(しも)() 紺号(こんごう) nekura 親友の
クス君からはコンゴーと呼ばれている。
結局、まじめで、エロくて、モテない、
普通のヒトhitoが、最後にかちを
つかむ。
hit:🎯
隣人(りんじん)と一緒に宇宙は広がり、
主人公(しゅじんこう)の生と共に時計は
右廻(まわ)りに正しく進む。
でも思い出さなくてはいけない。
()まる(みち)が残されていることを。
本当の自由は、両方の路を知ることだと
いうことを。
メが消えたことの両方の意味を。
あなたなら、きっと。
        
        スケジュール
マオー?と僕の      :表紙の絵
:鉛筆と消しゴムと原稿用紙
過去には”力”、現在は“お金”、
未来には“アイ”が必要不可欠になります。
高校1年生1―3  
H=叡智(えいち)=エッチは世界を(すく)う。
主人公=1クラスに40分の1の確率で
存在するマドンナに、
健全(けんぜん)なる妄想(もうそう)(いだ)いている男の子。
身長159cm。体重55kg。
マドンナ
:オリヴィア・O・ループ
:トクジョ‐のサイジョ‐
:イツモクール
:真っ白な肌
:銀色の髪
:エルフ系美少女の可愛い系
:身長170cm。体重53kg。
教室の机の上の(デンシペーパー)
上に、名前 霜辺 紺号
テスト:ゲノム情報っぽい図。
テストは白紙(はくし)
電子ペーパーは電子カンニング対策が
(ほどこ)されている。
【問1】√2の存在を証明しなさい。
悪魔の証明のようで、電子的には
難しくない(†1。
屋上で眼鏡に(うつ)ったマドンナを
ドローイングしているオトコの子。
”消しゴム”で消しながら()き直す。
マオーは長さ13.8cm、直径3.3cm。
まあまあ(うわ)()っている、硬度(こうど)はりんご。
つまり、世間一般にすれば
()みの(じょう)である。
マンガを()いている、
()()思案(じあん)陰気(いんき)どスケベ。
いつもこそこそとマドンナを観察(かんさつ)
(ドローイングニヤニヤ)している。
性格は真面目(犯罪は(おか)さない)で
めがね君でボブカットが似合う可愛い系。

マドンナの(まる)っぱいを()(くわ)えてみる。

ぷるるん 顔が赤い 
()が二やついている(変態の眼付(めつき))。

(おれ)はもっと大きい方が(この)みだな」
マオーをシズメロよ

「おわぁぁぁ」

友人はクラスに親友(かれ)が1人だけ。
小学校からの(くさ)(えん)
ラファエ口・サンティみたいな
(しん)美男(びなん)で、成績は超優(ちょうゆう)
ベンキョウしなくても
ヴォイ二ッチ手稿(しゅこう)翻訳(ほんやく)できる。
絵がうまい。
ウマすぎるくらいにうまい。
そして社交的。
モテル。マドンナとも良く話す。
背が高い。カッコイイ。
(きわ)めつけに(ちょう)かねもち。

「せめて1問くらい()いてから
出てけよ?」
1問目なんて(まる)かきゃいいだけだろ?

「だって、(わか)かんないんだもん」

・・・、「あっそ」

「じゃあ、今回も俺の勝ちでいいな~」
にま。

「次の3ページの背景よろしくー」

下唇(したくちびる)を出す。
落ちた消しゴムを(ひろ)う。

コツコツと、背景を描いている霜辺。
ある日の夕暮れ 小部屋でマンガの
背景を描いていた主人公(しもべ)は、
教室に忘れ物を取りにゆき、
同じクラスの女子のヒミツを見てしまう。

ん?何だコレ。

ŌŌ㋮ ぁぃ(。・ω・。)ノ♡
オーマ アイ・・

ギャル・・・金髪(きんぱつ)碧眼(へきがん)(せい)(りょく)
・・・薄黒(うすぐら)(はだ)
エジプティックギャル・・・

3人で話している姿を思い浮かべる。
身長高い 185cm おしゃれ。

でも、何となくブス?な3人。

スケジュール(ちょう) ーun lockー

女子のスケジュール帳
やないですかーーーッ

しかも、ロック()かってない!!!

