2026-01-08
『ゴールデン街の夢』
毎日のように夢の中では
一緒に帰る女の子がいる。
場所はゴールデン街辺りで
細い道を手を繋いで歩いて
クスクス笑っている夢だが。
その細い道を通り抜けると同時に
夢の中から現実へと引き戻される。
長い黒髪を靡かせていて
凄く色っぽい匂いが漂い
危うさをも兼ね備えた人。
いつも帰る瞬間から夢が始まり
楽しそうな女の子を喜ばせたく
色々と盛り上がりそうな話をし。
「ここの道、近道みたいだ」と
女の子の誘惑によって細道へと
毎度の如く案内されて夢覚める。
1度だけ「そこはよそう」と
夢の中で断ったことがあった。
女の子は悲しい表情をしていて
ゴールデン街へと消えていった。
だから僕は1人でその細道へと入り
夢から現実へと戻ったのだけれども
頬を伝う涙にはもう温もりはなくて
随分と前に泣いていたのだと気付く。
つい先日、東京へと行く機会があり
新宿にあるゴールデン街へ向かった。
どのお店に入るか、というよりも
あの女の子はいないか、と探した。
行ったり来たりしている僕のことを
店から怪しそうに見てくる人がいる。
怪しい人ではないと知らせたくて
目が合ったときに笑顔を向けたが
すぐに視線を逸らされてしまった。
女の子には会えないと落ち込み
俯きながら歩いている僕はふと
見覚えのある通りを歩いていた。
あの、夢が覚めてしまう小道。
夢の中では現実へと引き戻されたのだが
一体、現実でここを通ればどうなるのか。
小道を目前とし、先に視線を向けると
あの夢に出てきた女の子が立っている。
きっと現実で会ったことはないというのに
どこか女の子に恋している自分がいて笑う。
小道を通れば服は汚れてしまうが
女の子に会えるならと僕は走った。
小道の先は、自宅の寝室だった。
東京へ行ったことさえ、夢の中。
振り返れば、店の中からこちらを見てきた人が
持っていたグラスの氷はずっと溶けていないし。
そもそも、あのゴールデン街で騒いでいた人らは
誰一人として声を発していなかったことに気付き。
ゾッとした。
まるで自分の足であの場所へと行き
あの細道を通ったというのに結末は
自宅の寝室へと戻ってしまうのかと。
ただ不思議なことに、その日以来
夢の中で女の子と帰るだけでなく
ちょっと前、お店で楽しんでいる
雰囲気も夢で味わうことができた。
唯一の欠点としては
細道を通らなければ
女の子が怖い人らに
連れ去られるという
結末が増えたことだ。
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『ゴールデン街の夢』
毎日のように夢の中では
一緒に帰る女の子がいる。
場所はゴールデン街辺りで
細い道を手を繋いで歩いて
クスクス笑っている夢だが。
その細い道を通り抜けると同時に
夢の中から現実へと引き戻される。
長い黒髪を靡かせていて
凄く色っぽい匂いが漂い
危うさをも兼ね備えた人。
いつも帰る瞬間から夢が始まり
楽しそうな女の子を喜ばせたく
色々と盛り上がりそうな話をし。
「ここの道、近道みたいだ」と
女の子の誘惑によって細道へと
毎度の如く案内されて夢覚める。
1度だけ「そこはよそう」と
夢の中で断ったことがあった。
女の子は悲しい表情をしていて
ゴールデン街へと消えていった。
だから僕は1人でその細道へと入り
夢から現実へと戻ったのだけれども
頬を伝う涙にはもう温もりはなくて
随分と前に泣いていたのだと気付く。
つい先日、東京へと行く機会があり
新宿にあるゴールデン街へ向かった。
どのお店に入るか、というよりも
あの女の子はいないか、と探した。
行ったり来たりしている僕のことを
店から怪しそうに見てくる人がいる。
怪しい人ではないと知らせたくて
目が合ったときに笑顔を向けたが
すぐに視線を逸らされてしまった。
女の子には会えないと落ち込み
俯きながら歩いている僕はふと
見覚えのある通りを歩いていた。
あの、夢が覚めてしまう小道。
夢の中では現実へと引き戻されたのだが
一体、現実でここを通ればどうなるのか。
小道を目前とし、先に視線を向けると
あの夢に出てきた女の子が立っている。
きっと現実で会ったことはないというのに
どこか女の子に恋している自分がいて笑う。
小道を通れば服は汚れてしまうが
女の子に会えるならと僕は走った。
小道の先は、自宅の寝室だった。
東京へ行ったことさえ、夢の中。
振り返れば、店の中からこちらを見てきた人が
持っていたグラスの氷はずっと溶けていないし。
そもそも、あのゴールデン街で騒いでいた人らは
誰一人として声を発していなかったことに気付き。
ゾッとした。
まるで自分の足であの場所へと行き
あの細道を通ったというのに結末は
自宅の寝室へと戻ってしまうのかと。
ただ不思議なことに、その日以来
夢の中で女の子と帰るだけでなく
ちょっと前、お店で楽しんでいる
雰囲気も夢で味わうことができた。
唯一の欠点としては
細道を通らなければ
女の子が怖い人らに
連れ去られるという
結末が増えたことだ。
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