霜辺 紺号 nekura 親友の
クス君からはコンゴーと呼ばれている。
結局、まじめで、エロくて、モテない、
普通のヒトhitoが、最後にかちを
つかむ。
hit:🎯
隣人と一緒に宇宙は広がり、
主人公の生と共に時計は
右廻りに正しく進む。
でも思い出さなくてはいけない。
止まる路が残されていることを。
本当の自由は、両方の路を知ることだと
いうことを。
メが消えたことの両方の意味を。
あなたなら、きっと。
スケジュール
マオー?と僕の :表紙の絵
:鉛筆と消しゴムと原稿用紙
過去には”力”、現在は“お金”、
未来には“アイ”が必要不可欠になります。
高校1年生1―3
H=叡智=エッチは世界を掬う。
主人公=1クラスに40分の1の確率で
存在するマドンナに、
健全なる妄想を抱いている男の子。
身長159cm。体重55kg。
マドンナ
:オリヴィア・O・ループ
:トクジョ‐のサイジョ‐
:イツモクール
:真っ白な肌
:銀色の髪
:エルフ系美少女の可愛い系
:身長170cm。体重53kg。
教室の机の上の紙の
上に、名前 霜辺 紺号
テスト:ゲノム情報っぽい図。
テストは白紙。
電子ペーパーは電子カンニング対策が
施されている。
【問1】√2の存在を証明しなさい。
悪魔の証明のようで、電子的には
難しくない(†1。
屋上で眼鏡に映ったマドンナを
ドローイングしているオトコの子。
”消しゴム”で消しながら描き直す。
マオーは長さ13.8cm、直径3.3cm。
まあまあ上反っている、硬度はりんご。
つまり、世間一般にすれば
並みの上である。
マンガを描いている、
引っ込み思案の陰気どスケベ。
いつもこそこそとマドンナを観察
(ドローイングニヤニヤ)している。
性格は真面目(犯罪は犯さない)で
めがね君でボブカットが似合う可愛い系。
マドンナの〇っぱいを描き加えてみる。
ぷるるん 顔が赤い
眼が二やついている(変態の眼付)。
「俺はもっと大きい方が好みだな」
マオーをシズメロよ
「おわぁぁぁ」
友人はクラスに親友が1人だけ。
小学校からの腐れ縁。
ラファエ口・サンティみたいな
審美男で、成績は超優。
ベンキョウしなくても
ヴォイ二ッチ手稿の翻訳できる。
絵がうまい。
ウマすぎるくらいにうまい。
そして社交的。
モテル。マドンナとも良く話す。
背が高い。カッコイイ。
極めつけに兆かねもち。
「せめて1問くらい解いてから
出てけよ?」
1問目なんて〇かきゃいいだけだろ?
「だって、解かんないんだもん」
・・・、「あっそ」
「じゃあ、今回も俺の勝ちでいいな~」
にま。
「次の3ページの背景よろしくー」
下唇を出す。
落ちた消しゴムを拾う。
コツコツと、背景を描いている霜辺。
ある日の夕暮れ 小部屋でマンガの
背景を描いていた主人公は、
教室に忘れ物を取りにゆき、
同じクラスの女子のヒミツを見てしまう。
ん?何だコレ。
ŌŌ㋮ ぁぃ(。・ω・。)ノ♡
オーマ アイ・・
ギャル・・・金髪碧眼《青と緑》
・・・薄黒い肌の
エジプティックギャル・・・
3人で話している姿を思い浮かべる。
身長高い 185cm おしゃれ。
でも、何となくブス?な3人。
スケジュール帳 ーun lockー
女子のスケジュール帳
やないですかーーーッ
しかも、ロック掛かってない!!!
瞬間、手に取って開きかけて、
どきどきどき
あ、いやいやいや
プライバシーの侵害=犯罪=刑務所
(時計仕掛けの〇レンジ
:けつチェック)
=強制面玉の刑⇒治療完了♪
完璧に治らなかったわ♪㋢㋬っ。
い、いやだーーーっひぃぃぃ
といいつつ、
でも、
本物の女子のスケジュール帳って
どんな事書いて在るんだろ。
キョーミしんしん。
な、生情報。
ごくり めらんらん。
いや、マンガ(後学)のため、
マンガ(後学)のためなのよ。
目がまたいやらしい眼付。
眼鏡を録画に変える。
写真がはらりと。
ん?
昔のお遊戯会の写真
「あっ、なつかしーーー。」
はじっこ 霜辺≪消しゴム役≫
端っこ 背が高い女の子≪鉛筆役≫
って、ノスタルジーは置いておいて、
では、・・な、なまのじょうほうを
はぁはぁ (inform inform)
どきどきどき、とハナを
膨らませながら
スケジュール帳 OPEN
8月22日21時12分 大雪.
ぱら・・・ ん?
前のページに戻って
何か思い出した後、
ぱら、ん? パラ ン? para nn--??
