============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、お前は・・・一斗缶って知ってる?」
「ああ。便利ですよね。色んな・・・まさか、差異の話じゃ・・・。」
「その、まさかだ。そもそも、朝イチで、ツカミの漫才するか?まあいい。差異が生じたのは、『歪の国』。お前が、国のトップを誘拐しようとした偽SPをかな子と守った次元だ。回想するなよ。事件は、2011年。9月14日早朝、清掃員が不審な一斗缶を発見した。中身は、バラバラ死体だった。犯人は、よもや簡単には見つかるまい、と博打にうって出た訳だ。11月2日に逮捕、11月24日に起訴。2014年10月15日に最終的な判決。懲役28年だった。ここまでがデータベースだ。年鑑が書き変わったのは、つまり、差異は、この家族殺し・死体遺棄の犯人が捕まらなかったことだ。消費者金融への借金が原因ということは解明されたが、行方不明のまま、迷宮入りした。おかしいよね?」
「シッパーが逃がした。また、未来へ?とにかく行って来ます。」
MRIに似た移送装置に横たわる時、かな子を思い出した。
今日も、仕事したら、まっすぐ帰るからね。
しかし、妊娠が判っても、激しい。判ったから激しいのか?
睡眠学習によると、ボスの言った通り、犯人は追い詰められていた。一斗缶は勤務先のもので、借金を返す為には、保険金が必要だった。
阿呆な奴だ。
2011年11月1日。『歪の国』。
自宅に帰る途中の男を、ある男が呼び止めた。
「刑事が張り込んでいるよ、葛西哲さん。殺人及び死体遺棄で捕まりたくなければ、俺について・・・。」
俺は、シッパーに囁かせなかった。
シッパーを『保安檻』に送ったからだ。
継いで、俺は、葛西の自宅に跳ばした。
人は、危険が迫ると、無意識に自宅を頭にイメージする。
俺は、自宅付近に跳んで様子を見た。
張り込みをしていた刑事が葛西に言う。
「葛西哲さんですね。行方不明のご家族について、お聞きしたいことがあるので・・・。」
脱兎のごとく逃げ出した葛西は、簡単に捕まった。
『公務執行妨害』が追加だな。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
「まだ5分あったか。今回は探し回らなかったからな。」
「うむ。上出来だ。今夜は、筍ご飯だそうだ。」
え?
午後7時。帰宅すると、一斗缶が並んでいた。
ラベルを見ていると、色々ある。
「こっちがお米、こっちが乾物、こっちがお菓子、そして、こっちがたけのこ。」
良かった、死体がなくて。
「今ね、レトロで流行ってるの。頑丈で密封性が高いから、だって。たけのこご飯好きだよね。」
「ああ、かな子の次にね。」
「やだあ、夕飯前だけど、いいか・・・。
かな子は、衣類を脱ぎ捨てながら、奥に・・・。
しまった。
―完―
※2011年8月14日朝、大阪市天王寺区の公園で清掃活動をしていた男性が人の足首や頭部が入った一斗缶を発見[1]。一斗缶は植え込みに立てかけるように置かれ、ビニールテープでふたが固定されていた。同日午後に近くの路上で手首などが入った第二の一斗缶が、翌15日には近くのゴミ捨て場から左足首が1つ入った第三の一斗缶が発見された。
※一斗缶には、バラバラにされた2人分の遺体が入っており、DNA鑑定したところ2人が母子関係にあったことが判明。その後の調べで母子は2006年から行方不明になって失踪届けが出されていた2人(2006年当時母親は46歳、大学生の長男は21歳)であることがわかり、8月23日に母親の夫である男(2011年当時57歳)が死体遺棄罪容疑で逮捕された。
※被疑者は遺棄された一斗缶の近くのマンションに住み、一斗缶は元勤務先の製薬会社で入手が可能であった。容疑者の供述によると、遺体を入れた一斗缶は勤務先の倉庫で保管されており、退職したことで2009年4月に一斗缶を自宅に持ち帰ったという。同年9月に死体遺棄罪で起訴された。死体損壊罪については公訴時効(3年)が成立していた。
※その後、同年11月2日に2人を殺害したとして、容疑者は殺人罪で再逮捕された。同月24日に殺人罪で起訴された。
※2013年に大阪地裁で開かれた裁判員裁判で検察は「被告人が2003年に消費者金融の借金を返済するために妻に無断で保険を解約したが、2006年4月に妻が長男の学費捻出に保険を解約することを持ちかけられた際に無断解約が発覚したため、自宅で妻や長男を殺害した」とし、「2人の遺体を発見しながらすぐに通報しないのは不自然であり、遺体を切断してまで徹底的に2人の死を隠したのは、死亡に関与したとしか考えられない」として殺人罪を有罪と主張して、無期懲役を求刑した。
※一方、被告人は「2006年4月10日夜に帰宅すると、長男が布団の中で死亡しており、足元に大きなハンマーが置かれており、浴室内で妻がカッターで手首を切って倒れているのを発見し、妻が長男と無理心中したと思った」と述べ、死体遺棄した動機については「修学旅行で不在だった次男に伝えたくなかったため」と述べ、死体遺棄罪を認めた上で殺人罪については無罪を主張した。
※2013年7月17日の地裁判決では「遺体を解体した上で一斗缶に入れて遺棄するという異常な行動を取るのは、死なせたことを隠すためと考えなければ合理的に説明がつかない」として、被告人が2人の死に関与したことを認定した。
殺意については、「現場に長男の大量の血痕があったことから、長男への殺意を認定できるが、妻については暴行の態様を推認させる証拠はほとんどなく、殺意があったとは断定できない」として、長男には殺人罪としたが、妻には殺人罪ではなく傷害致死罪を適用し、懲役28年が言い渡された。また、犯行の動機や経緯は「不明」とされた。被告人は上訴したが、2014年4月24日に控訴棄却され、同年10月15日に最高裁で上告棄却されて判決が確定した。
※実際の「大阪一斗缶事件」を題材にしていますが、飽くまでもフィクションとして記述しています。
クライングフリーマン


