ガガンッッ……!!
キューーーッッ……
物凄い振動で、目が覚めた。
飛行機は阿蘇熊本空港に、無事に着陸したところだった。
滑走路をゆっくり速度を落とし、降下場まで進んでいく。
「……びっくりした」
離陸からまったく記憶がない。……左手は、楓くんが握ってくれている。
(……そうだ……手、繋ぐよっていってくれてたんだ)
「着いたね。熊本」
「うん。……久し振りに来たな」
機内から外に出る。その瞬間にわたし達は驚いた。
「……あっつ……」
暑さが、横浜と全然ちがっていた。わたしはずっとここで暮らしていたはずなのに。
「湿気が……凄くない?」
「……こんなに凄かったっけ……」
キャリーケースが重たく感じる。
「この後は? どうするの」
「まず、バスに乗らないと」
空港から繁華街である下通りへはバスで向かう。出口のすぐそばに、バス乗り場がある。スマホはほんとに便利。
「ずっと寝てたよ」
「わたしも。気付いたら、さっきだった」
「俺は途中で一回起きたけど……美咲ちゃん、ずっと寝てたもんね」
「うん。……朝、早かったからかな」
「体調は? どう?」
「うーん……結構寝れたから……元気になった」
熱っぽさは、少し治まった気がした。頭痛もあまりない。ちょっと頭の奥に残っている感じ。
(……これなら、なんとか……いけるかも)
「でもさぁ……やっぱ『田舎』って感じでしょ? どう」
「凄いよな……緑がいっぱいだもんね。……あの山、凄いよ」
そういうと、楓くんは阿蘇の方を指さした。
「阿蘇山だね」
「……あれが?」
「うん」
「凄くない? 横浜じゃ絶対見れないもん」
「自然はほんとに凄いと思うよ。ここ」
バスに乗り込み、30分ほど経つと、街中に到着する。
「空気が全然ちがう」何度も何度も、バスの中で楓くんは口にしていた。
「今日、どこに泊まるの? 街中?」
「うん。熊本はさ、車がないと……移動が難しいから。街中にしてある」
「そうなんだ……ちょっと感覚が良く分かってないけど……」
「そうだよ。気楽に移動できないんだよ。横浜みたいに、電車も3分に一回なんて来ないんだよ」
「……そっか」
「そ。だから街中にホテル取った方がいいってこと」
「なるほどねー……」
緑一面だった空港から、徐々に市街地へとバスは入っていく。
それに伴って、車の量やビルなどの建物も増えていった。
「何? あれ。……市電?」
「ん? そうだよ。市電、通ってるよ」
「へぇー……長崎とか、広島は知ってたけど……熊本もあるんだ」
「うん。わたしは乗ったことないけどね」
「……そうなの?」
「うん。ここと全然ちがうエリアに住んでたから」
水道町の交差点を抜け、バスは「通町筋」に到着した。わたし達はここで降りる。
「……凄くない?」
ここは熊本で一番の繁華街になる。みんな休みの日になると、ここに遊びにきたがる。……中学生の時、友達のいなかったわたしには、関係ない話だけど。
「凄いでしょ。横浜ほどじゃないだろうけど……人、多いよ」
「ね。人は横浜駅ほどはいないけど……こんなに人が多いなんて思ってなかったよ」
アーケードは賑やかだった。
本当は目まいがするから……避けて通りたかったけど……せっかく来たんだし、楓くんに見て欲しかった。
わたし達が目指すホテルは、アーケードを抜けた公園のところにある。
「そういえばさ、お父さんから承諾書? みたいなの預かってきた?」
「あっ、うん。一応持って来てる。……美咲ちゃんのお父さん、凄いよね」
「ねー。すっごい色々調べてくれてたみたい」
「感謝しないと」
「うん。帰ったら……いっぱいお土産話、してあげなきゃ……」
「そうだよ」
「……帰ったら……」
(……暑い)
(また熱が出てきた感じするな……)
ホテルは公園のすぐ横にあった。アーケードで、日差しは遮られていたけど……気温と湿気はどうにもならない。
周りを見回すと、みんな笑顔で笑っている……わたしは流石に、そんな気持ちにはなれなかった。
やっとの思いでホテルに到着すると、受付で同意書を提示する。受付シートに名前を書き……これでやっと部屋へ行ける。
「どうしよう。まだ3時前だね」
「……ちょっとだけ寝てもいい?」
「もちろん。……暑いしね。そうしよう」
「待ち合わせ、どうしようか」
「夕方の4時くらいで良いんじゃない?」
「うん。分かった。わたし、ちょっと寝るね」
「……何かあったら、言ってよ?」
「うん。すぐいう」
わたしは305号室。楓くんは隣。
306号室へと向かっていく。
(……あー……ダメだ。キツい……)
着替えもせずに、わたしはベッドに倒れ込む。
…そしてそのまま、眠っていた。