スケジュール帳であることを確認。
日記帳では無い。
ぱらぱらぱらpらpらppら
ppらppら、
あるページ ピタ 固まる。
驚愕して、汗がたらたら
滴り落ちる。
オイ
ビックウウ
振り向くと、そこには身長185cmの
エジプティックギャル。
「あッ、オーマさん いや、これは、
あ、ごめん、ぼく、マンガです
じゃなくて 後学のために
甘んじたわけで、いや、」
「ぜったいに」
「絶対に誰にもいうな。云ったら、
あんた、消されるよ」
真剣なまなざし 真面目な顔で。
オーマさんは言った。
僕の顎から5滴目の汗が
垂れ落ちたのがわかる――
「誰に・・?」
消しゴム役の霜辺の写真
瞳が虹色に光った気がした。
にっ 顔をするオーマさん 口ぱく
あくる日 休み。
マンガを描いている二人。
扇風機 アイス
(レモンミルク棒練乳多め)
ミ―――ン ミンミンミン
ミー―――――ン
「あのさぁ」
親友に、ふといいそうになる。
消されるよ?を思い出して堪えて
「あ、今日、雪が降るかもナァ
なーんて」ハハハ
快青の青空。
みーん みんみんミン
---ビビビビッ
「ああ。雪、ね」と親友。
「バかァ ふるかよ んなもん。
ふったら荻藁先生の幻の巻
《時価つけられんやつ》
やるわ。アイスもな」
「その代わり、降らなかったら、
2日間でこの15ページの仕上げね。
ひとりで」
「え”ッ?」
夜:・・・・・。
「オイ、マジか、親友」
大雪が降る。
主人公:哀しい真面目な顔で
雪が降るのを観ている。
ポリん!、マンガ本のデータが
送られてくる5051枚。
いい、めちゃんこすごいい。
興奮! 奮興! まーくサイコウ!
(萩藁先生ダーサンズイュ風)
しゃッ シャッ ・・・
雪が降る中、ベランダで録画した
写真を見ている主人公。
魔王:ノレシファー挿入
はぁーあ うな垂れる主人公。
休み明けから、シモベ扱いしてくる
オーマさん。
ばしーーん びっくう
「おっはよ シモべ♡」 にっ
直立して固まる。
眼鏡がずれている。
そんなシモベのシモを見つめながら、
3人で、
「おシモ」:赤バネさん、
「お下部」:音子さん、
「〇千`ノ千`ノ」:オーマさん
ぎゃははは モチアゲアゲポーズ
3人同時に。
ぎゃはぎゃhははh
いいながら笑いながら先を
歩いていく。
-_-
・・・・。じんじん。するせなか。
話しかけられて嬉しい霜辺。
コレ、ヒトの心に無断で土足で
入ってくるってやつ。
漫画でよく見るやつだ。
体験できるとは。感無量(かんむりょう)。
じーん。。
眼で追うようになる。
いままで気付かなかったけど、
オーマさん、
いや、実はなんだか、
すごくめちゃくちゃ可愛いぞ。顔。
夏の朝 おっはよーーっ ばしーー
同じような朝。
ぎゃははっは
笑ってばかりいる オーマさん。
それにしても
いつも 笑ってるよなァ
アッち― 仰いでいる ぶるるん
ぶるるんと 胸に眼が行く タコの顔。
オーマさんと眼が合う。
慌ててずれてもない眼鏡を直す。
いつの間にかマドンナへの妄執は
なくなっていた。
親友:
「お前、最近オリオリ言わなく
なったな?」
「え?」
「顔。体型。性格。
変わりすぎだろ?
シンキャラじゃねーんだぞ?」
グラマラスなGALになってる
エルフの姫。
絵に出てきている
(主人公のアイする女性の顔が
変わってしまっている。
:笑顔が多くなっている)
「ごめんu_u。、描きなおすから」
:必死。
親友:・・・。
少し微笑む感じで。
「あッ おい、バカ、けすんじゃねぇ」
眼鏡で録画した写真を観てる霜辺。
スケジュール帳に描かれた
4015年38月22日
(ここで舞台が地球ではない
事が分かる)
巨大な星・早い自転。
21時12分 大雪.
地球時間で表示すると何倍にもなる。
星間時計=重力を元に進むスピードが
自動調整されている。
時計仕掛けの光子箱理論を元に
造られた時計。
この時計の制作者は、
こう言い残している。
二人の偉大なる討論者が
気にかけたとおり、光は我々にとって
常に平等であり、宇宙にとっても
常に平等であった。と。
しゃッ シャッ と写真をスライド。
4015年41月65日26時14分
宇宙の消滅.
