【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~

 やがて、静かな寝息が聞こえ始めた。

 最初に眠りに落ちたのは、ルナだった。レオンの温もりに包まれて、安心しきった顔ですやすやと眠っている。普段の勝気な表情とは違う、幼い少女のそれ。わずかに開いた唇から漏れる寝息は、まるで小さな子猫のようで、レオンの胸を温かくした。

 次に、シエルの呼吸が深くなった。

「……レオン……」

 寝言を呟きながら、レオンの腕を大切な宝物のように抱きしめている。その表情には、起きている時には決して見せない無防備な安らぎが浮かんでいた。

 ミーシャも目を閉じた。いつもの聖女の微笑みではなく、本当に幸せそうな笑顔で。

「……幸せ……」

 そっとレオンの胸に顔を寄せる。その頬には、ほんのりと朱が差していた。

 最後に、エリナの体から力が抜けていった。レオンの肩にもたれかかるその顔には、普段は決して見せない柔らかな表情が浮かんでいる。小さく寝息を立てながら、まるで幸せな夢を見ているかのようだった。

 四人とも、レオンの温もりを感じながら深い眠りに落ちていく。その寝顔は、どれも愛おしくて、守りたくなるほど美しかった。

 だが――。

 さすがに、このままでは眠れない。

 レオンは苦笑した。物理的に身動きが取れない。腕は痺れてきているし、暑いし、重い。

 ただ――もう少しだけこの温もりを、この重さを感じていたかった。この幸せが、たまらなく愛おしいのだ。


       ◇


 しばらく温もりに浸っていたが、このままじゃ彼女たちも風邪をひいてしまうかもしれない。

 レオンはそっとベッドを抜け出そうと、慎重に体を動かし始めた。誰も起こさないようにそーっと。

 ようやく抜け出し、ふぅと息をつく。そして、ベッドで幸せそうに眠る四人を見つめた。月明かりに照らされた、その可愛い寝顔たち。

 ありがとう、本当に。

 心の中で呟く。もう大丈夫だ。一人で抱え込まない。仲間を信じる。そして、みんなで未来を切り開いていこう。


      ◇


 レオンはまず、ミーシャをお姫様抱っこした。その体は驚くほど柔らかく、まるでマシュマロのようだった。音を立てないように廊下を歩き、ミーシャの部屋のドアを開け、ベッドに優しく横たえる。毛布をかけてやると、彼女は幸せそうな寝言を呟いた。

 おやすみ、ミーシャ。

 そっと髪を撫でてやる。

 次はルナの番だ。部屋に戻ると、ルナはレオンがいなくなった場所で枕を抱きしめていた。その姿が可愛らしくて、レオンは思わず微笑んだ。そっと抱き上げ、ルナの部屋へと向かい、ベッドに横たえる。

 おやすみ、ルナ。

 毛布をかけてやると、ルナは寝言で何かを呟いた。レオンはくすりと笑い、続いてシエルを運ぶ。シエルは抱き上げられても、まだ夢の中で何か幸せそうな夢を見ているようだった。

 おやすみ、シエル。

 優しくベッドに横たえ、その頬をそっと撫でる。

 そして最後にエリナだ。エリナをお姫様抱っこし、その部屋へと向かう。そっとベッドに下ろそうとしたその時、エリナがレオンの首に回していた手を離さなかった。

「……え?」

 レオンが驚いて見ると、エリナの目が開いていた。月明かりを受けて黒曜石のように輝く瞳が、じっとレオンを見つめている。

「お、おい……起きてたのか?」

 焦るレオンに、エリナは何も答えない。ただ、レオンを見つめている。その瞳には、言葉にできないたくさんの感情が渦巻いていた。そして、静かに口を開いた。

「……不安なことがあったら、何でも私に言って?」

 その声は、いつもの強気なエリナではなく、どこか儚げで震えているようにさえ聞こえた。

「エリナ……」

 レオンがその名を呼ぶ。エリナはまっすぐにレオンの瞳を見た。月明かりが二人を照らしている。時間が止まったかのようだった。静寂の中、二人はただ見つめ合っていた。

 そして、ポロリと、エリナの瞳から一粒の涙がこぼれた。

 レオンの胸がギュッと締め付けられた。エリナが泣いている。いつも強がって、いつも凛として、誰よりも強いエリナが涙を流している。

「分かった」

 レオンは優しく頷いた。

「これからは、一人で抱え込まない。みんなを信じる」

 その言葉を聞いて、エリナの顔に小さな笑みが浮かんだ。涙を流しながらの笑顔。それはどこまでも美しかった。

「……約束よ」

 そう言いながら、エリナの顔が近づいてくる。レオンの唇へ。ゆっくりと――。

 レオンの心臓が激しく鼓動した。時間がスローモーションのように流れる。エリナの黒髪が月明かりに照らされて輝き、その瞳は閉じられ、長い睫毛が影を落としている。

 唇が近づいてくる。あとわずか数センチ。レオンの体が動かない。エリナの手がレオンの首をしっかりと掴んでいる。逃げられない。いや――逃げたくないのかもしれない。

 エリナの唇がレオンに重なろうとしたその瞬間――――。

 バァンッ!

「ちょーーっと待ったぁ!」

 勢いよく開かれたドアの向こうから、ミーシャの怒りのこもった叫びが静寂を粉々に打ち砕き、一気に三人の少女がなだれ込んできた。