瞬間(しゅんかん)、手に取って(ひら)きかけて、
どきどきどき

あ、いやいやいや

プライバシーの侵害(しんがい)=犯罪=刑務所(けいむしょ)
(時計仕掛(じか)けの〇レンジ
:けつチェック)

強制(きょうせい)(めん)(たま)の刑⇒治療(ちりょう)完了(かんりょう)
完璧に治らなかったわ♪㋢㋬っ。

い、いやだーーーっひぃぃぃ 

といいつつ、

でも、

本物の女子のスケジュール帳って
どんな事書いて()るんだろ。

キョーミしんしん。

な、(なま)情報(じょうほう)

ごくり めらんらん。

いや、マンガ(後学(こうがく))のため、
マンガ(後学(こうがく))のためなのよ。

目がまたいやらしい眼付。
眼鏡を録画に変える。
写真がはらりと。

ん?

昔のお遊戯会(ゆうぎかい)の写真

「あっ、なつかしーーー。」

はじっこ 霜辺≪消しゴム役≫
端っこ 背が高い女の子≪鉛筆役≫

って、ノスタルジーは置いておいて、

では、・・な、なまのじょうほうを
はぁはぁ (inform(インフォーム) inform(インフォーム)) 
どきどきどき、とハナを
(ふく)らませながら

スケジュール帳 OPEN

 8月22日21時12分 大雪.

ぱら・・・ ん?

前のページに戻って
何か思い出した後、

ぱら、ん? パラ ン? para nn--??

スケジュール帳であることを確認。
日記帳では無い。

ぱらぱらぱらpらpらppら
ppらppら、
あるページ ピタ (かた)まる。
驚愕(きょうがく)して、汗がたらたら
(したた)り落ちる。




オイ
ビックウウ

振り向くと、そこには身長185cmの
エジプティックギャル。

「あッ、オーマさん いや、これは、
あ、ごめん、ぼく、マンガです 
じゃなくて 後学(こうがく)のために
甘んじたわけで、いや、」

「ぜったいに」

「絶対に(だれ)にもいうな。()ったら、
あんた、()されるよ」 

真剣(しんけん)なまなざし 真面目(まじめ)な顔で。
オーマさんは言った。
僕の(あご)から5滴目の汗が
()れ落ちたのがわかる――

「誰に・・?」
消しゴム役の霜辺の写真

(ひとみ)(にじ)(いろ)(ひか)った気がした。

にっ (がお)をするオーマさん (くち)ぱく


あくる日 休み。
マンガを描いている二人。
 扇風機(せんぷうき) アイス
(レモンミルク棒練乳(れんにゅう)多め)
ミ―――ン ミンミンミン 
ミー―――――ン

「あのさぁ」

親友に、ふといいそうになる。
消されるよ?を思い出して()えて

「あ、今日、雪が()るかもナァ
なーんて」ハハハ 
快青の青空。
みーん みんみんミン
---ビビビビッ

「ああ。雪、ね」と親友。

「バかァ ふるかよ んなもん。
 ふったら荻藁(おぉぎぃ)先生の(まぼろし)(かん)
時価(じか)つけられんやつ》
やるわ。アイスもな」

「その代わり、降らなかったら、
2日間でこの15ページの仕上げね。
ひとりで」

「え”ッ?」

夜:・・・・・。

「オイ、マジか、親友」
大雪が降る。

主人公:(かな)しい真面目な顔で
雪が降るのを観ている。
ポリん!、マンガ本のデータが
送られてくる5051枚。
いい、めちゃんこすごいい。
興奮(こうふん)! (ふん)(こう)! まーくサイコウ!
(萩藁先生ダーサンズイュ風)
しゃッ シャッ ・・・
雪が降る中、ベランダで録画(ろくが)した
写真を見ている主人公。
魔王:ノレシファー挿入