キューーーッッ……
物凄い振動で、目が覚めた。
飛行機は阿蘇熊本空港に、無事に着陸したところだった。
滑走路をゆっくり速度を落とし、降下場まで進んでいく。
「……びっくりした」
離陸からまったく記憶がない。……左手は、楓くんが握ってくれている。
(……そうだ……手、繋ぐよっていってくれてたんだ)
「着いたね。熊本」
「うん。……久し振りに来たな」
機内から外に出る。その瞬間にわたし達は驚いた。
「……あっつ……」
暑さが、横浜と全然ちがっていた。わたしはずっとここで暮らしていたはずなのに。
「湿気が……凄くない?」
「……こんなに凄かったっけ……」
キャリーケースが重たく感じる。
「この後は? どうするの」
「まず、バスに乗らないと」
空港から繁華街である下通りへはバスで向かう。出口のすぐそばに、バス乗り場がある。スマホはほんとに便利。
「ずっと寝てたよ」
「わたしも。気付いたら、さっきだった」
「俺は途中で一回起きたけど……美咲ちゃん、ずっと寝てたもんね」
「うん。……朝、早かったからかな」
「体調は? どう?」
「うーん……結構寝れたから……元気になった」
熱っぽさは、少し治まった気がした。頭痛もあまりない。ちょっと頭の奥に残っている感じ。
(……これなら、なんとか……いけるかも)
「でもさぁ……やっぱ『田舎』って感じでしょ? どう」
「凄いよな……緑がいっぱいだもんね。……あの山、凄いよ」
そういうと、楓くんは阿蘇の方を指さした。
「阿蘇山だね」
「……あれが?」
「うん」
「凄くない? 横浜じゃ絶対見れないもん」
「自然はほんとに凄いと思うよ。ここ」
バスに乗り込み、30分ほど経つと、街中に到着する。
「空気が全然ちがう」何度も何度も、バスの中で楓くんは口にしていた。
「今日、どこに泊まるの? 街中?」
「うん。熊本はさ、車がないと……移動が難しいから。街中にしてある」
「そうなんだ……ちょっと感覚が良く分かってないけど……」
「そうだよ。気楽に移動できないんだよ。横浜みたいに、電車も3分に一回なんて来ないんだよ」
「……そっか」
「そ。だから街中にホテル取った方がいいってこと」
「なるほどねー……」
緑一面だった空港から、徐々に市街地へとバスは入っていく。
それに伴って、車の量やビルなどの建物も増えていった。
「何? あれ。……市電?」
「ん? そうだよ。市電、通ってるよ」
「へぇー……長崎とか、広島は知ってたけど……熊本もあるんだ」
「うん。わたしは乗ったことないけどね」
「……そうなの?」
「うん。ここと全然ちがうエリアに住んでたから」
水道町の交差点を抜け、バスは「通町筋」に到着した。わたし達はここで降りる。
「……凄くない?」
ここは熊本で一番の繁華街になる。みんな休みの日になると、ここに遊びにきたがる。……中学生の時、友達のいなかったわたしには、関係ない話だけど。
「凄いでしょ。横浜ほどじゃないだろうけど……人、多いよ」
「ね。人は横浜駅ほどはいないけど……こんなに人が多いなんて思ってなかったよ」
アーケードは賑やかだった。
本当は目まいがするから……避けて通りたかったけど……せっかく来たんだし、楓くんに見て欲しかった。
わたし達が目指すホテルは、アーケードを抜けた公園のところにある。
「そういえばさ、お父さんから承諾書? みたいなの預かってきた?」
「あっ、うん。一応持って来てる。……美咲ちゃんのお父さん、凄いよね」
「ねー。すっごい色々調べてくれてたみたい」
「感謝しないと」
「うん。帰ったら……いっぱいお土産話、してあげなきゃ……」
「そうだよ」
「……帰ったら……」
(……暑い)
(また熱が出てきた感じするな……)
ホテルは公園のすぐ横にあった。アーケードで、日差しは遮られていたけど……気温と湿気はどうにもならない。
周りを見回すと、みんな笑顔で笑っている……わたしは流石に、そんな気持ちにはなれなかった。
やっとの思いでホテルに到着すると、受付で同意書を提示する。受付シートに名前を書き……これでやっと部屋へ行ける。
「どうしよう。まだ3時前だね」
「……ちょっとだけ寝てもいい?」
「もちろん。……暑いしね。そうしよう」
「待ち合わせ、どうしようか」
「夕方の4時くらいで良いんじゃない?」
「うん。分かった。わたし、ちょっと寝るね」
「……何かあったら、言ってよ?」
「うん。すぐいう」
わたしは305号室。楓くんは隣。
306号室へと向かっていく。
(……あー……ダメだ。キツい……)
着替えもせずに、わたしはベッドに倒れ込む。
…そしてそのまま、眠っていた。