以降白紙。
なんとなく消しゴムを眺めながら、
雪は降るフル 降り積もる。
ぼっふん
「いや、ペンは真実より強しとか、
うさぎ戦記じゃないんだから」
と、ベッドに仰向けになって、
独り言。
彼女のスケジュールは、
現実になるのだろうか
それとも、彼女の、あるいは、僕の、
唯の妄想なのだろうか
誰かに相談するべきか、
それとも黙っておくべきか
僕も、宇宙も、消えるのか、
それとも、消えないのか
信じるのか、信じないのか―――
笑顔のオーマさん。
明日、全部 聞いてやる、
聞いてやるぞ。
「でも、今日までの天気、
ぜんぶ当たってんだよナァ」
1-35 教室のプラ番号。
500人がひしめくクラス内。
いつもどおりの3人の女性たち。
いつもどおり、窓辺でたむろっている
中に勇気を出して聞きにいく。
いつもどおり、窓の桟に座って2人と
話しているオーマさん。
「オーマさん」小声。
「あの・・ オーマさん!!!」小声。
―――
「えっ 白い日?別に予定もないし、
ウチ来てもいいけど、全部シモベの
おごりね?」
piッ ーtabemono listー
「あと、ゴム忘れちゃ駄目よ。💛」
ウインク
オーーーっ 周りの2人のギャル
―_―
「は?」
タコになった霜辺。
ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ
3人の腕時計が予鈴を知らせる。
同じ足の出し方で、
ちゃっちゃっちゃと歩いてゆく3人。
「あんなネクラのどこがイイのぉーー」
遠くから聞こえる。
「ヲンキチの方が絶対イイじゃん~」
キャハハハ
ドキドキドキドキ している霜辺
ちゃーーんす エロい眼になっている。
じゃないよまったく、
気になってること全部聞くんじゃ
なかったのかい?:欄外
持ち上げてぇーーーー
バッカァ 貯金箱割る主人公
昔、マンガ賞で得た賞金チップ
500万円分。
唯一の賞金 ごくり。決意した目。
4015年38月24日
存在ショートカットを使って、移動。
いろんな星でショッピング。
サイト九条にぎり寿司
(100万円分)と、
飲み物となんか
(クス君から云われていたものを)
とか買って、
彼女のうちへ 普通のアパート。
シャワーを浴びて出てきたオーマさま。
「あ、入って?」
ごくり
ほんわぁ いいにおいです。
それだけで、感無量(かんむりょう)です。
今日、同居人、いません。2人きりです。
ああ、どうしよう。
一応買ってはキタけれど。
薄!麿麿くん 0.0001㎜。
「やぁん♡ 凄いイィ
美味しソーーーーっ」
眼が♡になっているオーマさん
舌を動かす。
それを観てボー―とするシモベ。
星 セイなる夜 白い夜 彼女の家
しんしんと積もる雪。2人きり。
美味そうにサイト九条寿司を
ほおばるオーマさん あがり、を
堪能して満足気である。
満腹。
一方霜辺君はといいますと、
あ、Oっぱいが漏れそうです。
あぶない あっ
あんなことやそんなことばかりが
気になって仕方のない様子。
あン ―――
あっ、ふぅっ
艶かしい声が部屋に響き渡る。
・・・:霜辺 口を大きく開けて、
壁を観《み》ru。
「まぁ、お隣さん、
愛し合ってるからねぇ」 にこにこ
下を向くシモベ。
ア19191919
まだ12チャダメダ4
ジャ12カ1ヌク4
メ219リ7メマス882 882
aaっ aaっ iiッ Uuッ
上を向く魔王。下を向いている霜辺。
「あのッ オーマさんッ」
カチカチ山を抑えながら立ち上がり、
しゃッ、とカーテンを引いて
正座して、
「これ。」ばらららら
天気当たり当たりアタリあたり
🎯 宇宙の消滅。
写真を見せて、
「き、消える前に、あ、あの、あ、
えっち、いや、え・・・Hなことも
ちょこっとだけ、
・・・いや、い、いっぱいおっぱい
したいっぱいんです」
「だから、ぼくと、つっつ、つっつっ
つっつ、つっつっ つきあって、
もらえませんか」
「駄目かな。駄目ですか?」
あれ? なんでこんなこと
これでいいんだっけ。
赤くなるエジプティック女子
下唇を出す。
ずいっと近づいて来て
グラマラスが当たる むに
ンほあ 鼻息が荒くなる
ふんふんふんふんふんッ
じ・・・無言で眼をミツメてくル。
顔が真っ赤なシモベの正面を横切り、
「ゴム、持ってきた?」
左耳の傍で、なでるように囁く。
ぷぁあぁあ と鼻血がでて、
は、は、はーーーいい
はい はい はい と
メいっぱい頷く。
その瞬間 僕は 昇天
ではなく 降魔 した
霜辺、眼が、ドロドロと、溶ける?
真っ暗になる。
幻の悪魔(魔王:ノレシファー)が
契約書を持って読み始める。
(後ろ姿全裸でびったんびったん
:欄外:ん?)
『汝、我が僕となりて、
眼となることを誓うか?』
真っ暗
「ア・あ、a,ーーー、アーー、
ん? 誓います?。」
マイクのテスト中のような感じで
自分の存在を確かめるように
夢見心地で声を出す。
『今、汝のiは、我がアイとなった』
目の前に現れる
恥じらいのオーマさん
神々しい。
『では♡、誓いのキスを。』
口を大きく開ける霜辺。
完全口臭口内菌除去スプレーを
霜辺に吹きかけるオーマさん。
あ、マナー。
ムムムゥ 唇をムニムニさせる霜辺。
舌をレロレロさせている霜辺。
・・・ぴこん。 でこピン。
ハっ 眼を覚ます シモベ。
左眼の色が赤に変わっている。
顔には鼻血が付いている
左目から血が出ている?(†2
鼻血が付いているのか。
目の前の、なまめかしい
オーマさんの顔。
「iiよ ♡」
髪を耳にかけながら
照れる。ハニカム。
いい。
笑顔が、 かわいい。
あ・・・。
ありがとう クリスマス
モーーーニング!。
(クリスマスモーニングは
世界中の子供たちが楽しみに
している時間です。)
「じゃあ、ゴム出して。💛」
―――
そう。ここまでが、無料で読める部分だった。
「はん?こんなんに1000万?