はぁーあ うな垂れる主人公。

休み明けから、シモベ(あつか)いしてくる
オーマさん。
ばしーーん びっくう

「おっはよ  シモべ♡」 にっ

直立(ちょくりつ)して固まる。
眼鏡(めがね)がずれている。
そんなシモベのシモを見つめながら、
3人で、
「おシモ」:(あか)バネさん、
「お下部(しもべ)」:音子(おとこ)さん、
「〇千`ノ千`ノ」:オーマさん 
ぎゃははは モチアゲアゲポーズ
3人同時に。
ぎゃはぎゃhははh
いいながら笑いながら先を
歩いていく。
-_-
・・・・。じんじん。するせなか。
話しかけられて(うれ)しい霜辺。

コレ、ヒトの心に無断(むだん)土足(どそく)
入ってくるってやつ。

漫画でよく見るやつだ。

体験できるとは。感無量(かんむりょう)。
じーん。。

眼で追うようになる。

いままで気付かなかったけど、
オーマさん、

いや、実はなんだか、
すごくめちゃくちゃ可愛(かわい)いぞ。顔。

夏の朝 おっはよーーっ ばしーー
同じような朝。

ぎゃははっは

笑ってばかりいる オーマさん。

それにしても

いつも 笑ってるよなァ

アッち― 仰いでいる ぶるるん
ぶるるんと 胸に眼が行く タコの顔。
オーマさんと眼が合う。
(あわ)ててずれてもない眼鏡を(ただ)す。
いつの間にかマドンナへの妄執(もうしゅう)
なくなっていた。

親友:
「お前、最近オリオリ言わなく
なったな?」

「え?」

(かお)体型(たいけい)性格(せいかく)
変わりすぎだろ?
シンキャラじゃねーんだぞ?」

グラマラスなGAL(ぎゃる)になってる
エルフの(ひめ)
絵に出てきている
(主人公のアイする女性の顔が
変わってしまっている。
:笑顔が多くなっている)

「ごめんu_u。、()きなおすから」
必死(ひっし)

親友:・・・。

少し微笑(ほほえ)む感じで。
「あッ おい、バカ、けすんじゃねぇ」

眼鏡で録画した写真を()てる霜辺。
スケジュール帳に描かれた
4015年38月22日
(ここで舞台(ぶたい)が地球ではない
事が分かる)  
巨大な星・早い自転。
21時12分 大雪.
地球時間で表示すると何倍にもなる。
星間(せいかん)時計=重力を元に進むスピードが
自動調整されている。
時計仕掛けの光子箱(こうしばこ)理論を元に
(つく)られた時計。
この時計の制作者は、
こう言い残している。

二人の偉大(いだい)なる討論者(とうろんしゃ)
気にかけたとおり、光は我々(われわれ)にとって
(つね)(びょう)(どう)であり、宇宙(うちゅう)にとっても
常に平等であった。と。

しゃッ シャッ と写真をスライド。

4015年41月65日26時14分
宇宙(うちゅう)消滅(しょうめつ).
以降白紙。
なんとなく消しゴムを(なが)めながら、
雪は降るフル 降り()もる。
ぼっふん

「いや、ペンは真実(しんじつ)より(つよ)しとか、
うさぎ戦記(せんき)じゃないんだから」

と、ベッドに仰向(あおむ)けになって、
(ひと)(ごと)

彼女のスケジュールは、
現実になるのだろうか

それとも、彼女の、あるいは、僕の、
(ただ)妄想(もうそう)なのだろうか

誰かに相談するべきか、
それとも(だま)っておくべきか

僕も、宇宙も、()えるのか、
それとも、()えないのか

信じるのか、信じないのか―――

笑顔のオーマさん。

明日、全部 聞いてやる、
聞いてやるぞ。

「でも、今日までの天気、
ぜんぶ()たってんだよナァ」

1-35 教室のプラ番号。
500人がひしめくクラス内。
いつもどおりの3人の女性たち。
いつもどおり、窓辺(まどべ)でたむろっている
中に勇気を出して聞きにいく。
いつもどおり、窓の(さん)に座って2人と
話しているオーマさん。
「オーマさん」小声。

