明日はお休みをいただきます

「オラッ!!!」
「ウウー……」

 スゴイ呻き声が聞こえて、俺は目を覚ます。

——またか。

 最近、ずっと見る夢がある。それには、いつも俺の恩人が出ている。
 去年、中学2年の進級を機に、一人暮らしを始めた。
 でも、不器用だから。クラスメートからは「お前、早いな」「問題ないのか」と心配される始末だ。
 俺は、リモコンを手に取った。テレビがニュースを伝えている。「きのう、事故がありました。車三台の玉突き事故ということです。この事故について、中学生の新並和也(しんなみかずや)さんが、首の骨を折る重傷を負い、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました」

 えっ……?
 心臓が早鐘を打つ。
 和也、死んだの……?

 不器用な僕が一人暮らしを始めた時、そっけない態度をとりながら、陰ではちょっと心配してくれていた(不良だから、わざわざ表舞台で心配することは難しかったのかもしれない)和也に、俺は密かに恩義を感じていた。

 それなのに——。
 なんだか、胸に重たい石が詰まったような気分だ。
 酔うのに、吐かない。

 なんなんだよ……
 思わず涙が溢れた。

 中学に登校すると、担任の先生から、テレビのキャスターと同じように訃報を伝えられた。
 テレビのキャスターと同じように、淡々とした口調だった。