そんな馬鹿な人間、いないね。」
と、口に出しつつ、
バッドエンドなんて流石に、ないよな・・・、
と、いつも通りのハッピーな頭で考える。
それに、マリッジチェーンに∩AIが入ってない。
=完全にオリジナルな作品だ。
物語を途中で空白にすることで、
学習を無効化して、宝箱にすることにも成功してる。
せつな、
驚くことに、直ぐに検索した自分がいた。
「ホントに売ってる」
よく利用する有名なオークションサイトで、
1000万円ジャスト即決のみで。
まあ、当然ながら、落札はされていない。
この小説が載ったのが、・・・2日前の14:14か。
まったくイイねもつけられてないし、コメントもない。
読んだ人間が0ではないとは思うが…
マニアックなサイトだからな。
初投稿のようだし、もしかしたら。
だれにも、読まれてない可能性も、0ではない。
タブをカチカチ切り替えながら、そんなことを
ぶつぶつとつぶやく。
うーん。
全く伏字になってないヱ口要素。
まるっぱい?、おせんてんのせんてんの・・
お、おッ、おせって、云いにくいなッ!
星間時計?
空間ショーっと?なんだっけ、
あ、存在ショートカットだった、何の説明もないし、
技術要素ゼロだし。
地球じゃない星とか、どーやって移動したの。
何で住めてるの?
4015年とか、あ、GJ 1214 bとか行けちゃったとか?
フフフ。
完全口臭口内菌除去スプレー、あ、マナー、とか、
くくく・・
ありがとう クリスマスモー――ニング!。
とかさぁ!、やめてよ。
宇宙の消滅するスケジュール、とかさ
宇宙が消滅しないハッピーエンド・・・とか、
こんなん、誰でも、だれでも、ダレデモ・・・
思いつくか?
少なくとも、こんなマニアックなサイトまで来て、
未踏のハッピーエンドを探してる滑稽な人間には無理だ。
もし、
もしも、本当に、まだ、誰も読んでいないとしたら。
―この物語のハッピーエンドを独占できるかもしれない。
ゾクゾク
いままで味わったことのない鳥肌が立つ。
1000万円。お金の都合はつく。
おやじの遺産700万円と2日前に満期を迎えた
定期預金の500万円が普通口座に入っている。
じゃぶじゃぶと使って、知の独占欲に浸りつくせばいい。
そう。都合はつく。つくが、
それは、それでは、ただの強欲だ。
自分には、このシロネコを食わせてゆく義務がある。
ここで、自分だけのために、金を浪費するわけには
いかないのだ。
コタツに突っ込まれた足を組みなおし、
隣で丸くなっている肉球と尻尾が虹色の子猫に
眼を向ける。
うるせぇぞ! ドン.
隣の部屋の飲んだくれのじいさんが、
いつものように、壁を蹴っている。
ごめんなさい、といつものように、何も悪くないのに
ぼそぼそと謝りの返事を入れる。
そして、
ああ、明日、もし明日逝くと分かっているなら、
酒を見て、目を赤子のように輝かせる老人のように
素直になれるのに、自由になれるのに。と、
毒々しい感傷に浸りながら、
もう一度、初めから1000万円の物語を読みなおした。
バッドエンドの可能性を限りなく否定し続けながら、
トイレに立ち、ぶるぶると残り小水を落とし切り、
ツンと香る便器から顔を上げ、
開いた小窓からしんしんと降る雪が見えたその瞬間、
午前0時3分、ピンときた。
待て。
転売、という手がある。
今、この場で購入し、それを作者の許可の元、
1000万円で販売するのだ。
作者は、何の痛手もなく、カネを手にし、
おやじの遺産も貯金も減ることなく、
作品の結末を知ることが出来る。
最高の方法じゃないか。
いや、いや、待て。
1000万円では、作品への敬意が全くなくなってしまう。
せめて、半分の500万くらいなら・・・。
おやじの遺産も丸々残る。
そうだ。1000万円だぞ。
1000円じゃないんだ。作者に相談すれば、
それくらい許されるはずだ。
なんなら、もともと、この作者だって、
2000万で買ったものを
出してるのかもしれない!
iiよ、買ってやる、買おうじゃないか!
意気揚々と、煌々奮々と、
27インチの前に座り直した頭の中に、
目の前の、即決価格で落札するの文字が、
するりと入り込む。
カーソルをボタンの上に持ってゆく。
マウス左クリックの上方8mmの位置にある
右手の人差し指が震えている。
買ーえ 買ーえ 買ーえ 買ーえ
買うな 買うな 買うな 買うな
・・・・ちくしょう。
買え、買うな、と
せめぎあってるおまえらは、なんなんだ。
ああッ、おせよ、はやくっ、
クリックしろ。
ハッピーエンどマニアなら!
・・・。
だめだ。出来ない。
ナゼ…押せないんだ…。
おやじの、先祖のノロイか…?バッと、
振り返る。んな理由ない。
臆病なだけだ。
それとも違う。
堅実だから?
ノンノンそれは無い。
何故か、まるで、これを、クリックすると、
バッドエンドになるような…
バカか!そんなわけあるか、そんな…
脳内に、突然湧き上がるデジャヴ。
あ"あああ
うるせえ ドン.