「あの・・ オーマさん!!!」小声。

 ―――

「えっ (しろ)い日?別に予定もないし、
ウチ来てもいいけど、全部シモベの
おごりね?」

piッ ーtabemono listー

「あと、ゴム忘れちゃ駄目よ。💛」
ウインク

オーーーっ  (まわ)りの2人のギャル
 
―_―

「は?」 

タコになった霜辺。
ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ
3人の腕時計が予鈴(よれい)を知らせる。
同じ足の出し方で、
ちゃっちゃっちゃと歩いてゆく3人。

「あんなネクラのどこがイイのぉーー」

遠くから聞こえる。

「ヲンキチの方が絶対イイじゃん~」
キャハハハ

ドキドキドキドキ している霜辺

ちゃーーんす エロい()になっている。

   じゃないよまったく、
気になってること全部聞くんじゃ
なかったのかい?:欄外(らんがい)

持ち上げてぇーーーー
バッカァ 貯金箱割る主人公
昔、マンガ賞で得た賞金チップ
500万円分。
唯一(ゆいいつ)の賞金 ごくり。決意(けつい)した目。
4015年38月24日
存在(そんざい)ショートカットを使って、移動。
いろんな星でショッピング。
サイト九条(くじょう)にぎり寿司
(100万円分)と、
飲み物となんか
(クス君から云われていたものを)
とか買って、
彼女のうちへ 普通のアパート。
シャワーを浴びて出てきたオーマさま。 
「あ、入って?」 

ごくり

ほんわぁ いいにおいです。
それだけで、感無量(かんむりょう)です。

今日、同居人、いません。2人きりです。
ああ、どうしよう。
一応買ってはキタけれど。

(うっす)麿(まろ)麿(まろ)くん 0.0001㎜。

「やぁん♡ (すご)いイィ 
美味(おい)しソーーーーっ」 
眼が♡になっているオーマさん
舌を動かす。
それを観てボー―とするシモベ。

星 セイなる夜 白い夜 彼女の家
しんしんと積もる雪。2人きり。
美味(うま)そうにサイト九条寿司を
ほおばるオーマさん あがり、を
堪能(たんのう)して満足(まんぞく)()である。
満腹(まんぷく)
一方霜辺君はといいますと、
あ、Oっぱいが()れそうです。
あぶない あっ
あんなことやそんなことばかりが
気になって仕方のない様子。

あン ―――
あっ、ふぅっ

(なまめ)かしい声が部屋に(ひび)(わた)る。 
・・・:霜辺 口を大きく開けて、
壁を観《み》ru。

「まぁ、お(となり)さん、
愛し合ってるからねぇ」 にこにこ

下を向くシモベ。
ア19191919
まだ12チャダメダ4
ジャ12カ1ヌク4
メ219リ7メマス882 882 
aaっ aaっ iiッ Uuッ
上を向く魔王(まおう)。下を向いている霜辺。

