俺の名前は一条桃哉、高校二年生。どこにでもいる平凡な男子学生だ。
物事を深く考えない、持って生まれた明るさで、健全かつ平穏な高校生活を送っている。
今日もまたいつもと変わらない一日が、いつもの通りに終わる......はずだったのに。
それが一体どうなって俺は今、誰もいない放課後の図書室で、学校一のイケメンと名高い、倉峰大和に本棚へ追いつめられているのだろうか。
え? これって壁ドン......顔の横に置かれた倉峰の手に、俺はパチパチと瞳を瞬かせた。至近距離に倉峰の整った顔。その瞳が、愛しそうに自分を映していて、とくんと胸が高鳴る。その音が、何かの始まりを俺に知らせるように、どんどん大きくなっていく。
「好きだ」
「え......?」
一瞬、何を言われたのか分からない。
好きって、何を......? 分からなくて目の前の倉峰を見上げる。その瞳はまっすぐに俺を見つめていた。
「愛してる。一条......」
「っ......」
だけど答えが出るより先に倉峰にそう言われ、思考が真っ白になった。
「俺と結婚を前提に付き合ってくれ」
耳に心地いい、凛とした甘い低音の声で、倉峰がとんでもないことを囁いた。
脳の中に直接響いてくるようなその声に、心がキュンと甘くなる。
俺はうっとりと頷きそうになり――思いっきりハッとした。
けっ、結婚を前提⁉ ......付き合う⁉ 俺たちまともに話したの今日が初めてなのに? ていうか、何て言った? 俺のこと............愛してるって......‼
「え? えぇっ......ええええええぇ――‼」
これが俺の、人生初の壁ドンであり、人生初の告白だった。
しかも結婚前提というオプション付き。
今自分に起こっていることが信じられず、衝撃に襲われるまま、俺は大きな叫び声を上げた。
遡ること数時間前――――――
物事を深く考えない、持って生まれた明るさで、健全かつ平穏な高校生活を送っている。
今日もまたいつもと変わらない一日が、いつもの通りに終わる......はずだったのに。
それが一体どうなって俺は今、誰もいない放課後の図書室で、学校一のイケメンと名高い、倉峰大和に本棚へ追いつめられているのだろうか。
え? これって壁ドン......顔の横に置かれた倉峰の手に、俺はパチパチと瞳を瞬かせた。至近距離に倉峰の整った顔。その瞳が、愛しそうに自分を映していて、とくんと胸が高鳴る。その音が、何かの始まりを俺に知らせるように、どんどん大きくなっていく。
「好きだ」
「え......?」
一瞬、何を言われたのか分からない。
好きって、何を......? 分からなくて目の前の倉峰を見上げる。その瞳はまっすぐに俺を見つめていた。
「愛してる。一条......」
「っ......」
だけど答えが出るより先に倉峰にそう言われ、思考が真っ白になった。
「俺と結婚を前提に付き合ってくれ」
耳に心地いい、凛とした甘い低音の声で、倉峰がとんでもないことを囁いた。
脳の中に直接響いてくるようなその声に、心がキュンと甘くなる。
俺はうっとりと頷きそうになり――思いっきりハッとした。
けっ、結婚を前提⁉ ......付き合う⁉ 俺たちまともに話したの今日が初めてなのに? ていうか、何て言った? 俺のこと............愛してるって......‼
「え? えぇっ......ええええええぇ――‼」
これが俺の、人生初の壁ドンであり、人生初の告白だった。
しかも結婚前提というオプション付き。
今自分に起こっていることが信じられず、衝撃に襲われるまま、俺は大きな叫び声を上げた。
遡ること数時間前――――――

