それだけを言われ、僕は負けた。
テレビでは「冬のなんかさ、春のなんかね」が
流れていて僕らはじっくり観ていたのだけれど。
町田康の「告白」をプレゼントして
そのまま告白する場面が流れてきて。
僕と女性は「こんなんあるかい」と
ドラマに対してツッコミを入れつつ
「僕も渡したいものがある」と言い
テレビのある部屋から一度出ていき。
或る物を持って、女性の元へ向かった。
「さっきの告白みたいなものではないけど」
「これ良かったら読んでみたらどうかな?」
手渡しのは、太宰治の「人間失格」。
すかさず「やめてよ~」と女性は言い
「君にお似合いだね」と茶化してくる。
手渡した物は、すぐに返ってきて
またそれからテレビを眺めていた。
ドラマが終わり、開けたお酒も飲み終え
睡魔に襲われてきた僕はソファから落ち。
「写真を撮らないと」と女性がまた
僕のことを微笑みつつ意地悪っぽく
茶化してくるもんだから腹が立った。
「もう、嫌い」、そんな言葉を吐くと
「本当は」と僕の目を見て訊いてくる。
「本当に嫌い」、僕は続けて言ってみたが
「素直じゃないところも愛だね」と言われ。
「うるさい」と言って、唇を塞いだ。
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『気付かぬうちに、愛』
君は気付いてないと思うけれど
君がしてくれることって愛だよ。
深夜3時、そんなことを言われ
愛とはいったい、と疑問が湧く。
僕とは到底、考えが似つかない女性で
そういったところに惹かれてしまった。
「どんなところが愛だった?」
隣に座っている女性に訊いてみると
「全て挙げればキリがないけどね」
「惜しまず時間を使うところとか」
そう言われて、僕は女性の愛について
少しばかり触れることができたけれど。
「それは愛なのか」と照れてしまい
女性からの褒めを素直に受け取れず。
「そういうところも愛」
「素直じゃないとこ愛」
テレビを観ていた視線が僕のほうを向き
「本当に愛に溢れた人だから、君は」と
求めていなかった言葉を言われたのだが
どこか求めていたようで視線を逸らした。
「ん」と言い、視線を逸らした僕の先に
女性は入り込んできて「照れたかな」と
少し微笑みながら意地悪をしてくるから。
「照れてない、別に」
そう言って、強がって見せるが
「はいはい、素直じゃないね」
それだけを言われ、僕は負けた。
テレビでは「冬のなんかさ、春のなんかね」が
流れていて僕らはじっくり観ていたのだけれど。
町田康の「告白」をプレゼントして
そのまま告白する場面が流れてきて。
僕と女性は「こんなんあるかい」と
ドラマに対してツッコミを入れつつ
「僕も渡したいものがある」と言い
テレビのある部屋から一度出ていき。
或る物を持って、女性の元へ向かった。
「さっきの告白みたいなものではないけど」
「これ良かったら読んでみたらどうかな?」
手渡しのは、太宰治の「人間失格」。
すかさず「やめてよ~」と女性は言い
「君にお似合いだね」と茶化してくる。
手渡した物は、すぐに返ってきて
またそれからテレビを眺めていた。
ドラマが終わり、開けたお酒も飲み終え
睡魔に襲われてきた僕はソファから落ち。
「写真を撮らないと」と女性がまた
僕のことを微笑みつつ意地悪っぽく
茶化してくるもんだから腹が立った。
「もう、嫌い」、そんな言葉を吐くと
「本当は」と僕の目を見て訊いてくる。
「本当に嫌い」、僕は続けて言ってみたが
「素直じゃないところも愛だね」と言われ。
「うるさい」と言って、唇を塞いだ。
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