「あのッ オーマさんッ」

カチカチ山を(おさ)えながら立ち上がり、
しゃッ、とカーテンを引いて
正座して、

「これ。」ばらららら
天気当たり当たりアタリあたり
🎯 宇宙の消滅。

写真を見せて、

「き、消える前に、あ、あの、あ、
えっち、いや、え・・・Hなことも
ちょこっとだけ、

・・・いや、い、いっぱいおっぱい
したいっぱいんです」

「だから、ぼくと、つっつ、つっつっ
 つっつ、つっつっ つきあって、
もらえませんか」

駄目(だめ)かな。駄目(だめ)ですか?」

あれ? なんでこんなこと
これでいいんだっけ。

赤くなるエジプティック女子
下唇(したくちびる)を出す。
ずいっと近づいて来て
グラマラスが当たる むに

ンほあ 鼻息(はないき)(あら)くなる
ふんふんふんふんふんッ

じ・・・無言(むごん)で眼をミツメてくル。
顔が真っ赤なシモベの正面を横切り、

「ゴム、持ってきた?」 

左耳の(そば)で、なでるように(ささや)く。
ぷぁあぁあ と鼻血がでて、
は、は、はーーーいい 
はい はい はい と
メいっぱい(うなづ)く。

その瞬間 僕は 昇天(しょうてん) 
ではなく 降魔(coma) した

霜辺、眼が、ドロドロと、()ける?
真っ暗になる。
幻の悪魔(魔王(まおう):ノレシファー)が
契約書(けいやくしょ)を持って読み始める。
(後ろ姿全裸でびったんびったん
:欄外:ん?)

(なんじ)()(ぼく)となりて、
(まなこ)となることを(ちか)うか?』

真っ暗

「ア・あ、a,ーーー、アーー、
ん? (ちか)います?。」

マイクのテスト中のような感じで
自分の存在を確かめるように
夢見(ゆめみ)心地(ごこち)で声を出す。

『今、汝のiは、我がアイとなった』

目の前に(あらわ)れる
()じらいのオーマさん
神々(こうごう)しい。

『では♡、誓いのキスを。』

口を大きく開ける霜辺。
完全(クチ)口臭(クサ)口内(マジ)()除去(エ―ル)スプレーを
霜辺に吹きかけるオーマさん。

あ、マナー。

ムムムゥ 唇をムニムニさせる霜辺。
舌をレロレロさせている霜辺。

・・・ぴこん。 でこピン。

ハっ 眼を覚ます シモベ。
左眼の色が赤に変わっている。
顔には鼻血が付いている
左目から血が出ている?(†2
鼻血が付いているのか。
目の前の、なまめかしい
オーマさんの顔。

「iiよ ♡」

髪を耳にかけながら
照れる。ハニカム。

いい。 

笑顔が、 かわいい。

あ・・・。

ありがとう クリスマス
モーーーニング!。
(クリスマスモーニングは
世界中の子供たちが楽しみに
している時間です。)

「じゃあ、ゴム出して。💛」



―――
そう。ここまでが、無料で読める部分だった。
「はん?こんなんに1000万?
そんな馬鹿な人間、いないね。」
と、口に出しつつ、
バッドエンドなんて流石に、ないよな・・・、
と、いつも通りのハッピーな頭で考える。
それに、マリッジチェーンに∩AIが入ってない。
=完全にオリジナルな作品だ。
物語を途中で空白にすることで、
学習を無効化して、宝箱にすることにも成功してる。
せつな、
驚くことに、直ぐに検索した自分がいた。
「ホントに売ってる」
よく利用する有名なオークションサイトで、
1000万円ジャスト即決のみで。
まあ、当然ながら、落札はされていない。
この小説が載ったのが、・・・2日前の14:14か。
まったくイイねもつけられてないし、コメントもない。
読んだ人間が0ではないとは思うが…
マニアックなサイトだからな。
初投稿のようだし、もしかしたら。
だれにも、読まれてない可能性も、0ではない。
タブをカチカチ切り替えながら、そんなことを
ぶつぶつとつぶやく。
うーん。
全く伏字になってないヱ口要素。
まるっぱい?、おせんてんのせんてんの・・
お、おッ、おせって、云いにくいなッ!
星間時計?
空間ショーっと?なんだっけ、
あ、存在ショートカットだった、何の説明もないし、
技術要素ゼロだし。
地球じゃない星とか、どーやって移動したの。
何で住めてるの?
4015年とか、あ、GJ 1214 bとか行けちゃったとか?
フフフ。
完全口臭口内菌除去スプレー、あ、マナー、とか、
くくく・・
ありがとう クリスマスモー――ニング!。
とかさぁ!、やめてよ。
宇宙の消滅するスケジュール、とかさ
宇宙が消滅しないハッピーエンド・・・とか、
こんなん、誰でも、だれでも、ダレデモ・・・
思いつくか?
少なくとも、こんなマニアックなサイトまで来て、
未踏のハッピーエンドを探してる滑稽な人間には無理だ。
もし、
もしも、本当に、まだ、誰も読んでいないとしたら。

