============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、お前は・・・デマ、どう思う?」
「かな子は潔白です。」
「何言ってるの?他の天体がぶつかって来る、とかいう類いの。まあ、お前が次元管理局にいた頃、宇宙人と闘ったのは、別にしてね。差異が生じたのは、『別の国』。いつも思うが変な名前多いね。で、『別の国』では、1910年5月19日。アレー彗星が接近しすぎてぶつかって来る、ってデマが蔓延った。ところで、年鑑が書き変わった。」
「ぶつかったんですか?」「違うよ。彗星の接近が5月30日だった、って、新しいデマが流れた。天体マニアはがっかり。天体望遠鏡も予約で一杯だったのに。実際は、接近予定通りだった。但し、ぶつかってはいない。天体望遠鏡や地球儀は売れなくなり、倒産する会社も出てきた。その後。天文学に進む学生はいなくなった。」
「酷いな。」
「だろ?だよね。そだね。絶対ね。」
「何かキモい。」
俺はMRIに似た移送装置に寝転がった。
睡眠学習によると、センセーショナルに天体ブームが起こった。
天体望遠鏡や地球儀は売れ、プラネタリウムも普及した。
それが無くなると、文化の破壊だ。
1910年5月18日。『別の国』。あるテレビ局。
あるコメンテーターが、計算間違いがあって、実は5月30日に接近すると『法螺』を吹き始めた。
俺は、スタジオの片隅から、奴を消した。
というか、『保安檻』に送った。
そして、楽屋に拘束されていた、本物のコメンテーターをスタジオに跳ばした。
MCが困って言った。
「えっと、今言われた言葉は?」
「えっと、5月19日に接近する話でしたね。実は、周期的に接近するんですね。」
ずっと見ていたかったが、そうも行かない。
俺は、3026年の未来に跳んだ。
3026年某月某日。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
異常無い。良かった。
ボスは、またいない。
勝手に、先に帰るなよな。
午後7時。帰宅すると、かな子はクビを傾げている。
「貴方と出逢った場所が判らないわ。」
「んー、かもね。今、いるここが最高だよ。」
「おかず、買いそびれちゃって、タクアンしかないけど。」
「た・・・たまにはいいかな。」
逆らうと、後が恐いからな。星の接近より恐い。
―完―
※ハレー彗星について
ハレー彗星はおそらく最も有名な彗星であり、周期彗星であることが初めて分かった彗星でもあります。
※望遠鏡が発明される以前、彗星は夜空の何も無いところから現れ、ゆっくりと見えなくなって消えていくように考えられていました。彗星はしばしば王や高貴な人物の死や、大災害といった不吉なことの前兆と考えられ、昔の人はその出現を恐れていたということです。
※イギリスの天文学者エドモンド・ハレーは過去の文献などを詳細に調べ、76年という長い周期を持つ彗星の存在を指摘。1705年の時点で、次に出現するのは1758年であると予言し見事的中させました。しかしハレー自身は1743年に没したため自らの予言的中の瞬間を見ることはできませんでした。
※ちなみに前回の出現は1986年、次回は2061年(7月28日)です。