結局買わなかった、買えなかった、あの夜の、
2日後の朝、落札の2文字が眼に入る。
こうして、突如現れ、我が人生にして
最大の興奮と我慢を味わわせてくれた
キセキの物語は、運命に導かれるままに幕を閉じた。
落札者は、知の独占欲にまみれた老人だろうか
落札者は、儲け話の上手い若者だろうか
落札者は、ハッピーエンドを夢見るこどもだろうか
いや、落札者は、ハッピーエンドマニアらしい。
世界に公開された、
この話のラストシーンは…
クス君からはコンゴーと呼ばれている。
結局、まじめで、エロくて、モテない、
普通のヒトhitoが、最後にかちを
つかむ。
hit:🎯
隣人と一緒に宇宙は広がり、
主人公の生と共に時計は
右廻りに正しく進む。
でも思い出さなくてはいけない。
止まる路が残されていることを。
本当の自由は、両方の路を知ることだと
いうことを。
メが消えたことの両方の意味を。
あなたなら、きっと。
スケジュール
マオー?と僕の :表紙の絵
:鉛筆と消しゴムと原稿用紙
過去には”力”、現在は“お金”、
未来には“アイ”が必要不可欠になります。
高校1年生1―3
H=叡智=エッチは世界を掬う。
主人公=1クラスに40分の1の確率で
存在するマドンナに、
健全なる妄想を抱いている男の子。
身長159cm。体重55kg。
マドンナ
:オリヴィア・O・ループ
:トクジョ‐のサイジョ‐
:イツモクール
:真っ白な肌
:銀色の髪
:エルフ系美少女の可愛い系
:身長170cm。体重53kg。
教室の机の上の紙の
上に、名前 霜辺 紺号
テスト:ゲノム情報っぽい図。
テストは白紙。
電子ペーパーは電子カンニング対策が
施されている。
【問1】√2の存在を証明しなさい。
悪魔の証明のようで、電子的には
難しくない(†1。
屋上で眼鏡に映ったマドンナを
ドローイングしているオトコの子。
”消しゴム”で消しながら描き直す。
マオーは長さ13.8cm、直径3.3cm。
まあまあ上反っている、硬度はりんご。
つまり、世間一般にすれば
並みの上である。
マンガを描いている、
引っ込み思案の陰気どスケベ。
いつもこそこそとマドンナを観察
(ドローイングニヤニヤ)している。
性格は真面目(犯罪は犯さない)で
めがね君でボブカットが似合う可愛い系。
マドンナの〇っぱいを描き加えてみる。
ぷるるん 顔が赤い
眼が二やついている(変態の眼付)。
「俺はもっと大きい方が好みだな」
マオーをシズメロよ
「おわぁぁぁ」
友人はクラスに親友が1人だけ。
小学校からの腐れ縁。
ラファエ口・サンティみたいな
審美男で、成績は超優。
ベンキョウしなくても
ヴォイ二ッチ手稿の翻訳できる。
絵がうまい。
ウマすぎるくらいにうまい。
そして社交的。
モテル。マドンナとも良く話す。
背が高い。カッコイイ。
極めつけに兆かねもち。
「せめて1問くらい解いてから
出てけよ?」
1問目なんて〇かきゃいいだけだろ?
「だって、解かんないんだもん」
・・・、「あっそ」
「じゃあ、今回も俺の勝ちでいいな~」
にま。
「次の3ページの背景よろしくー」
下唇を出す。
落ちた消しゴムを拾う。
コツコツと、背景を描いている霜辺。
ある日の夕暮れ 小部屋でマンガの
背景を描いていた主人公は、
教室に忘れ物を取りにゆき、
同じクラスの女子のヒミツを見てしまう。
ん?何だコレ。
ŌŌ㋮ ぁぃ(。・ω・。)ノ♡
オーマ アイ・・
ギャル・・・金髪碧眼《青と緑》
・・・薄黒い肌の
エジプティックギャル・・・
3人で話している姿を思い浮かべる。
身長高い 185cm おしゃれ。
でも、何となくブス?な3人。
スケジュール帳 ーun lockー
女子のスケジュール帳
やないですかーーーッ
しかも、ロック掛かってない!!!
瞬間、手に取って開きかけて、
どきどきどき
あ、いやいやいや
プライバシーの侵害=犯罪=刑務所
(時計仕掛けの〇レンジ
:けつチェック)
=強制面玉の刑⇒治療完了♪
完璧に治らなかったわ♪㋢㋬っ。
い、いやだーーーっひぃぃぃ
といいつつ、
でも、
本物の女子のスケジュール帳って
どんな事書いて在るんだろ。
キョーミしんしん。
な、生情報。
ごくり めらんらん。
いや、マンガ(後学)のため、
マンガ(後学)のためなのよ。
目がまたいやらしい眼付。
眼鏡を録画に変える。
写真がはらりと。
ん?
昔のお遊戯会の写真
「あっ、なつかしーーー。」
はじっこ 霜辺≪消しゴム役≫
端っこ 背が高い女の子≪鉛筆役≫
って、ノスタルジーは置いておいて、
では、・・な、なまのじょうほうを
はぁはぁ (inform inform)
どきどきどき、とハナを
膨らませながら
スケジュール帳 OPEN
8月22日21時12分 大雪.
ぱら・・・ ん?
前のページに戻って
何か思い出した後、
ぱら、ん? パラ ン? para nn--??
