コンコン……
コンコン……
(……!)
ベッドから飛び起きた。
日差しは少しだけ色濃くなっていて
どれだけ時間が経ったのか、一瞬分からなかった。
(……すっごい汗)
「ごめーん! 今起きたー!」
ドアの向こうの楓くんに向かって、お腹から声を出す。
「はーい。じゃ、部屋に戻ってるから。準備できたら呼んでー」
「分かった!」
時間は4時を少し過ぎていた。
(でも、ちょっと良くなったかな)
ぐっすり寝たお陰なのか、変な頭痛は消えていた。……多少熱っぽいけど、寒気がそこまであるわけじゃない。
(……シャワー浴びたい)
楓くんに「ごめん! 30分後に部屋に行く!」とだけメッセージを入れて、わたしは急いでシャワーを浴びた。
(……あー……どうしよ)
この後の予定、結局なにも決めていないなと思いながら、シャワーを浴びた。
「……ごめん! 寝てた」
部屋に行くと、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「寝てた? 大丈夫なの?」
「うん。結構寝ちゃったから……もう平気だよ」
エレベーターを使って1階へ。
「どうしようか、何も決めてなかったね」
「ま、良いんじゃない? さっきお城が見えたけど……お城近いの?」
「うん。すぐ近くにあるよ」
「じゃ、お城まで行ってみても良い?」
熊本の街はコンパクトな造りになっている。繁華街やお城などが、街の中心エリアにぎゅっと詰まった感じ。
ホテルからお城まで歩いても10分かかるか、かからないかの距離にある。
「うん。そうしよっか」
フロントの前を通って、外に出る。あまりの暑さに驚きを通り越して辛くなる。
「熊本さ、暑さがヤバくない……?」
「楓くん初めてだもんね」
「これは……ヤバい」
「湿気が凄いんだよ」
「……重たい感じがする」
横浜だって暑い。暑いことに変わりはない。でも8月の熊本の暑さは、質がちがうように感じる。
とにかく湿気が凄くて、歩いているだけで汗が噴き出してくる。
「ね。……まとわりつく感じがヤバいね」
ホテルからはすでに熊本城が見えている。わたし達は公園を抜けて真っすぐにお城に向かった。初めてきたような場所だけど、道に迷うことはない。
「美咲ちゃんはお城行ったことあるの?」
「……小さい頃に来た記憶はあるかな……なんとなくだけど」
「そうなんだ」
「たぶん、そんなにしょちゅう来る場所じゃないんじゃない?」
「……ま、それはそうか」
「それに中学生の時までしかいなかったから」
「に、しても……こんなに賑やかだと思って無かったな」
「でしょ。意外と栄えてるんだよ」
「お店もいっぱいあるし……」
「でも、このエリアだけだよ」
「そうなの?」
「うん。こっから離れていくと、なんもないよ。住むとこだけって感じ」
「あー……だからこんな混んでるのか」
「そうそう。横浜駅みたいなもんだよ」
「夜ごはん、何か考えてるの?」
「……いや。ずっと寝てたから……」
楓くんは笑ってくれた。
よく考えてみたら、2日前に急に熊本に行くことが決まって……そこからバタバタだったな、と思い返していた。
「今更だけど……俺もちょっと調べときゃ良かった」
「ううん。でも、ここなんでもあるから。大丈夫だと思う」
「だよね」
少し歩くと、坂道が見え、多くの観光客らしき人達が坂を下ってくる。
「ここじゃない?」
「たぶん。めっちゃ人、下りてきてるし」
「行ってみようか」
そこまで勾配はキツくはない。……でも長い。
(……暑さがヤバいな)
飛行機の中、そしてホテル。だいぶ寝ることができたので、なんとか歩けるくらいまでにはなっているけど……尋常じゃない暑さで、また体調が悪くなってきた。
目まいもする。
「……坂、長いね」
「ね。でも学校行く坂に比べれば……って感じじゃない?」
「確かに。それ」
「でも……暑いから……体力は削り取られるな……」
(わたし……あんま登れてないからな……)
そう。わたしは皆とちがって、毎日あの坂を登れてたわけじゃない。
「人の流れと逆に行けば良いのか」
「あぁー……楓くん、頭いいなぁ」
「ははっ! そりゃ嬉しいね」
はあはあと息を切らしながら、人が一気に出てくる場所まで辿り着いた。
「……ちょっと中、入ってみたいな」
「……うん」
お互いに息を切らせながら、わたし達は熊本城に入るために入場口へと向かって歩く。
(日傘……持ってくれば良かったなー……)
(失敗した……)
熊本は、横浜と比べると太陽が近く感じる。
コンコン……
(……!)
