失われるとわかっていても、君の隣を手放したくない

 なんだ……これ……

 瞬きもできない。

 続いて舞台裏撮影中の写真が映し出される。客席に座っているF組G組から驚きの声があがった。次々と映し出される写真や動画は、俺たち動画撮影班ばかりが映っている。

 良いアングルを求め、カメラ片手にハシゴに登って上から撮っている写真。
 パソコンの前で真剣な顔をしながらレイアウトの相談をしている写真。
 ダンスメンバーと一緒に汗だくで走りながら撮っている動画。
 この夏、ダンスメンバーと同じ気持ちで一緒に作品を作り上げた、俺たちの軌跡。

 胸が熱くなる。
 こんな写真や動画をいつ撮ったんだ? 
 そして、いつ編集した?
 みんな、めちゃくちゃ忙しかっただろうに……。

 ふいに、以前、誰かに写真を撮られたことを思い出した。撮影班のひとりだと思ったから、気に留めていなかったけれど……。

 "F組G組のみんなへ
 僕らの青春の記録を、ありがとう!"

 言葉にできない想いが、抑えようもない感情が溢れ出す。
 こんなことって——……
 

 映像が終わると、盛大な拍手が会場を包んだ。観客の数人が立ち、それを見た数人が立ち、そうやってところどころで波が立つように、みんなが拍手をしながら立っていった。
 F組G組の生徒も、照れたような雰囲気を出しながら応えるように立ち、拍手に加わる。
 鳴りやまない拍手が、いつまでも響き渡っていた。