スケジュール帳であることを確認。
日記帳では無い。
ぱらぱらぱらpらpらppら
ppらppら、
あるページ ピタ 固まる。
驚愕して、汗がたらたら
滴り落ちる。
オイ
ビックウウ
振り向くと、そこには身長185cmの
エジプティックギャル。
「あッ、オーマさん いや、これは、
あ、ごめん、ぼく、マンガです
じゃなくて 後学のために
甘んじたわけで、いや、」
「ぜったいに」
「絶対に誰にもいうな。云ったら、
あんた、消されるよ」
真剣なまなざし 真面目な顔で。
オーマさんは言った。
僕の顎から5滴目の汗が
垂れ落ちたのがわかる――
「誰に・・?」
消しゴム役の霜辺の写真
瞳が虹色に光った気がした。
にっ 顔をするオーマさん 口ぱく
あくる日 休み。
マンガを描いている二人。
扇風機 アイス
(レモンミルク棒練乳多め)
ミ―――ン ミンミンミン
ミー―――――ン
「あのさぁ」
親友に、ふといいそうになる。
消されるよ?を思い出して堪えて
「あ、今日、雪が降るかもナァ
なーんて」ハハハ
快青の青空。
みーん みんみんミン
---ビビビビッ
「ああ。雪、ね」と親友。
「バかァ ふるかよ んなもん。
ふったら荻藁先生の幻の巻
《時価つけられんやつ》
やるわ。アイスもな」
「その代わり、降らなかったら、
2日間でこの15ページの仕上げね。
ひとりで」
「え”ッ?」
夜:・・・・・。
「オイ、マジか、親友」
大雪が降る。
主人公:哀しい真面目な顔で
雪が降るのを観ている。
ポリん!、マンガ本のデータが
送られてくる5051枚。
いい、めちゃんこすごいい。
興奮! 奮興! まーくサイコウ!
(萩藁先生ダーサンズイュ風)
しゃッ シャッ ・・・
雪が降る中、ベランダで録画した
写真を見ている主人公。
魔王:ノレシファー挿入
はぁーあ うな垂れる主人公。
休み明けから、シモベ扱いしてくる
オーマさん。
ばしーーん びっくう
「おっはよ シモべ♡」 にっ
直立して固まる。
眼鏡がずれている。
そんなシモベのシモを見つめながら、
3人で、
「おシモ」:赤バネさん、
「お下部」:音子さん、
「〇千`ノ千`ノ」:オーマさん
ぎゃははは モチアゲアゲポーズ
3人同時に。
ぎゃはぎゃhははh
いいながら笑いながら先を
歩いていく。
-_-
・・・・。じんじん。するせなか。
話しかけられて嬉しい霜辺。
コレ、ヒトの心に無断で土足で
入ってくるってやつ。
漫画でよく見るやつだ。
体験できるとは。感無量(かんむりょう)。
じーん。。
眼で追うようになる。
いままで気付かなかったけど、
オーマさん、
いや、実はなんだか、
すごくめちゃくちゃ可愛いぞ。顔。
夏の朝 おっはよーーっ ばしーー
同じような朝。
ぎゃははっは
笑ってばかりいる オーマさん。
それにしても
いつも 笑ってるよなァ
アッち― 仰いでいる ぶるるん
ぶるるんと 胸に眼が行く タコの顔。
オーマさんと眼が合う。
慌ててずれてもない眼鏡を直す。
いつの間にかマドンナへの妄執は
なくなっていた。
親友:
「お前、最近オリオリ言わなく
なったな?」
「え?」
「顔。体型。性格。
変わりすぎだろ?
シンキャラじゃねーんだぞ?」
グラマラスなGALになってる
エルフの姫。
絵に出てきている
(主人公のアイする女性の顔が
変わってしまっている。
:笑顔が多くなっている)
「ごめんu_u。、描きなおすから」
:必死。
親友:・・・。
少し微笑む感じで。
「あッ おい、バカ、けすんじゃねぇ」
眼鏡で録画した写真を観てる霜辺。
スケジュール帳に描かれた
4015年38月22日
(ここで舞台が地球ではない
事が分かる)
巨大な星・早い自転。
21時12分 大雪.
地球時間で表示すると何倍にもなる。
星間時計=重力を元に進むスピードが
自動調整されている。
時計仕掛けの光子箱理論を元に
造られた時計。
この時計の制作者は、
こう言い残している。
二人の偉大なる討論者が
気にかけたとおり、光は我々にとって
常に平等であり、宇宙にとっても
常に平等であった。と。
しゃッ シャッ と写真をスライド。
4015年41月65日26時14分
宇宙の消滅.