ベッドから飛び起きた。
日差しは少しだけ色濃くなっていて
どれだけ時間が経ったのか、一瞬分からなかった。
(……すっごい汗)
「ごめーん! 今起きたー!」
ドアの向こうの楓くんに向かって、お腹から声を出す。
「はーい。じゃ、部屋に戻ってるから。準備できたら呼んでー」
「分かった!」
時間は4時を少し過ぎていた。
(でも、ちょっと良くなったかな)
ぐっすり寝たお陰なのか、変な頭痛は消えていた。……多少熱っぽいけど、寒気がそこまであるわけじゃない。
(……シャワー浴びたい)
楓くんに「ごめん! 30分後に部屋に行く!」とだけメッセージを入れて、わたしは急いでシャワーを浴びた。
(……あー……どうしよ)
この後の予定、結局なにも決めていないなと思いながら、シャワーを浴びた。
「……ごめん! 寝てた」
部屋に行くと、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「寝てた? 大丈夫なの?」
「うん。結構寝ちゃったから……もう平気だよ」
エレベーターを使って1階へ。
「どうしようか、何も決めてなかったね」
「ま、良いんじゃない? さっきお城が見えたけど……お城近いの?」
「うん。すぐ近くにあるよ」
「じゃ、お城まで行ってみても良い?」
熊本の街はコンパクトな造りになっている。繁華街やお城などが、街の中心エリアにぎゅっと詰まった感じ。
ホテルからお城まで歩いても10分かかるか、かからないかの距離にある。
「うん。そうしよっか」
フロントの前を通って、外に出る。あまりの暑さに驚きを通り越して辛くなる。
「熊本さ、暑さがヤバくない……?」
「楓くん初めてだもんね」
「これは……ヤバい」
「湿気が凄いんだよ」
「……重たい感じがする」
横浜だって暑い。暑いことに変わりはない。でも8月の熊本の暑さは、質がちがうように感じる。
とにかく湿気が凄くて、歩いているだけで汗が噴き出してくる。
「ね。……まとわりつく感じがヤバいね」
ホテルからはすでに熊本城が見えている。わたし達は公園を抜けて真っすぐにお城に向かった。初めてきたような場所だけど、道に迷うことはない。
「美咲ちゃんはお城行ったことあるの?」
「……小さい頃に来た記憶はあるかな……なんとなくだけど」
「そうなんだ」
「たぶん、そんなにしょちゅう来る場所じゃないんじゃない?」
「……ま、それはそうか」
「それに中学生の時までしかいなかったから」
「に、しても……こんなに賑やかだと思って無かったな」
「でしょ。意外と栄えてるんだよ」
「お店もいっぱいあるし……」
「でも、このエリアだけだよ」
「そうなの?」
「うん。こっから離れていくと、なんもないよ。住むとこだけって感じ」
「あー……だからこんな混んでるのか」
「そうそう。横浜駅みたいなもんだよ」
「夜ごはん、何か考えてるの?」
「……いや。ずっと寝てたから……」
楓くんは笑ってくれた。
よく考えてみたら、2日前に急に熊本に行くことが決まって……そこからバタバタだったな、と思い返していた。
「今更だけど……俺もちょっと調べときゃ良かった」
「ううん。でも、ここなんでもあるから。大丈夫だと思う」
「だよね」
少し歩くと、坂道が見え、多くの観光客らしき人達が坂を下ってくる。
「ここじゃない?」
「たぶん。めっちゃ人、下りてきてるし」
「行ってみようか」
そこまで勾配はキツくはない。……でも長い。
(……暑さがヤバいな)
飛行機の中、そしてホテル。だいぶ寝ることができたので、なんとか歩けるくらいまでにはなっているけど……尋常じゃない暑さで、また体調が悪くなってきた。
目まいもする。
「……坂、長いね」
「ね。でも学校行く坂に比べれば……って感じじゃない?」
「確かに。それ」
「でも……暑いから……体力は削り取られるな……」
(わたし……あんま登れてないからな……)
そう。わたしは皆とちがって、毎日あの坂を登れてたわけじゃない。
「人の流れと逆に行けば良いのか」
「あぁー……楓くん、頭いいなぁ」
「ははっ! そりゃ嬉しいね」
はあはあと息を切らしながら、人が一気に出てくる場所まで辿り着いた。
「……ちょっと中、入ってみたいな」
「……うん」
お互いに息を切らせながら、わたし達は熊本城に入るために入場口へと向かって歩く。
(日傘……持ってくれば良かったなー……)
(失敗した……)
熊本は、横浜と比べると太陽が近く感じる。



