車はそこら中で渋滞し、クラクションが鳴り響いている。
逃げ場も無いのにどこに逃げようとしているのだろうかと、ハルオは馬鹿らしく思いながらそれを見ていた。
桜並木をハルオとマモルの二人が歩く。
ふいに、ハルオはその光景を見て言った。
「桜の木の下には死体が埋まっているって言うじゃん?」
マモルはその言葉に答える。
「有名な小説の一節だね」
「今は桜の木の横に死体が転がっているな」
綺麗な桜の下を死に場所に決めた人間達の死体が、木にもたれかかる様に眠っていた。
彼らの顔は笑顔で、幸せそうだ。
ハルオはポツリと言う。
「まるで酔いつぶれているみたいだな」
「そうだね」
マモルもそう短く返事をした。
桜並木を抜けて、街を避けて道外れを歩く。春の陽気は心地よかったが、荷物の重さが苦痛だった。
マモルはハルオに尋ねる。
「死後の世界ってあるのかな?」
「誰にも分からないんじゃないか? 死んで蘇った人間はいないし」
ハルオはしばらく黙った後に言う。
「俺みたいに、常に死ぬ事を考えている『死ぬ事考えるガチ勢』でも、死ぬ事はエアプだからな」
「確かにそうだね」
夕暮れが見える。狂人を避けるために暗い廃墟で静かに過ごすことにした。
「今日の夕食は素敵な素敵なカップ麺だな」
ハルオは沸かした湯を注いで、食事を済ませる。
街の明かりが少ないので、夜空が少し綺麗に見えた。
朝になり、毛布をたたんでまた出発をする。
久しぶりに歩いたから、靴擦れが起きていたが、ハルオはどうせ死ぬんだからと我慢する。
相変わらず騒がしい街を横目に見ながら、ハルオは言った。
「どうせ死ぬのに何で生きたがるんだろうな」
「本能だからじゃない?」
マモルに言われると、ハルオは笑った。
「まるで呪いだよな」
「呪い、かー」
ハルオは続けて言う。
「そう、命は奇跡だなんて言う奴もいるけどさ、偶然地球の有機物が動くようになって、そこから続く呪いだよ」
「うん」
「命を失うのは怖いって、生き物は思うのに、奪い合って、結局は死ぬ。こんなの呪いだよ」
「そうかもしれないね」
逃げ場も無いのにどこに逃げようとしているのだろうかと、ハルオは馬鹿らしく思いながらそれを見ていた。
桜並木をハルオとマモルの二人が歩く。
ふいに、ハルオはその光景を見て言った。
「桜の木の下には死体が埋まっているって言うじゃん?」
マモルはその言葉に答える。
「有名な小説の一節だね」
「今は桜の木の横に死体が転がっているな」
綺麗な桜の下を死に場所に決めた人間達の死体が、木にもたれかかる様に眠っていた。
彼らの顔は笑顔で、幸せそうだ。
ハルオはポツリと言う。
「まるで酔いつぶれているみたいだな」
「そうだね」
マモルもそう短く返事をした。
桜並木を抜けて、街を避けて道外れを歩く。春の陽気は心地よかったが、荷物の重さが苦痛だった。
マモルはハルオに尋ねる。
「死後の世界ってあるのかな?」
「誰にも分からないんじゃないか? 死んで蘇った人間はいないし」
ハルオはしばらく黙った後に言う。
「俺みたいに、常に死ぬ事を考えている『死ぬ事考えるガチ勢』でも、死ぬ事はエアプだからな」
「確かにそうだね」
夕暮れが見える。狂人を避けるために暗い廃墟で静かに過ごすことにした。
「今日の夕食は素敵な素敵なカップ麺だな」
ハルオは沸かした湯を注いで、食事を済ませる。
街の明かりが少ないので、夜空が少し綺麗に見えた。
朝になり、毛布をたたんでまた出発をする。
久しぶりに歩いたから、靴擦れが起きていたが、ハルオはどうせ死ぬんだからと我慢する。
相変わらず騒がしい街を横目に見ながら、ハルオは言った。
「どうせ死ぬのに何で生きたがるんだろうな」
「本能だからじゃない?」
マモルに言われると、ハルオは笑った。
「まるで呪いだよな」
「呪い、かー」
ハルオは続けて言う。
「そう、命は奇跡だなんて言う奴もいるけどさ、偶然地球の有機物が動くようになって、そこから続く呪いだよ」
「うん」
「命を失うのは怖いって、生き物は思うのに、奪い合って、結局は死ぬ。こんなの呪いだよ」
「そうかもしれないね」



