2026-01-04
『雪みたいな』
あれは、今思えば初恋だった。
まだ小学低学年の僕は背が低く
大人から見れば可愛らしい子供。
小さい体ながら大きな思いを
抱いてしまった女の子がいた。
冬、あまり雪の積もらない地元に
辺り一面を白く染めるほどの雪が
降り注いでいて、嬉しかった過去。
いつもなら小学校に向かう足取りは重く
「行きたくない」が口癖だった僕でさえ
「早く学校に行きたい」と思わせるほど
雪という非現実的なものが魅力的だった。
学校に着き、僕が教室へ向かう途中
好きな女の子が窓の外を眺めていた。
「雪、綺麗だよね」と言った僕に対し
「うん、すっごく綺麗」と目を輝かせ
女の子は飛び跳ねるように言ってくる。
「ランドセル置いてくるから、その後」
「外に出て、雪合戦でもしてみようよ」
僕はテレビで見たことのある雪合戦を
好きな女の子とやってみたかったから。
誘ってみると意外にも乗ってくれて
「早くそれ、置いてきて」と言われ
僕は飛べそうなほど軽い足取りにて
教室にランドセルを置いて、戻った。
「行こう」と女の子に手首を掴まれ
そのときばかりはキュンとしていた。
校庭は見慣れぬ雪原となっていて
他の子らも楽しそうに遊んでいる。
隣にいたはずの女の子はもう遠くにいて
「いくよ~」と言って大きな雪玉を僕に
向かって勢い良く投げてきたから、僕も。
「負けないぞ~」と言って雪玉を作り
女の子に当たらない程度に投げてみた。
寒かろうに素手で雪玉を作った僕らは
頬を赤らめていて、まるで恋人みたく。
やはり、好きな子に当てられるほど
このときから僕は度胸が足りてない。
バシバシと女の子の投げる雪玉が
僕に白い跡を残そうと必死に来る。
これが好意であれば何卒、と思うほど
僕は女の子に対して、恋焦がれていた。
「やめてよ~」と嬉しそうに僕は呟く。
やめないでくれ~、が本心なくせにさ。
あの頃に見た真っ白な雪
近頃、見なくなっていた。
つい先日、地元に雪が降ったと連絡を貰った。
親から送られてくる雪の写真は当時の白さを
感じさせないほど汚れていてなんだか悲しい。
お元気ですか、好きだった女の子は。
誰に訊ねればいいか分からず、僕は。
真っ白な雪を探す旅に出ようと思った。
その日の夜、実家の最寄り駅を調べた。
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『雪みたいな』
あれは、今思えば初恋だった。
まだ小学低学年の僕は背が低く
大人から見れば可愛らしい子供。
小さい体ながら大きな思いを
抱いてしまった女の子がいた。
冬、あまり雪の積もらない地元に
辺り一面を白く染めるほどの雪が
降り注いでいて、嬉しかった過去。
いつもなら小学校に向かう足取りは重く
「行きたくない」が口癖だった僕でさえ
「早く学校に行きたい」と思わせるほど
雪という非現実的なものが魅力的だった。
学校に着き、僕が教室へ向かう途中
好きな女の子が窓の外を眺めていた。
「雪、綺麗だよね」と言った僕に対し
「うん、すっごく綺麗」と目を輝かせ
女の子は飛び跳ねるように言ってくる。
「ランドセル置いてくるから、その後」
「外に出て、雪合戦でもしてみようよ」
僕はテレビで見たことのある雪合戦を
好きな女の子とやってみたかったから。
誘ってみると意外にも乗ってくれて
「早くそれ、置いてきて」と言われ
僕は飛べそうなほど軽い足取りにて
教室にランドセルを置いて、戻った。
「行こう」と女の子に手首を掴まれ
そのときばかりはキュンとしていた。
校庭は見慣れぬ雪原となっていて
他の子らも楽しそうに遊んでいる。
隣にいたはずの女の子はもう遠くにいて
「いくよ~」と言って大きな雪玉を僕に
向かって勢い良く投げてきたから、僕も。
「負けないぞ~」と言って雪玉を作り
女の子に当たらない程度に投げてみた。
寒かろうに素手で雪玉を作った僕らは
頬を赤らめていて、まるで恋人みたく。
やはり、好きな子に当てられるほど
このときから僕は度胸が足りてない。
バシバシと女の子の投げる雪玉が
僕に白い跡を残そうと必死に来る。
これが好意であれば何卒、と思うほど
僕は女の子に対して、恋焦がれていた。
「やめてよ~」と嬉しそうに僕は呟く。
やめないでくれ~、が本心なくせにさ。
あの頃に見た真っ白な雪
近頃、見なくなっていた。
つい先日、地元に雪が降ったと連絡を貰った。
親から送られてくる雪の写真は当時の白さを
感じさせないほど汚れていてなんだか悲しい。
お元気ですか、好きだった女の子は。
誰に訊ねればいいか分からず、僕は。
真っ白な雪を探す旅に出ようと思った。
その日の夜、実家の最寄り駅を調べた。
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