以降白紙。
なんとなく消しゴムを眺めながら、
雪は降るフル 降り積もる。
ぼっふん
「いや、ペンは真実より強しとか、
うさぎ戦記じゃないんだから」
と、ベッドに仰向けになって、
独り言。
彼女のスケジュールは、
現実になるのだろうか
それとも、彼女の、あるいは、僕の、
唯の妄想なのだろうか
誰かに相談するべきか、
それとも黙っておくべきか
僕も、宇宙も、消えるのか、
それとも、消えないのか
信じるのか、信じないのか―――
笑顔のオーマさん。
明日、全部 聞いてやる、
聞いてやるぞ。
「でも、今日までの天気、
ぜんぶ当たってんだよナァ」
1-35 教室のプラ番号。
500人がひしめくクラス内。
いつもどおりの3人の女性たち。
いつもどおり、窓辺でたむろっている
中に勇気を出して聞きにいく。
いつもどおり、窓の桟に座って2人と
話しているオーマさん。
「オーマさん」小声。
「あの・・ オーマさん!!!」小声。
―――
「えっ 白い日?別に予定もないし、
ウチ来てもいいけど、全部シモベの
おごりね?」
piッ ーtabemono listー
「あと、ゴム忘れちゃ駄目よ。💛」
ウインク
オーーーっ 周りの2人のギャル
―_―
「は?」
タコになった霜辺。
ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ
3人の腕時計が予鈴を知らせる。
同じ足の出し方で、
ちゃっちゃっちゃと歩いてゆく3人。
「あんなネクラのどこがイイのぉーー」
遠くから聞こえる。
「ヲンキチの方が絶対イイじゃん~」
キャハハハ
ドキドキドキドキ している霜辺
ちゃーーんす エロい眼になっている。
じゃないよまったく、
気になってること全部聞くんじゃ
なかったのかい?:欄外
持ち上げてぇーーーー
バッカァ 貯金箱割る主人公
昔、マンガ賞で得た賞金チップ
500万円分。
唯一の賞金 ごくり。決意した目。
4015年38月24日
存在ショートカットを使って、移動。
いろんな星でショッピング。
サイト九条にぎり寿司
(100万円分)と、
飲み物となんか
(クス君から云われていたものを)
とか買って、
彼女のうちへ 普通のアパート。
シャワーを浴びて出てきたオーマさま。
「あ、入って?」
ごくり
ほんわぁ いいにおいです。
それだけで、感無量(かんむりょう)です。
今日、同居人、いません。2人きりです。
ああ、どうしよう。
一応買ってはキタけれど。
薄!麿麿くん 0.0001㎜。
「やぁん♡ 凄いイィ
美味しソーーーーっ」
眼が♡になっているオーマさん
舌を動かす。
それを観てボー―とするシモベ。
星 セイなる夜 白い夜 彼女の家
しんしんと積もる雪。2人きり。
美味そうにサイト九条寿司を
ほおばるオーマさん あがり、を
堪能して満足気である。
満腹。
一方霜辺君はといいますと、
あ、Oっぱいが漏れそうです。
あぶない あっ
あんなことやそんなことばかりが
気になって仕方のない様子。
あン ―――
あっ、ふぅっ
艶かしい声が部屋に響き渡る。
・・・:霜辺 口を大きく開けて、
壁を観《み》ru。
「まぁ、お隣さん、
愛し合ってるからねぇ」 にこにこ
下を向くシモベ。
ア19191919
まだ12チャダメダ4
ジャ12カ1ヌク4
メ219リ7メマス882 882
aaっ aaっ iiッ Uuッ
上を向く魔王。下を向いている霜辺。
「あのッ オーマさんッ」
カチカチ山を抑えながら立ち上がり、
しゃッ、とカーテンを引いて
正座して、
「これ。」ばらららら
天気当たり当たりアタリあたり
🎯 宇宙の消滅。
写真を見せて、
「き、消える前に、あ、あの、あ、
えっち、いや、え・・・Hなことも
ちょこっとだけ、
・・・いや、い、いっぱいおっぱい
したいっぱいんです」
「だから、ぼくと、つっつ、つっつっ
つっつ、つっつっ つきあって、
もらえませんか」
「駄目かな。駄目ですか?」
あれ? なんでこんなこと
これでいいんだっけ。
赤くなるエジプティック女子
下唇を出す。
ずいっと近づいて来て
グラマラスが当たる むに
ンほあ 鼻息が荒くなる
ふんふんふんふんふんッ
じ・・・無言で眼をミツメてくル。
顔が真っ赤なシモベの正面を横切り、
「ゴム、持ってきた?」
左耳の傍で、なでるように囁く。
ぷぁあぁあ と鼻血がでて、
は、は、はーーーいい
はい はい はい と
メいっぱい頷く。
その瞬間 僕は 昇天
ではなく 降魔 した
霜辺、眼が、ドロドロと、溶ける?
真っ暗になる。
幻の悪魔(魔王:ノレシファー)が
契約書を持って読み始める。
(後ろ姿全裸でびったんびったん
:欄外:ん?)
『汝、我が僕となりて、
眼となることを誓うか?』
真っ暗
「ア・あ、a,ーーー、アーー、
ん? 誓います?。」
マイクのテスト中のような感じで
自分の存在を確かめるように
夢見心地で声を出す。
『今、汝のiは、我がアイとなった』
目の前に現れる
恥じらいのオーマさん
神々しい。
『では♡、誓いのキスを。』
口を大きく開ける霜辺。
完全口臭口内菌除去スプレーを
霜辺に吹きかけるオーマさん。
あ、マナー。
ムムムゥ 唇をムニムニさせる霜辺。
舌をレロレロさせている霜辺。
・・・ぴこん。 でこピン。
ハっ 眼を覚ます シモベ。
左眼の色が赤に変わっている。
顔には鼻血が付いている
左目から血が出ている?(†2
鼻血が付いているのか。
目の前の、なまめかしい
オーマさんの顔。
「iiよ ♡」
髪を耳にかけながら
照れる。ハニカム。
いい。
笑顔が、 かわいい。
あ・・・。
ありがとう クリスマス
モーーーニング!。
(クリスマスモーニングは
世界中の子供たちが楽しみに
している時間です。)
「じゃあ、ゴム出して。💛」
―――
そう。ここまでが、無料で読める部分だった。
「はん?こんなんに1000万?