―この物語のハッピーエンドを独占できるかもしれない。

ゾクゾク
いままで味わったことのない鳥肌が立つ。
1000万円。お金の都合はつく。
おやじの遺産700万円と2日前に満期を迎えた
定期預金の500万円が普通口座に入っている。
じゃぶじゃぶと使って、知の独占欲に浸りつくせばいい。
そう。都合はつく。つくが、
それは、それでは、ただの強欲だ。
自分には、このシロネコを食わせてゆく義務がある。
ここで、自分だけのために、金を浪費するわけには
いかないのだ。
コタツに突っ込まれた足を組みなおし、
隣で丸くなっている肉球と尻尾が虹色の子猫に
眼を向ける。

うるせぇぞ! ドン.

隣の部屋の飲んだくれのじいさんが、
いつものように、壁を蹴っている。
ごめんなさい、といつものように、何も悪くないのに
ぼそぼそと謝りの返事を入れる。
そして、
ああ、明日、もし明日逝くと分かっているなら、
酒を見て、目を赤子のように輝かせる老人のように
素直になれるのに、自由になれるのに。と、
毒々しい感傷に浸りながら、
もう一度、初めから1000万円の物語を読みなおした。

バッドエンドの可能性を限りなく否定し続けながら、
トイレに立ち、ぶるぶると(のこ)小水(こみず)を落とし切り、
ツンと香る便器から顔を上げ、
開いた小窓からしんしんと降る雪が見えたその瞬間、
午前0時3分、ピンときた。

待て。
転売、という手がある。
今、この場で購入し、それを作者の許可の元、
1000万円で販売するのだ。
作者は、何の痛手もなく、カネを手にし、
おやじの遺産も貯金も減ることなく、
作品の結末を知ることが出来る。
最高の方法じゃないか。
いや、いや、待て。
1000万円では、作品への敬意が全くなくなってしまう。
せめて、半分の500万くらいなら・・・。
おやじの遺産も丸々残る。
そうだ。1000万円だぞ。
1000円じゃないんだ。作者に相談すれば、
それくらい許されるはずだ。
なんなら、もともと、この作者だって、
2000万で買ったものを
出してるのかもしれない!

iiよ、買ってやる、買おうじゃないか!

意気揚々と、煌々奮々と、
27インチの前に座り直した頭の中に、
目の前の、即決価格で落札するの文字が、
するりと入り込む。

カーソルをボタンの上に持ってゆく。
マウス左クリックの上方8mmの位置にある
右手の人差し指が震えている。

買ーえ 買ーえ 買ーえ 買ーえ

買うな 買うな 買うな 買うな

・・・・ちくしょう。
買え、買うな、と
せめぎあってるおまえらは、なんなんだ。
ああッ、おせよ、はやくっ、
クリックしろ。
ハッピーエンどマニアなら!

・・・。

だめだ。出来ない。
ナゼ…押せないんだ…。
おやじの、先祖のノロイか…?バッと、
振り返る。んな理由(わけ)ない。
臆病なだけだ。
それとも違う。
堅実だから?
ノンノンそれは無い。
何故か、まるで、これを、クリックすると、
バッドエンドになるような…
バカか!そんなわけあるか、そんな…
脳内に、突然湧き上がるデジャヴ。
あ"あああ
うるせえ ドン.

結局買わなかった、買えなかった、あの夜の、
2日後の朝、落札の2文字が眼に入る。
こうして、突如現れ、我が人生にして
最大の興奮と我慢を味わわせてくれた
キセキの物語は、運命に導かれるままに幕を閉じた。

落札者は、知の独占欲にまみれた老人だろうか
落札者は、儲け話の上手い若者だろうか
落札者は、ハッピーエンドを夢見るこどもだろうか
いや、落札者は、ハッピーエンドマニアらしい。
世界に公開された、
この話のラストシーンは…