夕陽輝くあの場所で、君と永遠に。

───あの日、あの場所で、君と出会った瞬間、
   僕の人生の歯車は、大きく変わり始めた。───

──霜月県・霜月市──
霜月県の県庁所在地で、霜月県営鉄道の中央駅である霜月中央駅がある。
人口は海原市に次いで2位であり、交通の便も整備されている。

『まもなく2番線に・・・5時20分発、海原国際空港行き、特別快速エアポート14号が到着致します。ご注意ください。』

「楽しみだねー!」
そうワイワイしているのは、歩行障害を患っている、県立霜月中央大学附属高等学校3年生の細川 綾乃。
彼女は自由奔放で、楽しいことを好み、みんなを笑顔にして、同時に惹きつけるクラスで一番の美少女である。
「海原市ねぇ・・・嫌な思い出だわ」
そう暗く呟いたのは、幼馴染で親友の朝比奈 琴葉。
学校一の超優等生で成績はぶっちぎりの一位。
未来を絶対的に約束されたエースと呼ばれているが、彼女の夢は天文学者である。
琴葉も綾乃に引けを取らない美貌だが、綾乃が強すぎるが故に掠れている。
「あぁ・・・二度と、あんな思いはしたくない」
そして、僕の名前は佐々木 優一。
一眼レフカメラを使った星空撮影や列車の撮影、航空機の撮影等、とにかく撮影専攻でやっている。
僕の成績は琴葉、綾乃と続いて三位。