そんな馬鹿な人間、いないね。」
と、口に出しつつ、
バッドエンドなんて流石に、ないよな・・・、
と、いつも通りのハッピーな頭で考える。
それに、マリッジチェーンに∩AIが入ってない。
=完全にオリジナルな作品だ。
物語を途中で空白にすることで、
学習を無効化して、宝箱にすることにも成功してる。
せつな、
驚くことに、直ぐに検索した自分がいた。
「ホントに売ってる」
よく利用する有名なオークションサイトで、
1000万円ジャスト即決のみで。
まあ、当然ながら、落札はされていない。
この小説が載ったのが、・・・2日前の14:14か。
まったくイイねもつけられてないし、コメントもない。
読んだ人間が0ではないとは思うが…
マニアックなサイトだからな。
初投稿のようだし、もしかしたら。
だれにも、読まれてない可能性も、0ではない。
タブをカチカチ切り替えながら、そんなことを
ぶつぶつとつぶやく。
うーん。
全く伏字になってないヱ口要素。
まるっぱい?、おせんてんのせんてんの・・
お、おッ、おせって、云いにくいなッ!
星間時計?
空間ショーっと?なんだっけ、
あ、存在ショートカットだった、何の説明もないし、
技術要素ゼロだし。
地球じゃない星とか、どーやって移動したの。
何で住めてるの?
4015年とか、あ、GJ 1214 bとか行けちゃったとか?
フフフ。
完全口臭口内菌除去スプレー、あ、マナー、とか、
くくく・・
ありがとう クリスマスモー――ニング!。
とかさぁ!、やめてよ。
宇宙の消滅するスケジュール、とかさ
宇宙が消滅しないハッピーエンド・・・とか、
こんなん、誰でも、だれでも、ダレデモ・・・
思いつくか?
少なくとも、こんなマニアックなサイトまで来て、
未踏のハッピーエンドを探してる滑稽な人間には無理だ。
もし、
もしも、本当に、まだ、誰も読んでいないとしたら。
―この物語のハッピーエンドを独占できるかもしれない。
ゾクゾク
いままで味わったことのない鳥肌が立つ。
1000万円。お金の都合はつく。
おやじの遺産700万円と2日前に満期を迎えた
定期預金の500万円が普通口座に入っている。
じゃぶじゃぶと使って、知の独占欲に浸りつくせばいい。
そう。都合はつく。つくが、
それは、それでは、ただの強欲だ。
自分には、このシロネコを食わせてゆく義務がある。
ここで、自分だけのために、金を浪費するわけには
いかないのだ。
コタツに突っ込まれた足を組みなおし、
隣で丸くなっている肉球と尻尾が虹色の子猫に
眼を向ける。
うるせぇぞ! ドン.
隣の部屋の飲んだくれのじいさんが、
いつものように、壁を蹴っている。
ごめんなさい、といつものように、何も悪くないのに
ぼそぼそと謝りの返事を入れる。
そして、
ああ、明日、もし明日逝くと分かっているなら、
酒を見て、目を赤子のように輝かせる老人のように
素直になれるのに、自由になれるのに。と、
毒々しい感傷に浸りながら、
もう一度、初めから1000万円の物語を読みなおした。
バッドエンドの可能性を限りなく否定し続けながら、
トイレに立ち、ぶるぶると残り小水を落とし切り、
ツンと香る便器から顔を上げ、
開いた小窓からしんしんと降る雪が見えたその瞬間、
午前0時3分、ピンときた。
待て。
転売、という手がある。
今、この場で購入し、それを作者の許可の元、
1000万円で販売するのだ。
作者は、何の痛手もなく、カネを手にし、
おやじの遺産も貯金も減ることなく、
作品の結末を知ることが出来る。
最高の方法じゃないか。
いや、いや、待て。
1000万円では、作品への敬意が全くなくなってしまう。
せめて、半分の500万くらいなら・・・。
おやじの遺産も丸々残る。
そうだ。1000万円だぞ。
1000円じゃないんだ。作者に相談すれば、
それくらい許されるはずだ。
なんなら、もともと、この作者だって、
2000万で買ったものを
出してるのかもしれない!
iiよ、買ってやる、買おうじゃないか!
意気揚々と、煌々奮々と、
27インチの前に座り直した頭の中に、
目の前の、即決価格で落札するの文字が、
するりと入り込む。
カーソルをボタンの上に持ってゆく。
マウス左クリックの上方8mmの位置にある
右手の人差し指が震えている。
買ーえ 買ーえ 買ーえ 買ーえ
買うな 買うな 買うな 買うな
・・・・ちくしょう。
買え、買うな、と
せめぎあってるおまえらは、なんなんだ。
ああッ、おせよ、はやくっ、
クリックしろ。
ハッピーエンどマニアなら!
・・・。
だめだ。出来ない。
ナゼ…押せないんだ…。
おやじの、先祖のノロイか…?バッと、
振り返る。んな理由ない。
臆病なだけだ。
それとも違う。
堅実だから?
ノンノンそれは無い。
何故か、まるで、これを、クリックすると、
バッドエンドになるような…
バカか!そんなわけあるか、そんな…
脳内に、突然湧き上がるデジャヴ。
あ"あああ
うるせえ ドン.
結局買わなかった、買えなかった、あの夜の、
2日後の朝、落札の2文字が眼に入る。
こうして、突如現れ、我が人生にして
最大の興奮と我慢を味わわせてくれた
キセキの物語は、運命に導かれるままに幕を閉じた。
落札者は、知の独占欲にまみれた老人だろうか
落札者は、儲け話の上手い若者だろうか
落札者は、ハッピーエンドを夢見るこどもだろうか
いや、落札者は、ハッピーエンドマニアらしい。
世界に公開された、
この話のラストシーンは…
